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Leica M10-D

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Leica M10-Dを中心にM型ライカの使い方や特徴を解説し、作例写真と共に紹介します。プロのフォトグラファーから見た印象と、撮影や設定のちょっとした小技も解説しています。
Leica M10に関するムックマガジンです。使い方や設定だけでなく、撮影された写真やライカにまつ… もっと詳しく
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#写真

ズミクロン愛、SLとM型ボディの比較において

単焦点レンズはできるだけ小さくて、地味なものがいい。 日々持ち歩いても、見た目にも写りにも飽きがこないようなもの。いや、地味なものは飽きやすい。実際自分は50mmで撮ることに、同じレンズで日常をひたすら記録することに本当は飽きているのではないか。 ライトルームに「ズミクロン」というキーワードを入れてみる。 何万枚もの写真がフィルタリングされて表示される。 50mmに飽きながら、ズミクロンに飽きながら、なぜこの同じレンズを人生で3回も買っているのだろうか。 たぶんその

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人を撮るということ

写真を撮り始めてまもない頃は、人を撮りがちだ。 恋人や友人に家族にクラスメイト。身近にいる愛する人たちを撮るために誰もがカメラを持つ。 もちろんカメラという機器そのものへの興味から写真に入る人々もいる。 だけど何かを撮らなければ機器への興味も追求することはできないだろう。 そういうわけで、カメラそのものが好きな人たちも、人を撮ることが結構好きだったりする。 ヨドバシカメラみたいなカメラ店が「モデル撮影会」を行っているのも、そのような需要があるからである。 先にあげ

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LeicaM10-DのJPEG感

JPEGの撮って出し、という言葉があります。デジタルカメラで撮影した写真を、無加工のまま提出することで、おそらくはアマチュアカメラマン、スナップ系の人によって造られた言葉です。 仕事として写真を撮っている人は、RAWデータから現像をして仕上げることが多いです。露出のコントロールが効くのと、高い画質を保持したまま写真を完成させることができるからです。 仕事でも、ジャンルによっては未処理のJPEGで納品するものもあります。例えば枚数を多く撮るような撮影、ライブ・舞台・スポーツ

M10-Dの弱点

この世に完璧な人間が存在しないように、完璧なカメラというものも存在しない。 カメラが完璧であるという状態は、カメラらしさを失うことであり、そうなるとそれはもうカメラでは無くなってしまう。(「ポメラ」と一文字変えるだけで、映像ではなく文章の入力機器になってしまうように。) 物体という形を維持している以上、それはモノとしてのデザインや素材や構成に、いつでも縛られている。それがアナログであるということであり、プロダクトとして私達が日々使うものなのだ。 ひとつの前提として、強み

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Leica M10-D の操作性

フルマニュアルで直感的な操作ができるのがM型ライカの大きな特徴だ。 電源を切っていても、シャッタースピード、絞り、iso、ピントと撮影に必要な要素全てを調節できる。これはフィルムカメラを使用しているような感覚を与える。そして一度この感じに慣れてしまうと、他のカメラに戻れない使いやすさがある。 そして使えば使うほど操作が習熟して、いい写真がとれるようになる。身体に馴染む、身体的とも言える。 M10-Dには液晶画面すら無い。

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再会して再開する、M10-D

ライカはずっとMPを使ってきた。根は真面目な性格のせいか、20代の終わり頃、ずっと敬遠していたものを手にとった。写真を仕事として扱う一人の人間として、写真自体を生み出す機械に関しては誰よりも熟知していなければならない。基本のライカを使えずしてカメラマンは名乗れないだろう。そんな過剰な思い込みもあったと思う。そして僕が好きな写真家は様々なカメラを使うタイプの人が多かったことと、35mmという写真の伝統、あるいは写真の父としてブレッソンやロバート・フランクの影響ももちろん大きい。

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