【with wedding vol.41】2020年のリクシィ

※株式会社リクシィ代表安藤が寄稿したウェデングジャーナル
連載号:2020年12月号 第134号 の内容を転載しております。

今日は2020年11月30日、コロナの第3波が確実にきておりどのような影響を及ぼすのかまだまだわからない部分が多々ありますが、泣いても笑ってもあと1か月で今年も終わりです。たまにはリクシィの話もさせていただこうと、少し早いですが今年を振り返っておきたいと思います。ある企業のエピソード、という形で、ご高覧いただければ幸いです。

■2020年のリクシィ

・1月
2020年は令和時代の加速ということで、結婚式の多様化が一段と加速するだろうと目論見、意気揚々とスタートしたものの、コロナウイルスの情報が下旬ごろから出始めました。

・2月
コロナウイルスの影響が危険視され始めました。

・3月
コロナなんかに結婚式の邪魔をさせるかと、調査リリースを発表。ヤフーニュースにも転載されたのが自粛に関する発令翌日で、「こんな時期に結婚式なんて」とプチ炎上(苦笑)
-“「結婚式へ列席したい」割合が81.8%!新型コロナによる自粛ムードの中でも、結婚式への列席意欲は高い?!”

・4月
メディアで「延期によるキャンセル料負担」の話題が広まったのをうけて、実際には顧客ファーストな会場がほとんどな事実を知ってもらおうと、「withコロナ時代の結婚式宣言」を発信し、TBS・フジ・NHK・ヤフートップ・各種新聞等で話題に。

また、業界内で何をすべきかシェアできる機会を設けたいと「リクシィラボvol.1」を開催、事前申込み329名、同時視聴500名となり、想像以上の視聴数に驚愕しました。以後、シリーズ化。

・5月
「トキハナ」リリース、チュールウェディングとgensen weddingを統合。元々、コロナに関係なく統合を予定していましたが時期が重なりました。そして、CHET Groupとの共同サービス、CGを用いたオンライン結婚式「Vウェディング」が、フジテレビ・日テレから、中国・ロシア・南米まで大きく取り上げられました。

・6月
自分が結婚式場の経営者ならどうするかの観点で作成した「with・afterコロナ時代に適応した結婚式場運営に対する8つの仮説」を無料配布。それと同時に、結婚式場向けDX支援メニューの提供スタート。クライアント数・受注額ともコロナ前をクリアする形になりました。

・7月
回復基調に入ってきたと思われたところに第2波が到来し、それまでの楽観論が通用しないことを悟り、一気に慎重モードにシフトしました。トキハナ上に式場ごとのコロナ対策情報を掲載することを決めて、準備を進めました。

・8月
トキハナで265式場のwithコロナ対応指針を掲載し、「トキハナフェス」を全国17の結婚式場(サービス)の参加でオンライン開催しました。


・9月
シンカ系ウェディングサロンをスタート。また、「異業種向けLINE運用によるCVアップ支援」 をリリースし、不動産系・消費者向け商材などで取り扱いを開始しています。

・10月
結婚式場向け「LINE運用代行サービス」を開始。早々に複数社、導入が決定し、ローンチに向けて準備中です。
そして、トキハナの参画会場が400を突破して、持込自由な式場掲載数はNo.1(自社調べ)となっています。

■ここだけの話を少し追加

ここまで読んでくださった皆さまにせっかくということで、オープンにしていない話も少し書いてみます。

思い返すと4月、緊急事態宣言を受けて、コンサルティングのクライアントもキャッシュの観点で継続困難と2/3が途中解約となり、転職支援もブライダル企業は採用停止、エージェント事業(現・トキハナ)は日程変更やキャンセルによる入金延期ならびに返金と一気に窮地に追い込まれました。

役員でどうするかを話し合い、横浜サロンと開発用オフィスを解約してフルリモートに(今もそうです、リクシィズはその方が快適だそうですが)。そして、役員報酬含めた販管費の抑制に一挙に動きました。「リクシィは倒産するかもしれない会社」と社内に宣言し、一部のリクシィズには半出向を受け入れてもらうなどしました。金融機関からの融資が決まって、倒産懸念宣言は無事撤回をし、危機的状況に置かれていることを共有しつつも上記のようなアクションを重ね、コンサルはコロナ前の売上を超え、転職支援は異業種向けの支援が増え、トキハナも広告費を抑制しながら利用されるお客様が増えてくる状況にできてきています。

今回のような取り組みは、今回のような事態に追い込まれなければ考えられなかったと思いますし、得られたものは非常に大きいなと思いますが、「倒産するかもしれない会社」と言われたにも関わらず、リクシィズが残ってくれているのは本当に感謝しています。今回の件で、組織として1回りも2回りも大きくなりました。今までの仕事では経験しなかったような幅の仕事に触れ、成長につなげているメンバーもいます。

■おわりに

2020年は誰にとっても想定外の、言うなれば映画やSFに出てくるような話が現実化した1年だったと思います。そしてそのまだまだ渦中にいます。

この状況から得られるもの、この状況からしか得られないものがあるとすれば、それは1つ残らず吸収して、未来につなげる。それだけを考えてやってきたように思います。

ウェディングジャーナルの本稿でも、リクシィラボなどでも、「活路は前」や「今がチャンス」などと申し上げてきましたが、そのほとんどは自分に言い聞かせてきたような面もあります。

今もなお、コロナという厄災が通り過ぎるのをみな、待っています。が、通り過ぎることはないのかもしれません。11月、コロナの第3波が悪い想像の通り到来しました、雇用調整助成金が2月末まで延期になる良い知らせはあるものの、その後、事態が好転する保証はどこにもありません。もちろん現状のような前年対比6-7割経済が継続する可能性もありますが、楽観視したシナリオと、悲観視したシナリオ、両方に向き合わなければなりません。

お客様に何ができるか、集客で何ができるか、社員に何ができるか…。結婚式場もドレスショップも、結婚式に関わる全ての会社・人々が、考え続けなければなりません。誰に何をすべきか、どのようにすべきか。そこに、我々業界の未来もあるはずです。

安藤 正樹 - Masaki Ando
株式会社リクシィ代表

花嫁の不安を“トキハナツ”式場探し「トキハナ」を提供するウエディングプラットフォーム事業、ブライダル企業の事業をサポートするブライダルコンサルティング事業、ブライダル特化の人材紹介サービス「リクシィキャリア」などを提供するブライダルビジネスサポート事業を柱に展開。
ブライダル業界の構造改革、結婚式であふれた世界を創ることを目指しています。

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