【with wedding vol.24】PR観点のイベント開催は意義が大きい
※株式会社リクシィ代表安藤が寄稿したウェデングジャーナル
連載号:2019年7月号 第106号 の内容を転載しております。
リクシィとして3つのイベントを連続開催
2019/6/7、6/8の2日間に渡ってイベントを開催しました。6/7は「ウエディングカンファレンス 本気のトークセッション」を、6/8は新郎新婦向けイベント「Wedding Select Fes(ウエディングセレクトフェス)~gensen wedding vs Choole~」を、また、6/7はシークレットイベントとして「Wedding Open Innovation記者発表会〜令和時代の結婚式の在り方と新しい挑戦〜」と3テーマ、開催しました。
スタートアップは広報が重要と良く言われています。高額なマーケティング費をかけている大手企業にとっての広報の価値と、少額でがんばるスタートアップにとっての広報の価値は、相対的にスタートアップにとってのそれの方が大きくなるのが理由だと解釈しています。
ただ、スタートアップというのは何の実績も無いので、注目を集めるためにイベントを開催するというのはある種のセオリーになっています。また、私たちが手掛ける、gensen weddingやChoole(チュールウエディング)は新しいサービスで、なかなか独自性が伝わりにくい面があるため、お客様に対しては、場をつくって体験してもらうことが一番という考えもありました。
6/7のイベントは、裏話をすると、6/8用の装飾や場所代を考えたら1日だけで終わらせるのはもったいないこと、元々、ブライダル事業者様向けのカンファレンスをやれたらなという思惑、世の中に対する話題づくりとしてメディアとのコミュニケーションをできるきっかけをつくれればとい考えから、前日に開催することにしました。
準備期間が1カ月半と短く、告知もあまりしきれていない中で、反省も多々残りますが、一定の手ごたえを残せたかなと思っています。協力くださった、結婚式場やベンダーの皆さま、誠にありがとうございました。今回はその総括をシェアさせていただきたいと思います。
「Wedding Select Fes(ウエディングセレクトフェス)~gensen wedding vs Choole~」をやって
ウエディングのイベントは特に都市部では良く開催されていると思いますが、同じような内容をしても価値が無いなと考え、試着や撮影といった体験を重視したのと、様々なインフルエンサーさんに協力をいただきトークセッションのコンテンツを軸に据えました。結婚式の知識があまりないまま結婚式を進めてしまって後悔をするというのは大変もったいないなと思っていて、ドレスを一度来てみるだけで全然イメージが変わるだろう、その写真が残ることで自分の結婚式の参考になるだろう、そういう想いがありました。また、トークセッションは、結婚式の体験談を語ってもらうことで、様々な価値観があるということを知ってもらいたいという思惑です。
「スタンダードな内容だけどクオリティにこだわった」
「どうしても譲れない装飾の部分は会場と交渉して持ち込んでやらせてもらった」
「自分の世界観を明確にしてそれに合う会場を選んだ」
「自分たちで全て手配をして1泊2日でやった」
「クラウドファンディングで結婚式をした」
様々な価値観がシェアされました。共通して言えることは、「しきたりや手順に対する違和感をそのままにせず、素直に自分がやりたいことをやる」ということで、重要な視点を発信できたのではと思います。興業的には、想定よりも低いcpaで140組の方にお越しいただくことができ、今後の手ごたえにつながりました。
「ウエディングカンファレンス 本気のトークセッション」をやって
変わって、前日のウエディング業界向けイベントですが、10名の実力派スピーカーの方に協力をいただいて、「事業戦略」「HR」「マーケティング」の3領域でトークセッションを開催しました。ウエディング業界のイベントは、スピーカーからの一方通行のものが多い印象で、1つのテーマに複数の角度から話がシェアされていくイベントもやってみれたらなと思っていたのと、リクシィとして創業後3年経つ中で、「この人たちの話を聞いてみたい!」という観点で、オファーさせていただき、面白そうだと引き受けてくださいました。登壇くださったスピーカーの皆さまには感謝しております。
自分はHR領域でモデレートさせていただきましたが、ホテル雅叙園東京森木さんのオープンなコミュニケーションによる組織づくりの話や、CRAZY吉田さんのスタッフのお客様に対する姿勢と経営陣の社員に対する姿勢が同じで、どちらも他人の人生に深く関わるというスタンスで一貫しているという話が、非常に刺激に溢れていて、自分自身の学びになりました。社内カルチャーとサービスのスタンスは確実にリンクするなと常々思います、サービス業はホントに顕著にそれが出ます。
50社限定という形で開催させていただいて、短い告知期間にも関わらず満席となり、意義のある場を今後もつくっていけると良いなと思いました。「事業戦略」「HR」「マーケティング」といった領域は、各社の考えがシェアされることで、産業全体の方向感がすり合って、大きな流れにつながるのではと思っており、その目的は一定実現できるのではないかと感じました。
「Wedding Open Innovation記者発表会〜令和時代の結婚式の在り方と新しい挑戦〜」をやって
リクシィでスタートする「Wedding Open Innovation」という取組みの発表会と合わせて、令和の時代の結婚式の変化をマスメディアの皆さまにも伝えられたらと記者発表会という体をとらせていただきました。リクシィだけが言っているというわけではないというアピールのため、元国会議員の宮崎謙介・金子恵美夫妻や、ウエディングニュースの榎本社長、ネット企業の起業家の方々らにも協力をいただき、結婚式の変化をうまく伝えられたのではないかと思っています。発表会の様子は、ネットのニュースや、テレビでも取り上げていただき、一定の成果が感じられました。実際、今年に入って、地上波でもチラチラと、そのような放送がされるケースが増えてきたような印象があり、その兆しは間違いなくでてきているように思います。皆さん、結婚式がいよいよ大きく変わっていきそうです!(笑)
まとめ
スペースの観点もありハイライトした内容になってしまいましたが、もっと詳細を知りたい方はリクシィや私のブログをご覧いただければと思います。今回は私たちのイベントレポという感じになりましたが、これは結婚式場にとっても当てはめることができるのではないかと思います。特に、ローカルに根差して活動している結婚式場にとっては、その情報を届けるべき相手が絞られていますし、大手はそこまでできないという話になります。毎月数百万円を広告投資していること、1組獲得で粗利は回収できることを考えると、ブライダルフェアよりもよりメッセージ性の高い話題づくりのイベントを開催することはリスクが無いですし、イベント自体もそもそも得意な領域なはずだと思います。このような話をすると、多くの会場さんが、「トップの理解が得られなくて」という現場サイドの想いと、「ノウハウが無くてチャレンジしにくい」というトップの想いがあって、動かないなあと思って見ていますが、だからこそチャンスと前に進む結婚式場があると、有利な展開にもっていけるのではないかという気がしてなりません。そんなヒントになればいいなと、本稿をお届けさせていただきました。
安藤 正樹 - Masaki Ando
株式会社リクシィ代表
花嫁の不安を“トキハナツ”式場探し「トキハナ」を提供するウエディングプラットフォーム事業、ブライダル企業の事業をサポートするブライダルコンサルティング事業、ブライダル特化の人材紹介サービス「リクシィキャリア」などを提供するブライダルビジネスサポート事業を柱に展開。
ブライダル業界の構造改革、結婚式であふれた世界を創ることを目指しています。
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