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世にも不思議な物語!?

トピック:NYの都市伝説

By あべりょう

ニューヨーク市には「下水道にワニが棲む」「男女比率1:8」「徳川家康がマンハッタンの名付け親」、、等々、種々の伝説があるが、それらに近い現実の話として、「地下鉄旧シティーホール駅」や「地下から上る蒸気」、「地下鉄キアノのチラシ」などもある。(因みにこれらはSNSでチェック可能。)

そのうちの実体験を一つ。

NYのワシントンスクエア・パーク(画像)は、ニューヨーク大学(NYU)に隣接する、若者で年中賑わう人気公園の一つ。特に夏時分は、夜遅くまでというか朝早くまで祭り化する。

80年代後半のことと思う。友人の友人が、日本から遊びに来ていた。ある日NYの若者のメッカ的(とその頃思っていた)ヒップなこの公園に連れ出した。最初は何事もないかのように、その賑わいを見て楽しんでいたが、人混みを横切って中央付近に来ると、息苦しいという。

そこから公園の北西側のウエストヴィレッヂ方面に抜けようとしてベンチで一息ついていたのだが、今度は何か呻き声やら唸り声が聞こえるという。こんな喧騒の中で?と思ったが、普段と少し様子が違うので、その時は人酔いでもしたのだろうと思った。

木が植え込んである場所、今ではドラッグやアルコール中毒者がたむろしている辺りだ。その昔、オランダ人が土地所有の概念がなかった先住民から、マンハッタンを24ドル相当(60ギルダー)で買い(騙し)取って住んでからは、罪人の処刑地だったと後でわかった。

同時にこの場所は、19世紀に流行した黄熱病死者が、ミッドタウンなどから隔離のため埋められ、無名墓地になっていったという。そしてこの北西の入り口の角に今でも聳え立つ英楡の木は、”ハングマンズ(絞刑吏)・エルム”とも呼ばれ、文字通り吊るし首にされた木の一つと言われている。

右の木がハングマンズ・エルム


今では約350年が経っており、諸説あるが、マンハッタンでは最古の木との記録もある。そして墓地は1825年に閉鎖されたが、約2万人の死体が眠っていた。

彼女は極度にセンシティヴとも見えず、むしろ快活な感じだったと今では思い出す。彼女によれば、子供の頃に比べれば大分感覚が衰えはしたが、気や霊を感じるし、子供の頃から死人のうめきや鳴き声までも聞こえたりしたという。

かと言って、全てが怨霊に関するような声ばかりではなく、楽しげだったり、ハッピーな子供の”幽霊”も見えたようだ。その頃はいかにも面白い話と聞き流していたが、後々、関わる仕事でそれはまんざらでもない事と実感している。

2001年”セプテンバー・イレブン”、確か2、3ヶ月後、友人と二人でワールドトレード・センター周辺界隈を通り抜けると、単にショックを受けてそうなのか、霊のせいなのかはわからないが、妙に息苦しさを感じたのは今でも覚えている。友人もそそくさと急ぎ足になった。何か目には見えない超常現象であったに違いない。
自分的に今ではあまり不思議でもない、世にも不思議な物語!

阿部良光: ミシシッピー州立大を経てNYに。地元邦字紙編集/記者からボディー・ワーカー。滞米43年。汲々自適のほぼリタイアライフ。

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