見出し画像

ストリートフェスティバル@NYC

今回のテーマ:フェスティバル
 
by  萩原久代


春・夏から秋にかけて、ニューヨーク市内あちらこちらで車両通行禁止になる地区がある。ストリートフェスティバル、カーニバル、フェア、パレードなどのイベント開催のためで、週末と祝日に多い。こうしたイベントは市内だけで毎年100以上あるという。コロナで2年ほど開催が見送られたが、昨年から通常のレベルに戻っている。
 
写真は、数年前の夏、日曜午後に用事があって歩いていたハーレム近くで、偶然出会ったストリートフェスティバルだ。車両通行止め範囲は3ブロック程度で、フード・ドリンク屋台は7軒くらい。地域住民中心の小さなイベントで、顔見知りも多いようで立ち話を楽しんでいる風景も目立った。やがてステージで地元バンドによるロックとソウル系音楽の演奏が始まると、すぐにダンスが始まった。やはりハーレム、9割以上は黒人系住民だった。


ジャークチキンを売る屋台


大きなグリルで、おじさんがジャークチキン(ジャマイカ料理でスパイスの効いた鶏肉)をジュージューと焼いて、一帯にとても美味しそうないい匂いが充満していた。ビールと合いそうだ。ハーレムというと怖いイメージがあるが、個人的には場所と時間によっては他の地域と大きな差はないと思う。
 
さて、ジャークチキンといえば、ブルックリン地区の大規模フェスティバル「ニューヨーク・ジュヴェール祭」で初めて食べた。かれこれ20年近く前のことだ。ジャークチキンやカレーチキン、バナナフライ、ライス&ビーンズなど、エキゾチックな匂いが溢れる賑やかなお祭りだ。
 
ジュヴェール(J’ouvert)は、もともとカリブ海・西インド諸島で行われるカーニバル(謝肉祭)で、ブラジルのリオのカーニバルのような衣装を着けて踊るパレードが目玉だ。ただ、ブルックリンのジュヴェール祭は謝肉祭の時期(2〜3月頃)ではなく、9月の第1月曜日のレイバーデー(Labor Day)に実施される。西インド諸国からのアメリカ移民団体が主催する。レイバーデーの色鮮やかなパレードの他に、週末にはコンサートや講演会なども開催される。屋台の数も半端な数でない。
このお祭り、200万人以上の訪問者数にのぼるそうだ。大物政治家のパレード参加(過去にはヒラリー・クリントンなど)もあり、地元のニューヨーク市長やニューヨーク州知事もやってくる。
 
参考)2022年9月5日の様子を伝える地元テレビ局ニュース:
 
https://www.ny1.com/nyc/all-boroughs/community/2022/09/05/west-indian-day-parade-and-j-ouvert-return-to-brooklyn-with-flair
 
様々な人種の集まっているニューヨークならではのストリートフェスティバル。行ったことのない国や地域の文化、音楽、踊り、アート&クラフト、食べ物など垣間見ることができる。ニューヨークのストリートフェスティバルの楽しみは何かと聞かれたら、私にとってはやはり食べ物かもしれない。
 
 


*****
 
萩原久代
ニューヨーク市で1990年から2年間大学院に通い、1995年からマンハッタンに住む。長いサラリーマン生活を経て、調査や翻訳分野の仕事を中心にのんびりと自由業を続けている。2010年からニューヨークを本拠にしながらも、冬は暖かい香港、夏は涼しい欧州で過ごす渡り鳥の生活をしている。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?