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古道具とカフェ「sougen」のオーナー、セツさんとコペンハーゲンで飲み

今週はデザインスケッチの練習をしています
これもデザインするうえでとても大切なスキル。
最近は設計はCADなどPC上ですることがほとんどだけど、
その前のアイデアを練る段階や、他人とコミュニケーションをとるためにスケッチは必要不可欠。

特にコペンハーゲンに来てからスケッチの重要性は今まで以上に感じている
授業は少し退屈だけど、しっかり身につけていきたい


授業は3時前に終わり、セツさんとデザインミュージアムで合流した
セツさんは京都北白川で古道具屋とカフェのお店「sougen」のオーナー
京都古道具市を主催されていて、そこで知り合ってから店の雰囲気も当然だし、セツさん自身の人柄が大好きで色々お世話になってきた。
自分たちのお店「ものや」を立ち上げたのもセツさんの影響が相当大きいと思う

セツさんは今デンマークに買い付けにきていて、折角こっちにいるんだし、とうことで色々セツさんの買付けについて回らせて貰った
買付けしている姿を見ているのは本当に刺激的だった
やっぱり自分とは持っている知識量が圧倒的に違う。
次々に商品を選んでいって、あとで話しを聞くと自分の全然知らないブランドや時代のものだったり。

デザイナーとして、ものや のバイヤーとして、もっともっと知識が必要だと感じた。
まだまだ学ばないといけないことが沢山あると感じるのは、少し悔しいというか、ブルーな気持ちになるけどそれ以上にやる気が出てくる。
それに、自分がまだ知らなくて、知らないといけないと思えるのは凄い嬉しくなる
とりあえず、もっと勉強しよう


夜はセツさんと食事しながら色々話しをした。
いつもセツさんと話す時は他に誰かが必ずいて、二人きりでじっくり話したことはなかったから、少し緊張はしたけど本当に楽しかった。
かなり有難い話がいくつか聞けた、

少し前からずっと、デザイナーとして今自分に何が出来るのかということを考えていた。
物が溢れきった今の世の中で、いったい何が求められているのか
前にも書いたけど、新しいものってなんだ?
自分は何ができて、何をすべきなんだろう?
セツさんにも同じように聞いてみた

「自分一人で、自分だけのためにデザインするって結局ありえない。
 常に相手(クライアント)がいるわけだし、その人の求めていることに
 応えることがプロに求められること。」
セツさんの答えは凄いシンプルで、それでいてとても的を得ていたように感じた

今まで自分をデザインの世界の中心に置いて考えていたけど、当然そうじゃない。
実際は自分にデザインを頼む人がいて、それを手に取るユーザーがいる
その人たちに何が出来るかに毎回集中していくべき。
過程では先程のような疑問に当然ぶつかると思う
そのときに自分がどう問題にトライしていくのか、その道筋がデザイナーとしての自分のあり方をつくっていく。
先に自分の姿を確立して仕事に臨む方が土台無理な話なんだ
ん〜、なるほど。その通りだ


じゃあ、どうやって自分にそもそも依頼が入ってくる?
自分のデザイナーとしてのアイデンティティはどこにあるんだろう

これも割とよく感じること。
自分の好きなデザイナーはみんな「その人らしさ」を持っていて、だから仕事が入る
らしさ はつくるものじゃなく、その人の背景から滲み出てくるもの
自分にそんな大層なものはあるんだろうか


話しが少し変わるけど、
デザインと実際の現場の距離感が近いことは自分にとってとても大事なこと。
デザイナーは単純に線を描き設計できれば良いだけではなく、実際のものづくりの現場の理解も深くある必要がある。
素材の知識や感覚、製造工程などは実際に自分で体感しないとわからない
自分の手に感じる感覚からデザインされたものでないと、長く愛される本当の意味で良いデザインにはなりえない
つまりデジタルが便利な現在で、少し古臭いけど、ちゃんと自分の身体を使ってデザインしたい

これが最近確立されつつある自分のデザイン感
そう思って、ものづくりの現場を大事にデザインし、歴史の流れを上手に汲み取ってデザインに活かすデンマークに留学したいと思った。
デンマーク以外は留学先の候補になかった

みたいな自分のここまでや、デンマークで学ぶ理由を話したりした後に、
自分らしさ ってどうしたら出るんだろう。ってセツさんに聞いてみた

セツさんの答えは
「もう既にここにきている時点で、トキらしさが出ている」
だった。



自分の両親は美容師で、もともと技術あっての職業。
自分の身体を使って相手と接して、仕事をこなしていく

二人を見て育てば、そこらのサラリーマンの両親を見て育つよりずっと、実際に手を動かすことの大事さが身に染みているのは当然の話。
それは当然自分の大きなアドバンテージだし、
だからこそ、デザインでも自然とものづくりの現場の重要性を感じることができる。
そんな自分がもっと手を動かすことを大事にしたいと思ってデンマークに留学に来たことは、すごく自然な流れだし、順当に成長できている。
これは絶対に自分のらしさに繋がっていく

そうやって言ってもらえた。
凄い嬉しかった
自分のことって自分では見えないって、よく言うけど
多分本当にそうなんだろうな。
言われて初めて気づいた

俺ってもともと手を動かして、ものづくりをする感覚を持ち合わせていたのかも。
それはやっぱり、本当に重要なことだ
それに、今後の自分のスタイルをつくっていくうえで絶対に大きな支えになる。
ん〜、なるほど。


デザイナーとしてやっていくための自分らしさが滲み出るような背景って何だろうな、そんなの自分にあるんかな。
ってぼんやりだけど、結構ずっと思ってた
その答えがこんなに近くに、はっきりとあったとは思わなかった。





文章ヘタクソだから、どこまでこの感動が表現できてるかわからないけど、今日、大満足。

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