第29回 なおマリオとKuramaマリオの技使用割合の比較

こんにちは、Tokiです。今回から任天堂の顔とも言えるマリオの国内外の使い手、なお選手とKurama選手の比較を行っていきます。先日行われた最後のSmash Ultimate Summitで4位、Ludwig Smash Invitationalでは3位等と大活躍を遂げているKurama選手とGenesis9ではそのKurama選手を超えるマリオ最高順位のベスト16、篝火9ではベスト6となったなお選手、両名の違いを分析していきます。
はじめに技使用割合から立ち回りの違いを分析し、次回は撃墜などを見ていきます。

今まで同様筆者はマリオの使い手ではなく、使い手の意見ではありません。その点ご了承お願いいたします。

前提

今回の技使用割合で集計しているのは主に攻撃のための行動を集計しています。復帰や攻撃を食らった後に姿勢を直すために振る技はカウントしません。ただし上から復帰や下Bでのタイミングずらしは両者に違いが見られるのかを見るためにもカウントしています。

 技使用回数は対象試合におけるもっともお互いにストック・%が高くなっている1試合での技使用回数を集計しています。

集計対象試合は2022年以降の大会で同じ選手と試合をしていた場合はできるだけ最近の大会の試合を対象とし、なお選手は13戦、Kurama選手は15戦分で技使用回数は両者ともに約1500回分です。

記事の最後に試合をまとめた再生リストのリンクを貼っておきます。興味のある方はご覧ください。以下に個々の試合を示します。

敬称略
なお選手
Genesis9
 Vendetta リュウ 3試合目
 Ouch!? ウルフ 2試合目
 Sonix ソニック 3試合目
 Jenghi リヒター 2試合目
篝火9
 Lv.1 トゥーンリンク 1試合目
 やまD ロゼッタ&チコ 3試合目
 かになべ フォックス 1試合目
 Jahzz0 ケン 2試合目
 へろー クッパ 4試合目
 ヨシドラ ヨッシー 3試合目
 よこしゃーぷ ロボット 1試合目
Tamasuma kyokkan
 ウスケザ 勇者 1試合目
 Shion ゼロスーツサムス 1試合目

Kurama選手
Mainstage 2022
 BassMage プリン 1試合目
 Kola ロイ 2試合目
 Onin スティーブ 4試合目
 Sparg0 クラウド 2試合目
 Desmona スティーブ 3試合目
 Big D アイスクライマー 2試合目
Port Priority 7
 Shuton 4試合目 ホムヒカ
 Anathema 3試合目 ロボット
 MVD スネーク 4試合目
 Tweek ディディーコング 3試合目
Ludwig Smash Invitational
 MkLeo ベレス 3試合目
 Tea パックマン 1試合目
 Skyjay ガオガエン 3試合目
 Glutonny ワリオ 1試合目
 ザクレイ ジョーカー 3試合目

両者の違い

まず初めに結論を述べてから詳細を見ていきます。

なお選手はガーキャンや復帰阻止などで空Nを高頻度で使用していました。その中で即死コンボで撃墜を狙うor高火力コンボで火力を稼ぎ、撃墜帯では空後で低リスクに立ち回りつつ、ニュートラルから空下で積極的に使って撃墜を狙っていました。

それに対し、Kurama選手はかなり積極的に空上を使用しており、特徴的なのは垂直SJから下り空上の差し返して火力を稼いでいました。さらに下強で拾い上げるなどの圧倒的ターン継続力が見られました。

技使用割合

これらは両者の技使用割合を示したグラフで、青は相手%が0~50%,黄色は相手%が51~100%,赤は相手%が101%~の時のものとなっています。

同じファイターですが、それぞれに特徴が見られました。共通点は地上技の使用頻度が少なく、立ち回りの主軸は空後、空上となっていました。

続いて両者の違いを見ていきます。

空N
これは両者の間に明確な差が見られ、なお選手の使用割合がKurama選手と比べて全体で約5%使用割合が高く、特に中%帯では約10%使用割合が高くなっていました。

これは上Bや空下による即死コンボへのルートで空上だけでなく空Nで横方向に繋げるルートを選ぶというのもありますが、特に大きな違いはなお選手はガーキャンに空Nを多用していたという点です。

以前海外勢と日本勢のガードの使い方などを分析しましたが、その時にあったように海外勢はそもそもガードを使用する頻度が少ない傾向があります。そのためガーキャン行動が少ないのに加え、Kurama選手はガーキャンでも空上を主に使用しているというのもこのような差が見られた原因であると言えます。

空下
両者ともに低中%ではあまり変わりませんが、撃墜帯になるとなお選手は積極的に使用していました。

単発技の空後だけでなく、多段技の空下も織り交ぜて撃墜を狙っています。空下は上撃墜のためラインがない状況でも撃墜が狙えるという点や仮に空下で撃墜できなかったとしても着地狩り展開になるので有利な展開を継続できるという点で撃墜帯には非常に優秀な技です。

ただし空後のほうがリーチが長く、後隙も少ないので、リスクを排除して立ち回ることができるため空後が主軸となっています。

空上
空上は今までとは逆にKurama選手の使用割合が非常に高く、特に中%ではなお選手が約30%なのに対し、Kurama選手は約40%と最も違いが見られました。両者ともに空上から高火力コンボを始められるので使用頻度は高いですが、Kurama選手はガーキャンやダッシュ上り空上で差し込みに使ったりと、積極的な攻めに使っていますが、垂直SJと絶妙な慣性による間合い管理で相手の技をかわしつつ下り空上で差し返してコンボを始動するというのがよく見られました。

またSJから最低空で空上を通してコンボをつなげたり、空上コンボを外した時も先に着地して下強からさらにコンボを継続するなど、ターン継続が非常に上手でした。

その他
使用割合に違いはそこまで見られませんでしたが、両者にそれぞれ違いが見られたものもあります。

下強はKurama選手が崖や空上などを外した後の相手が台上から台下に逃げるのを捕まえるのに活用しており、その後空後や空上などで撃墜に繋げる場面が何度か見られました。

また両者ともに追撃や差し返しに横強を使用していましたが、なお選手はそれに加えて滑り横強でうまく差し込みをしていました。ジャンプを多用するマリオですが、その中で唐突に来る地上からの差し込み技として機能していました。

また空Nからの上スマや下スマなどを頻度は少ないもののKurama選手使いこなしており、コンボ撃墜を逃した際に空N始動で低リスクに撃墜できていました。

まとめ

今回は技使用割合からなお選手とKurama選手のマリオの立ち回りの違いを分析してみました。両者の違いは

なお選手は空後、空上を主軸としつつガーキャンや復帰阻止などで空Nを高頻度で使用していました。その中で空上からの即死コンボで撃墜を狙うor高火力コンボで火力を稼ぎ、撃墜帯では空後で低リスクに立ち回りつつ、ニュートラルから空下で積極的に使って撃墜を狙っていました。また次回以降の記事で詳細は分析しますが、復帰阻止も積極的に行っています。

それに対し、Kurama選手は空後、空上を主軸とするのは共通ですが、かなり積極的に空上を使用しており、ガーキャンや差し込み等で積極的に使用していました。特徴的なのは垂直SJからの絶妙な間合い管理で下り空上で差し返して火力を稼いでいました。コンボを回避で逃れたとしても下強で拾い上げるなどの圧倒的ターン継続力が見られました。

終わりに

今回はなお選手とKurama選手の違いを分析してみましたが、いかがでしたでしょうか?個人的にはもっと違いを何かしらのデータを用いて示すことができるんじゃないかなと思っているので、次回撃墜などを分析したらもっと深い分析をしてみたいと思っています。

ここまで見てくださってありがとうございました。よければ今後も最上位勢の分析を行っていく予定なのでフォローをしてくださるとうれしいです。また、何か質問やリクエスト、さらなる分析・考察がありましたらコメントをくれるとありがたいです。

集計試合

なおマリオ

Kuramaマリオ


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