第11回　海外勢と日本勢の防御行動の比較

2022年2月9日 16:31

　こんにちは、Tokiです。今回は今までの分析とは少し変えて、海外勢と日本勢の防御行動について分析・比較していきたいと思います。海外勢はガン攻めで、日本勢はじっくりとやり合うというのを聞きますが、それは実際に数値として違いが出ているのか疑問に思い、それぞれの最上位勢の同キャラ使いのプレイを比較してみました。
　集計した試合は最後にまとめておきますので、興味のある方はご覧ください。

分析対象

　今回分析の対象としたのはホムラ&ヒカリ使いではしゅーとんさんとSparg0、フォックス使いではぱせりまんさんとLight、ロイ使いからはHIKARUさんとKolaを分析対象としています。また対戦相手も同じキャラを使用している試合を集計しています。

ホムラ&ヒカリ（しゅーとん・Sparg0）VS
ソニック・パルテナ・ディディーコング・ゼロスーツサムス・こどもリンク

フォックス（ぱせりまん・Light）VS
ホムラ&ヒカリ・ネス・ミェンミェン・ロイ・ジョーカー

ロイ（HIKARU・Kola）VS
ベレト・ルキナ・ネス・ジョーカー・スネーク

以上のようになっています。どれも合計で10試合以上は集計していますが、キャラごとの対戦数にばらつきがあることについてはご了承ください。（例えばしゅーとんさんはパルテナと2試合しかしていませんが、Sparg0はパルテナと6試合しています。）

試合時間

　こちらはそれぞれの選手の平均試合時間をグラフ化したものです。これを見ると、日本勢の試合時間が海外勢よりも長いということがわかります。ただ、ぱせりまんさんとLightの試合は30秒ほどの違いはありますが、しゅーとんさんとSparg0は19秒、HIKARUさんとKolaは10秒の違いしか見られないため、そこまで大きい差があるというわけではないのかもしれません。しかし、Sparg0の試合平均時間については気になる点があります。

Sparg0 試合時間

　こちらはSparg0の試合時間のヒストグラムです。こちらを見ると、右側の試合時間が5分以上となっている回数が4回見られますが、この4回はすべてSWTでのvs KENソニックの試合となっており、この試合はSparg0の試合の中でも例外的にかなり長期戦となっている試合であり、平均的な試合ではない可能性があります。自分は統計学に詳しくないので間違っているかもしれませんが、外れ値の可能性が高いのではないかと私は考えました。集計した試合が24戦だけで、母数として決して多くない数であるため、この外れ値の影響を受けているのではないかと考えました。

　そのため仮にこれらの試合が最頻値である、[02:53～03:24]の中間の03:06秒であった場合、先ほどのグラフが以下のように変化します。

試合時間(補正あり)

　これを見るとしゅーとんさんとぱせりまんさんは海外勢よりも約30秒試合時間が長くなっており、この2人については海外勢よりもじっくりとした試合を行っていると言えるのではないかと思われます。

回避

防御行動

　このグラフは回避の使用回数とジャスガの回数を示したものです。ガードについては使用回数が多く、ここにいれると他の項目がほとんど見えなくなるため、後ほど示します。これを見ると、因果律予測のあるヒカリを使用しているSparg0やしゅーとんさんは回避行動の回数が多くなっていますが、回避行動については、海外勢と日本勢でそこまで大きな差は見られません。ぱせりまんさんは回避行動が多いですが、日本勢というよりは個人的なものかと思われます。

　ただしゅーとんさん以外はその場回避やジャスガの使用回数が海外勢のほうが多く、ジャスガは倍以上、その場回避は1試合当たり1回海外勢のほうが多く使用していることがわかります。ジャスガについては当然技にもよりますが、ハイリスクハイリターンな行動で、海外勢の攻めっ気の高さを示しているのではないかと思われます。その場回避もガードに比べてリスクリターンどちらも高い行動のため、わずかな差ではありますが、これらも攻めの意識と言えるのかもしれません。

　ちなみにしゅーとんさんのジャスガの回数が多いというのは、ホムラ&ヒカリ以外のメインキャラであるピクミン&オリマーの弱点を補うために習得した技術がそのままホムラ&ヒカリにも受け継がれているため、唯一海外勢よりも高いジャスガの使用回数となっているのではないかと推測されます。

ガード

　こちらは1試合中にどれくらいガードを使用したのか、またガードでどれくらい攻撃をガードしたのかを示しています。これをみるとHIKARUさん以外の2人は海外勢よりもガードの使用回数が多くなっていることがわかります。ただし日本勢全員がガードする際に攻撃をガードしている割合はわずかな差ではありますが、海外勢よりも少なくなっています。

　このような違いに加えて、集計はできていませんが、ガードをするタイミングに日本勢と海外勢との間に違いが見られました。

ガードタイミング

　Sparg0、KolaとLightでもガードのタイミングに違いがあり、Sparg0やKolaは間合い管理としてのダッシュガード、Lightは崖狩りでのガードの利用が多くみられた印象がありました。

　もちろん日本勢も同様にダッシュガードや崖狩りでのガードは見られますが、日本勢のガードをするタイミングとして最も多くみられたのは技を振った後のガードでした。海外勢でももちろん技を振った後のガードもありますが、日本勢のほうがより多く使用していました。

　特に顕著に違いが現れているのが、ぱせりまんさんとLightの崖際での空後を振るシーンです。ぱせりまんさんは崖際で空後を打つ際、小ジャンプ空後→ガード、また小ジャンプ空後→ガードというようにガードを挟むことがありました。しかしLightの崖際での空後は小ジャンプ空後を連続で打っており、その後にガードを挟むというシーンはあまり見られませんでした。

　このように技を振った後のガードが日本勢は多いため、ガードの使用回数も多くなっており、また毎回相手がそのガードに対して技を降るわけでもないので、攻撃ガード率が低く、試合時間も長くなっているのだと予想されます。

　同様に日本勢は技を振った後にガードをするため相手との距離が近く、ガードを張り続けることが多くなっていることも日本勢の試合時間が長くなっている要因の一つかと思われます。

　逆にこのような技を振った後のガードというのが海外勢は比較的少なく、間合い管理のダッシュガード、崖狩りでのガードという、ガードを攻めの要素の一部として利用しているため海外勢は試合時間も短く、攻めっ気がある、ガン攻めと評されることが多いのではないでしょうか。

　間合い管理でのダッシュガードはステップで揺さぶっているときに使用することで、一気に慣性を消し、即座にガードを解いたり、ジャンプキャンセルで様子を見たりします。逆に普通にダッシュガードをせずにそのまま差し込む、ジャンプキャンセルで前慣性を付けて差し込むなど、ダッシュガードがあるだけで差し込みの択を増やすことができているのではないかと思われます。

　また間合い管理のダッシュガードが多いため、Sparg0やKolaはガードを張り続けている時間は基本的に短いことが多かったです。このことも試合時間が短いことに関係しているのかもしれません。

HIKARUさんの今までの防御行動の違いについて

iOS の画像

　そしてこのガードのタイミングが今までのHIKARUさんの防御行動が少なかったことと関係があるのではないかと推測されます。

　HIKARUさんもKolaほど間合い管理のダッシュガードを利用はしていませんでした。ただ日本勢に見られたような技を振った後のガードが他の二人よりも少なかったのはロイというキャラが相手にガードをさせても反撃をほとんどとられないような優秀な硬直差を持つ技ばかりであり、ガードをするよりも攻撃して相手に圧を与えていた方がいいと判断のもとガードなどを意識的に減らしているのではないでしょうか。

　そのため日本勢の中でも海外勢と同じくらいの防御行動の頻度となっており、試合時間も海外勢と同じような結果になっていたのだと思われます。

まとめ

　海外勢はその場回避やジャスガなどのガードをただ張るだけよりもハイリスクハイリターンの行動を日本勢よりも積極的に行っており、ガードの回数自体も海外勢のほうが少なかったです。この原因として、日本勢は技を振った後のガードが多く、海外勢は間合い管理のダッシュガードが多いというのが予想されました。

　海外勢は守りのためだけにガードを使っているわけではなく、攻めの要素の一部としてガードを利用しているため、試合時間が短く、攻めっ気があるというように評されるのだと思われます。

　以上のことから、日本勢はじっくりと戦い、海外勢は攻めっ気があるというのは的を得ているのではないかと思われます。しかし、日本勢にもキャラによってはかなり攻めっ気の強い選手がいたり、今回集計はしていませんが、高速ファイター以外を使用している海外の選手はじっくりと戦ったりする可能性もあります。

終わりに

　今回は今までとは違った比較の分析を行ってみました。今までよりも数値を見ただけでなく、自分の意見が含まれた考察となっているので、何か意見があればコメントお願いします。今までのような一人だけを見るより様々な分析ができると同時に、大変ではありましたが、初めて海外勢の試合をじっくり見て、日本勢との違いがあって面白くもありました。今後も海外勢の試合を分析などしてみようかと思います。次回の分析については未定です。
　
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　ここまで見てくださってありがとうございました。よければ今後も最上位勢の分析を行っていく予定なのでフォローをしてくださるとうれしいです。また、何か質問やリクエスト、さらなる分析・考察がありましたらコメントをくれるとありがたいです。