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【声が出ないテレオペ】病院で助けを求めたらラジオ体操を処方された女の5日目

私はテレフォンオペレーターをしている。1日8時間、ほぼ喋り続ける仕事だ。この文章を読み続けてくれている読者がいるなら、ぜひ思い出してほしい。私はマイコプラズマ肺炎にかかり、その後、長い間咳に苦しんでいた。普通ならば、そんな状態で仕事を休むのが当然だと思うかもしれない。しかし、現実はそう甘くない。咳をしながらでも、私は電話対応を続けていたのだ。

ありがたいことに、電話の機械にはミュート機能がある。この機能を駆使して、できる限り相手に気づかれないように咳をしていた。咳が出そうになったら素早くミュートボタンを押し、咳が終わったらすぐにボタンを解除して話を続ける。そんな具合に、何とか業務をこなしていた。今はかなり咳は治まっているけれど、治療の副作用がまだ残っている。

その副作用の一つが「声枯れ」だ。特に、吸入薬が原因で声がかすれてしまうことがある。毎日、声の調子は変わる。ある日は何事もなく声が出るのに、別の日には突然かすれて、思うように声が出なくなるのだ。今日は、その「声が出ない日」だった。

テレフォンオペレーターの仕事では、第一声で「お電話ありがとうございます」と明瞭に言うことが求められる。しかし、今日はそれがうまくできなかった。声がかすれて、途切れ途切れになってしまった。それでも、人間の耳というのは驚くもので、言葉が途切れても相手が自然に補完してくれることがある(単に気にされていないだけかもしれないが)。なんとか仕事は成立したが、それでも自分自身は納得がいかなかった。

私はもともと、自分の声に自信があった。素敵な笑声で、相手に寄り添いながら明瞭に返答するのが得意だった。電話口でのコミュニケーションは声がすべて。だからこそ、声が出ないことが私にとっては非常に大きなストレスだった。声が低く、掠れていて、聞き取りづらいに違いない。こんな声では、相手に安心感を与えるどころか、逆に不安を与えてしまうかもしれない。

仕事が終わる頃には、喉がさらに痛んでいた。早くもとの声に戻りたいという気持ちが強くなる。日によって調子が変わるというのは、気持ちの浮き沈みにも直結する。今日は声が出なくても、明日は少し良くなるかもしれない。そう思いながらも、早く安定してもとの声に戻ってほしいという願いは消えない。

今日も、なんとか仕事をこなした。これだけでも自分を褒めるべきかもしれないが、以前の自分を知っているだけに、どうしても今の状態に納得がいかない。それでも、日々の呼吸トレーニングや薬で少しずつ回復しているはずだ。時間がかかっても、焦らずに続けていくしかない。

声が出ない日もある。そんな日は、少し自分をいたわって休息を取るのも大事だろう。だけど、仕事をしながら元気になろうとするのは、やはり大変だ。今日もまた呼吸トレーニングをして、少しでも体調を整えようと思う。どんなに小さなことでも、続けることが大切だと信じている。

明日はもっと声が出るだろうか?それともまた、かすれた声と付き合うことになるのだろうか?


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