【デジLIGリーダーズ講座①】ブランディングとマーケティング
初めまして。Webデザイナー目指して勉強中のAoyamaです!
私は前職でのチラシ作りをきっかけにデザインに興味を持ち、Webデザインを勉強するために退職して「デジタルハリウッド STUDIO by LIG」に通いました。現在はアシスタントデザイナーを含む2つのアルバイトをしながら知人のサイトなどを作成しています。
先日「デジLIGリーダーズ講座」という、業界歴10年以上のトップクリエイターの方々によるデジLIG生限定の特別講座を受講させて頂きました!卒業生の私も受講できて本当に嬉しかったです、ありがとうございます。
第一回目の講師は、主にBtoCのデジタルマーケティング支援に特化した「株式会社nanocolor 」の代表取締役 川端 康介さん。「ブランディングとマーケティングの在り方」について教えて頂きました。
はじめに
川端さんははじめに「問題の本質を捉え、知識を知恵に変換し問題を解決する(スキル)」ために必要な3つの大切な考え方を教えて下さいました。
川端さんが大切にする3つの考え方:ゴール・知識・思考
ゴール:視座によって変わる、いかにゴールを高く設定できるかと、それを果たすための小さなゴールをいかにクリアしていくかが重要
知識:物事を比較したり構造を捉え、正しく理解するための力
思考:ゴールを達成するための知識をどう活用するかの知恵。今ある情報を様々な視点から見つめて規則性を見つけ、それが合っているかを検証する力(=PDCA)
ブランディングとマーケティングとは
突然ですが、皆さんはどんなデザイナーになりたいですか?
例えば川端さんはビジネスとクリエイティブに特化したデザイナー。全てを自分でできるようになるよりも、人ができない事ができるようになる事の方が重要と考えます。なぜなら世の中は正解があまりにも少ないから。正解があることは誰にでもできるのでは?ならビジネスの成功のためにどんなクリエイティブを作ればいいかを考えていくようになったそうです。
また、理想のデザイナー像ばかりを追い求めるのではなく、それが本当に社会から求められていて優位性があるのか、かつ自分に実現できるのかも同時に考える必要があります。
「デザイナーとしてありたい姿(ブランディング)」と「デザイナーとしてあるべき姿(マーケティング)」をマッチさせる事で、選ばれるデザイナーになれるのだとか。
私は今までありたい姿ばかり追い求めてどんなデザイナーが求められているかのマーケティングの視点が抜け落ちていました…!
ブランディングが失敗する5つの原因
ブランディングが失敗する原因は主に5つあるそうです。
概念や機能、表現の設計などのブランディングはするが、自社ブランドが選ばれるための仕組みづくりができていない
ターゲットの様々なニーズを把握しきれていない
ブランドのありたい姿だけを追求、あるべき姿を追求できてない
ブランドの一貫性に囚われすぎてやってはいけない事ばかり増える
商品やサービスの使用感(CONCEPT)が消費者の期待値(PERFORMANCE)を下回る
選ばれるブランドになるためには
では、ブランディングを成功させるにはどうすればいいのか。まず①誰に(WHO)何を(WHAT)伝えるか、②いつ(WHEN)どこで(CM / LP / ECサイト / SNSなど=WHERE)伝えるか、③どう伝えるか(コンセプトやデザインなど=HOW)を決める事で、ブランドのあるべき姿の中にありたい姿(なぜこのブランドか=WHY)を投影します。
そしてそれらをもとに、自社ブランドを買ってもらえるきっかけ(送料無料・ポイント2倍など)を作り(セールス)、競合と比較されても自社ブランドを選ばせる理由と仕組みを作り(マーケティング)、最終的には競合と比較せずに自社ブランドを満足して使い続けてもらう状況を作る事(ブランディング)で選ばれ続けるブランドになるそうです。
WHOとは
WHOとは、消費者が求める(見出す)価値の事です。自社ブランドのコストに対する便益が他社ブランドのそれを上回ると価値が生まれます。
WHATとは
WHATとは、売り手が提供する価値の事で、3つの種類があります。
機能:商品やサービスが持つ特徴や機能
効果:それを利用すると得られる効果の事実や根拠
便益:効果に対して売り手が提供できる価値
WHOはその人の価値観やその時の状況によって異なります。例えば、都内から地方への交通手段は新幹線や高速バス、車などになると思います。WHOが社会人なら速く行ける新幹線に魅力を感じますが、学生なら安く行ける高速バス、子連れの方であれば人目が気にならず、何かあったらすぐに降りれる車を選ぶかもしれません。このように消費者のニーズは多様化しているため、いかに消費者のニーズ(WHO)と自社が提供できる価値(WHAT)をマッチさせられるかがブランディング成功の鍵となるのです。
①誰に何を伝えるべきかの情報収集
ブランディングを成功させるためには、まず消費者が何を求めていて(WHO)、それを自社ブランドがどう満たせるか(WHAT)の客観的なデータを口コミやアンケート、インタビューなどで集める必要があります。それぞれの具体的な方法を以下にまとめました。
口コミ
口コミは商品やサービスが選ばれるために最低限必要な条件(Point of Parity)を見つけたり、競合との差別化ポイント(Point of Difference)を見つけるのに役立ちます。
自社・他社ブランドの口コミサイトをチェック
口コミを7つ(広告 / 売り場 / 価格 / プロダクト / 手順 / 接客 / 装飾)に分類
各カテゴリー内で共通して書かれている項目(POP)を見つける
他社ブランドへの不満(選ばれない理由=Point of Failure)をチェック
他社ブランドで満たせず自社ブランドで満たせる項目(POD)を見つける
アンケート
アンケートでは無数の消費者群(マーケット)を年齢や性別、居住地などで分類(セグメント)し、ターゲットとその割合、彼らのニーズを具体化できます。ちなみに質問内容は「シワに悩んでいますか?」のような抽象的なものではなく「頬のシミ / 顔全体のシミ / ソバカス… / 悩みなし」のような具体的な項目を設定する事で、より正確な回答が得られます。
インタビュー
ターゲットの現状や価値観・将来像などを聞き出し、共通するニーズを持つ人(〜したい人:Strategic Target)と、その中でも最も自社ブランドに価値を感じてくれる人(Prime Prospect)を抽出。
ターゲットを実在する1人の生活者(N1)まで落とし込めます。
ちなみに生活者のニーズは一人ひとり異なるため、1人だけの意見を鵜呑みにするのではなく、どんなニーズを持つ人がどの程度いるかまで調べる必要があります。
②ニーズが発生する状況を特定
次に、①で得た情報を「時期」や「特性」「属性」などに分類し、ターゲットのニーズがどんな状況で発生するかと、それを満たせる自ブランドの便益が何かを整理します。なぜなら、ターゲットのニーズは常にある訳ではなく、特定の状況下で段階的に発生するからです。
例えば川端さんはラーメンが好きで、よく会社近くのラーメン店に行かれますが、「ラーメン好き=そのお店の味が好き」ではありません。
実際に川端さんのニーズがどんな状況で発生し、なぜ最終的にそのお店を選ぶかを下に書いてみました。
<ラーメン好きの川端さんの例>
状況:昼過ぎにミーティングが入った
<ニーズ(根幹的な欲求)>
イミへの欲求:万全な状態で次のミーティングに臨みたい
(=自分の理想に対する欲求)
コトへの欲求:そのために時間をかけずにお昼を食べたい
(=理想を叶えるための欲求)
モノへの欲求:であれば会社近くのラーメン屋でお昼を済ませたい
(=具体的手段に対する欲求)
この例から、ラーメン店が川端さんに提供している価値は味ではなくアクセスの良さだと分かります。このように、ターゲットの状況や悩みを知る事で、彼らに何を伝えるべきか(WHAT)が見えてきます。
③いつどこで伝えるか決める
誰に何を伝えるべきかが定まったら、次はいつ(WHEN)どこで(WHERE)伝えるかを決めます。そのために、各ターゲットとCV(購入・申込ボタンなどのサイトの最終成果)までの距離を下の5パターンに分類。ターゲットとCVまでの距離に応じて施作を考えます。
事前に商品・サービスの購入を決めていた人
商品・サービスを検討して購入した人
検討したが購入できなかった人(CVボタンがどこか分からなかったetc.)
検討したが購入しなかった人(値段が高いのであえて買わなかったetc.)
検討すらしなかった人
1と2はターゲットの母数を増やすための施作、3と4は選ばれない理由を排除する施作、5は競合からターゲットを奪うための施作を考え、それぞれのターゲットの割合によって施作の優先度を決めていきます。例えば、1と2の割合が多ければ購入後にDMやLINE、メールを送り、購入後の満足度を高めてリピーターを増やす、などです。このようにしていつどこで伝えるかを決めていきます。
④クリエイティブの方向性を決める
いつどこで何をターゲットに伝えるかが決まったら、最後にクリエイティブの方向性(どう伝えるか=HOW)を決めていきます。その際に有効な方法の一つがキーワード調査です。
キーワード調査
キーワード毎の検索ボリューム、サジェスト候補、SNSでのハッシュタグ数、ハッシュタグをつけた投稿内容などを調査。キーワード別にターゲットを分類します。そして、ターゲットの行動や問題を反転させ、ターゲットに刺さる文脈や表現を導き出します。
例:ダイエット
検索キーワード:痩せる〇〇(体の部位、期間、重量、方法など)
→WHO:痩せたい人
→刺さる表現:我慢しなくても痩せられる
(問題を反転=〇〇しなくても〇〇できる)
検索キーワード:太らない〇〇(食品名)
→WHO:体型をキープしたい人
→刺さる表現:食べても太らない
(行動を反転=〇〇しても〇〇できる)
まとめ
私はずっと、クライアントのブランドへの想いを伝える事がブランディングだと思っていました。しかし、本当のブランディングとはお客様を深く理解した上で、他社では満たせないニーズを満たし、期待を超える価値を提供し続ける事でお客様との信頼関係を構築する事だと感じました!
自分なりの解釈が入っており、内容に誤りがあったり分かりづらかったりしたら申し訳ございません。最後まで読んで下さりありがとうございました。
そして、貴重な講義を受講させて下さり本当にありがとうございました!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?