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-キッズ リターン-


ケンジ 「やっぱりおれたちは、
    他の人達よりも幼いのかな」

アキラ 「いや違うっしょ。
    一足先を行っているだけだよ」


大学4年の秋、
他の学生が就職活動を無事に終えている中、
2人は東京のビル群に囲まれた
小さな公園でくすぶっていた。

アキラは音楽や動画に興味があった。
機械を使って
ちょっとした作成も行っていたが、
あくまで趣味の域を出ないと感じてはいた。

ケンジは企業の仕事に関心が湧かず、
「こういう詩を書きたい」などと言って
現実を見ることから逃げていた。


とは言うものの、
大学卒業後
少ししてから
生活資金が苦しくなり、
アキラはとある商社に就職し、
ケンジは小さな料亭に
身を寄せることになった。

アキラは視野が海外へ向いており、
東アジア数ヶ国での駐在を経て
経済を把握していたこともあって、
ケンジは
そんなアキラの行動力に一目置いていた。

またアキラは流行、時勢に敏感であったが、
色々と攻めすぎるきらいもあったので、
ケンジの意見に耳を傾けることもしていた。


ある時、
石油需要が減少し
経済的危機を迎えることがあった。

ケンジ
「新しいエネルギー源はどうするよ」

アキラ
「うーん、、ちょっと知り合いにも聞いてみるわ」


ポジション、立ち位置は違えど、
2人の目指すところはそこまで変わらない。
ヒト、モノ、カネの流れだ。


現状に平伏したくはない。


学生の頃の目標も、
まだまだ
捨ててはいないのだ。





以上

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