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-初春-


小学校に入学してから
2年目の冬を迎えようとしていた。

同級生は平気で
半ズボンを履いていたが、
マモルは寒がりで
とても着る気には
なれなかった。

ちょうどクラスの
席替えがあって、
マモルの席は後方から2列目になった。

後ろの席はあまり
気が乗らなかったが、
自分のすぐ後ろには
ミキがいたので、
退屈はしないかな
と内心では思っていた。

ミキは綺麗で
気が強い女の子だった。
多少わがままなところが
あるようにも感じられた。

そんなミキから
とある日、
交換日記をしないかと
もちかけられた。

「交換日記ってなんだろう」

マモルはそう思ったが、
初日はミキが
ノートに書いて渡してくれたので、
見よう見まねで
お返しの内容を書いてみた。

日記と言っても、
二人は幼かったので
絵やなぞかけが中心になっていた。

マモルは、
なんでこんなことを
しているのかが
よくわからなかったが、
ミキとの日記はたのしかったので、
結局3月までやりとりは
続いたのである。

その日記ノートは、
最終的に
ミキに保管されてしまった。


4月、3年生になり
2人のクラスは別々になった。

掃除の時間に
洗い場でちょっと話す程度の
関係になった。

マモルは
少し残念に思った。


クラス対抗のバスケット大会では
いつもより張り切って
点を取りにいった。

「ずいぶん活躍していたじゃん。
どうしたの?」
久しぶりにミキに
声をかけられた。

マモルは
気恥ずかしそうに
少し笑った。






以上

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