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-かめとうさぎ-


うさぎは
自分の足がはやいことを
かめに自慢してきました。

かめは悔しくて
「そこまで言うなら
駆け競べをしようじゃないか」
とうさぎに勝負を挑みました。

2匹は丘の頂上まで
競走することになりました。

うさぎは足がはやく、
あっと言う間に
かめの姿が見えなくなってしまいました。

うさぎは
「ちょっと先を行きすぎたかな。
かめが来るまで待とう」
と思い、
その場で昼寝をし始めました。

かめは
ゆっくりですが、
丘の上を目指して進んでいきました。

途中、
うさぎの姿が見えましたが、
かめは自分のことで精一杯で、
そのままそばを通り過ぎました。

丘の上のゴールが見えてきました。

ちょうどその時、
うさぎは目を覚まし
かめがゴールの近くまで進んでいることに
気が付きました。

うさぎは
急ぎに急いで、
頂上手前でかめをかわし
先にゴールにたどり着きました。

かめは
「あ、、」
と小さな声をもらしましたが、
尽力むなしく負けてしまいました。


ところがその晩、
うさぎは競走で
足の筋を痛めたことに気が付き、
家で横になっていました。

そこに、
知らせを聞いたかめは
お見舞いにやってきました。

うさぎ
「わざわざ来なくてもいいのに」

かめ
「いや僕が途中で君のことを起こしていたら、
君は無理することもなく
足も痛めなかったはずだ。
お大事にしてね」

そう言うと、
かめはゆっくりと
扉を閉めて
帰っていきました。


うさぎの頬には
自然と涙がこぼれてきました。

「もう自慢するのはやめにしよう」

そう思って
電気を消し、
はやめに眠りにつきました。





以上

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