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オワリとハジマリ

Pedal を思いっきり踏んづけて、銀の車輪を廻す。
White board は落書きだらけ、散文詩が浮かんでは消え、浮かんでは消えてゆく。

ブォーン、ブォーン。
そぞろ歩く Engine の立てる音波が、耳小骨を伝って脳内に蓄積される。

もう頭はぐちゃぐちゃ。僕は風景を眺める。

金風が街路樹に錦を着せる。それに負けじと遠くの山々も唐綾縅に身を包む。青天高し。

見惚れつつも、車輪を動かす足は non-stop 。
Pedal がひどく軽い。

ヒラリ、一枚の葉が地上に舞い降りた。
その時、僕の中で何かが「終わり」を告げた。
White board の落書きは消えた。
Mind map が記された。

「終わりってなんだろう」

世界の終わり。宇宙の終わり。地球の終わり。日本の終わり。人生の終わり。後には何も残らないのだろうか。

もう戻れないよ、昔のようには。
Band Man が耳元で囁く。

終わらせないために終わらせるよ、ああ、寂しくて良かった。
また違う BAND MAN が声高らかに唄う。

僕は彼らの唄声を聞き思う。時に何かを終わらせないといけない。終わりは悪いことじゃない。

We are all playing our own musical instruments.
そしてその演奏を、僕らが生きた証を「無」という record に刻み込む。
丁寧に収録しないと noise が生まれ、 record の質を落とす。
Noise の多い曲を聴きたいか?
その noise を掻き消すため、僕らは悪しき習慣を、悪しき関係を終わらせる。
Last the lust.

今、この瞬間にも何かが終わった。
どこかの家の蝋燭の炎がひとつ消えた。
どこかの星が supernova を起こして吹き飛んだ。

終わりは新たな始まり。

きっと何も残らないわけじゃない。
もう消えたその炎も、birthday cake の一部として、どこかの子供に忘れがたい喜びを与えた。
Supernova を起こした星も、 nebula となって新たな星へと産まれ変わる。

歴史は繰り返される。The goal is the start.
あの落ち葉も元は瑞々しい若葉だった。そしてまた、春には若葉が生えて、秋には葉が落ちる。その繰り返し。世界は round-round 。ぐるり回る。

枯れかけた Yggdrasill が種を落とす。そこに新たな宇宙が産まれ、新たな世界が産まれる。

こうしている間にも、Arianrhod は銀の車輪を廻し続ける。
その車輪は今も「終わりのない終わり」へと、ゆっくり進んでいくのである。

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