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迷える羊とこんにちは

2020年8月5日。終業式のあと、僕は自転車のペダルを踏みしめた。
行先はCDショップ。重いリュックを背負っているのに馬鹿みたいに身体が軽かった。

本当は前日の4日に買いに行くつもりだった。しかし、残念なことに財布とスマホを自宅に忘れてきてしまった。何も買えなかった。「学校の次いで」で出かけられるのは明日しかない。その悔しさを晴らしたい。そう思った。

10時40分、CDショップに到着。いきなりお目当てのCDのポスターが見えた。胸が躍る思いだった。だが、店は開いていなかった。傍にあった看板によると11時から開店らしい。

仕方がないので併設されている本屋に寄る。本屋は10時から開いていたらしく、そのまま入ることができた。とりあえず本でも見ながら11時まで待とう。

まず目に入ったのが赤本。僕は受験生なので入試対策を本格的にしなくちゃいけない。立命館大学の赤本を手に取る。そして漫画コーナーや小説などを見ながら本屋の中をブラブラ。

気が付いたら、本が4冊も手の中にあった。前述の立命館の赤本のほかに、英語の原語辞典が2冊。さらに漫画「宇宙兄弟」を「教典」とした、自分の長所を理解し、実践するための本。全部買ったら7,500円以上はした。予定外の出費。痛い痛い。

そして本屋のドラえもんのおしゃべり時計が11時を知らせた。本当は2体のドラえもんが動くのだが、本屋のヤツはそれが壊れているらしく動かない。それでいて「僕ダンス上手いでしょ」なんて言ってくるから笑えたね。心の中で「踊れてないって」とドラえもんにツッコミを入れながら、僕はCDショップへと足を進めた。

やはりお目当てのCDはすぐに見つかった。米津玄師さんの5thアルバムの「STRAY SHEEP」と、Official髭男dismの3rd EPである「HELLO EP」の2枚だ。どちらも前日の8月5日に発売された。一度でいいから発売日にCDを買ってみたいと思っていた。しかもどちらも国民的アーティスト。昨日財布を忘れていなかったら…と思って少し後悔した。でも買えるならいいや。

2枚のCDを手に取って、レジに持っていく。こっちでも大金を注ぎ込んむことになった。なぜなら「STRAY SHEEP」の方は7,000円以上もする限定盤「画集盤」を購入したからだ。米津さんは絵も上手い。だから一度彼の絵をじっくりと見てみたかったんだ。お金の関係で「HELLO EP」の方は通常版にした。

2枚とも、先着特典のクリアファイルを付けて販売していた。どちらのファイルもアーティストのセンスが光っていた。

家に帰り、早速CDをパソコンに取り込む。そして取り込んだ音源をスマホとウォークマンにも入れ、ウォークマンとBOSEのスピーカーに繋げて聴く。

聴いた感想、STRAY SHEEPは予定外のアルバムになったのかなと感じた。予定外というのは、米津さんが元々つくろうとしていたアルバムとは異なったものになったという意味だ。インタビューによれば、米津さんは2020年のコロナ騒ぎの中で自分の内面と向き合っていたらしい。アルバムタイトルの由来となった「迷える羊」や「カナリヤ」という曲からは特にそれを強く感じた。米津さんが元々想定していたのはもう少し明るい雰囲気のアルバムだったのかなとも感じた。

一方、HELLO EP は「自分のリミッターを外す」ことが大きなテーマになっているように思える。
メインの3曲である「HELLO」、「パラボラ」、「Laughter」には人生において新しい一歩を踏み出すを肯定する歌詞が並ぶ。コロナ禍の今こそ、自分を見つめ直し、自分の限界を突破し、未来に向かって飛び出すべきなのかもしれない。

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自分を見つめることの大切さを身に染みて感じる今日この頃。自分が必ず成功するためのひみつ道具なんてのは無い。自分が色んなことを体験するしかない。
正直に言ってしまうと、自分と向き合うことは痛いことだ。とにかく痛い。でも楽しみばかりでも生きていられない。辛い経験はスパイスだ。かけがえのない「今」を踊れ、楓雅。
このCDたちは勉強するときのBGM用として使わせてもらいます。
米津さん、藤原聡さん、ありがとうございます。

2020.8.8

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