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【拙訳】マナベース構築にまつわるエトセトラ by Seth Manfield(TCGPlayer Infinite)

 今年1回目の「拙訳」シリーズ、今回はTCGPlayer InfiniteよりSeth Manfieldの記事をお届けします。(こういう記事は大抵Frank Karstenの専売特許みたいなイメージがありますが、セスマンも言語化できるほどには意識が高いようです)。

 Frank Karstenの記事よりも直観的で分かりやすく書かれているので、デッキ調整の際はぜひ参考にしてみてください。原文は下記です。

※参考リンク:下記は、以前翻訳したFrank Karstenのマナベース論です。少し昔の記事ですので、その点はご容赦ください。

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Tips and Tricks for Building a Manabase
Seth Manfield

1/7/2021·10 min read

■はじめに

 多くのプレイヤーは、特にコピーデッキを使う際、呪文やサイドボードにばかり目を向けがちで、マナベースを軽視している印象があります。マナベースについては、そもそも気にされないことが多いのです。
 しかし、マナはスペルを唱える手段であり、もしデッキの土地が微調整されていなければ、そのデッキは最適でなく、いつか不遇な目に遭う運命にあるのです。

 本稿では、デッキの構築や調整が好きな方向けに、マナベースを整えるコツをいくつか紹介していきましょう。


■デッキのフォーマットを理解しよう

 特定のフォーマットにおいて、他のフォーマットよりも幅広い選択肢を取ることができます。「選択できる土地が増えるとマナベースの構築が難しくなる」と思われがちですが、そうではありません。たとえば、レガシーやヴィンテージといったデュアルランドが使える環境は、色を足すことが容易になります。基本的にはラヴニカの「ショックランド」のように、2色のマナを生成する他の土地と比べ、強力な選択肢を得ているのです。

 翻ってスタンダードでは、基本でない土地の選択肢はそこまで多くありません。この事実は、多色デッキを組むのも、色をタッチするのも容易ではない、ということを意味します。
 モダンのようにフェッチランドがある環境では、3色デッキが機能するマナベースを構築するのは簡単です。一方、スタンダードにも3色デッキはあるものの、デッキは軽快には動かず、タップ状態で戦場に出る土地を多くプレイする必要があります。

 スタンダードにおいては、スペックが十分でないと分かっていても、2色のマナを生み出すのであればその土地をプレイせざるを得ません。私が2020シーズンのグランドファイナルでTOP8になった際に使ったデッキをご覧ください。


STANDARD Dimir Rogues (Lurrus)
5th-8th at 2020 Season Grand Finals - 10-09-2020
By Seth Manfield
 
Main Deck · 60 cards
 
creature | 12 cards
4《盗賊ギルドの処罰者/Thieves' Guild Enforcer》
4《空飛ぶ思考盗み/Soaring Thought-Thief》
4《ヴァントレスのガーゴイル/Vantress Gargoyle》
 
sorcery | 4 cards
2《血の長の渇き/Bloodchief's Thirst》
2《アガディームの覚醒/Agadeem's Awakening》
 
instant | 23 cards
1《塵へのしがみつき/Cling to Dust》
4《大慌ての棚卸し/Frantic Inventory》
4《無情な行動/Heartless Act》
4《湖での水難/Drown in the Loch》
2《高尚な否定/Lofty Denial》
2《神秘の論争/Mystical Dispute》
2《シルンディの幻視/Silundi Vision》
4《物語への没入/Into the Story》
 
land | 21 cards
4《清水の小道/Clearwater Pathway》
4《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》
4《ゼイゴスのトライオーム/Zagoth Triome》
2《ロークスワイン城/Castle Locthwain》
4《島/Island》
3《沼/Swamp》
 
sideboard · 15 cards
1《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》
1《スカイクレイブの影/Skyclave Shade》
1《血の長の渇き/Bloodchief's Thirst》
1《塵へのしがみつき/Cling to Dust》
2《否認/Negate》
3《苦悶の悔恨/Agonizing Remorse》
1《取り除き/Eliminate》
1《神秘の論争/Mystical Dispute》
4《凪魔道士の威圧/Lullmage's Domination》


 ローグデッキの変遷は目まぐるしいですが、ここではマナベースに着目しましょう。青黒2色を供給する土地の選択肢は多くありません。《寓話の小道》の有効性も分かってはいますが、ゲーム序盤に黒と青のダブルシンボルを要求されるこのデッキでは、2色地形が多く必要ですので、選択肢はほとんどありません。

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 《欺瞞の神殿》と《清水の小道》はいずれも弱点が気になります。前者のタップインは言わずもがな、後者は早期プレイで間違った面をプレイした際に問題が発生することがあります。

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 最良の選択肢は《ゼイゴスのトライオーム》でしょう。2色デッキで3色土地を使うのは意外かもしれませんが、ゲームの後半で有効牌に変換できつつ、デッキカラーに合った2色を供給してくれます。

 ことディミーアローグにおいては、それに加えて何よりも、土地タイプに沼を含むことも重要です。

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 《ロークスワイン城》は信じられないほど強力な土地ですが、アンタップインさせるためには下準備をしておく必要があります。

 《ロークスワイン城》のような土地枠のユーティリティをプレイするかどうかは一考の余地があります。キーポイントとなるターンでこの土地をタップインせざるを得なかった経験があるなら、何も考えずにこのデッキからカットすることを検討するでしょう。しかし、多くのカードを引く体験をしたことがあれば、ユーティリティ土地のポテンシャルに気付いているはずです。この問題は、非常にデリケートなバランスの上に成り立っているのです。

■デッキに土地が何枚必要かを決めよう

 私は他のプレイヤーより少ない土地でプレイすることで知られていますが(※)、呪文がとても重要なので、そのリスクを積極的に取りたいと思っています。このゲームは「マジック(呪文)」と呼ばれているわけですし、デッキに1枚スペルが多くなるだけで大きな違いが生まれるのです。

(※訳者注:Seth Manfieldが土地を少なく調整することは下記コラム等でも語られています。下記にシグマさんの日本語訳もあるのでお好きな方でご確認ください)

 通念的に、60枚のデッキには24枚の土地、というのが定説です。とはいえ、過去に成功したデッキは20枚から30枚まで幅があり、中には20枚未満、というデッキもあります。24枚から足し引きをするかどうか、決定する際に考慮すべきことは次の通りです。

・マナカーブ

 カードが軽ければ軽い程、必要な土地の枚数は少なくなります。軽量カードが多く含まれるデッキは、ほとんどの場合、アグロデッキあるいは高速コンボであり、ゲームが長引いても余分なマナの使い道はほぼありません。

MODERN Burn
5th-8th at MTGO Modern Challenge - 01-03-2021
By Lord_Beerus
 
Main Deck · 60 cards
 
creature | 12 cards
4《ゴブリンの先達/Goblin Guide》
4《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
4《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》
 
sorcery | 12 cards
4《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
4《裂け目の稲妻/Rift Bolt》
4《批判家刺殺/Skewer the Critics》
 
instant | 16 cards
4《稲妻/Lightning Bolt》
2《頭蓋割り/Skullcrack》
4《焼尽の猛火/Searing Blaze》
4《ボロスの魔除け/Boros Charm》
2《稲妻のらせん/Lightning Helix》
 
land | 20 cards
4《感動的な眺望所/Inspiring Vantage》
2《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
4《灼陽大峡谷/Sunbaked Canyon》
1《焦熱島嶼域/Fiery Islet》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
2《乾燥台地/Arid Mesa》
3《山/Mountain》
 
sideboard · 15 cards
2《コーの火歩き/Kor Firewalker》
1《炎の斬りつけ/Flame Slash》
3《流刑への道/Path to Exile》
2《安らかなる眠り/Rest in Peace》
3《乱動する渦/Roiling Vortex》
2《頭蓋割り/Skullcrack》
2《粉々/Smash to Smithereens》

・キャントリップ

 「カードを引く」とテキストに書かれたカードをたくさんプレイするなら、土地を少なくできる別の理由に成り得ます。別のカードを引き込むためのカードはすべて、デッキを「薄く」します(=土地枚数を減らすことができます)。
 極端な例ですが、60枚デッキの中に《通りの悪霊》が20枚入っていたとすれば、40枚デッキをプレイするのとなんら変わりません。よって、その60枚デッキを17枚の土地でプレイするのはかなり合理的と言えるでしょう。

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 多種多様なカードがキャントリップとして機能します。《思案》は典型的な例ですが、サイクリングも同様です。また《舞台照らし》のようにデッキを掘り下げる効果を持つものもキャントリップ扱いでいいでしょう。

 とはいえ、キャントリップのように見えるすべてが、土地の枚数を減らすのに役立つわけではありません。
 例を挙げれば、《サメ台風》は明らかに《通りの悪霊》あるいは《ミシュラのガラクタ》のようには使わないでしょう。後者のように、(基本的に)引き込んだ際に積極的かつ即座に使用して、1ターン目からデッキを循環させる役割を担っているものと違い、《サメ台風》はよほどのことがない限り、ゲーム後半までサイクリングすることはありません。ゲームの早い段階で土地を見つけに行くことはそこまで簡単ではないので、《サメ台風》を入れたからといって土地の数を減らすことはできません。

 ゲーム早期に確実にキャントリップを唱えられるという前提に立てば、3~4枚につき1枚の土地をデッキから減らすことができます。一方、ゲーム後半でのキャントリップ効果に期待するカードということであれば、正しい土地枚数を選んでいるという前提で、デッキ構築プロセスの最終局面で、最後の土地1枚をカットする理由として採用することはあり得ます。

・「カードを引く」効果

 そこまでの圧縮にはつながらないものの、カードを引く効果はすべて、ゲーム後半のマナフラッドを緩和する観点で、土地を少なく構築することを容認します。もっとも古典的な例は《予言》――《予言》入りのデッキはたくさん使ってきました――ですが、こうした効果を大量に使用できるなら、ほとんどの場合において、土地を適正枚数から-1することができると思います。

MODERN Dimir Mill
5th-8th at MTGO Modern Challenge - 12-06-2020
By blitzlion27
 
Main Deck · 60 cards
 
creature | 8 cards
4《面晶体のカニ/Hedron Crab》
4《遺跡ガニ/Ruin Crab》
 
sorcery | 8 cards
4《血の長の渇き/Bloodchief's Thirst》
4《荒れ狂う騒音/Maddening Cacophony》
 
instant | 17 cards
4《彼方の映像/Visions of Beyond》
1《塵へのしがみつき/Cling to Dust》
4《致命的な一押し/Fatal Push》
4《外科的摘出/Surgical Extraction》
4《書庫の罠/Archive Trap》
 
artifact | 7 cards
3《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
4《催眠の宝珠/Mesmeric Orb》
 
land | 20 cards
2《闇滑りの岸/Darkslick Shores》
1《湿った墓/Watery Grave》
1《雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Clouds》
4《廃墟の地/Field of Ruin》
4《汚染された三角州/Polluted Delta》
2《虹色の眺望/Prismatic Vista》
4《島/Island》
2《沼/Swamp》
 
sideboard · 15 cards
1《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》
1《根絶/Extirpate》
3《不敬な遺品/Profane Memento》
3《霊気の疾風/Aether Gust》
2《ドラゴンの爪/Dragon's Claw》
2《墓所への乱入/Crypt Incursion》
1《バントゥ最後の算段/Bontu's Last Reckoning》
2《漂流/Set Adrift》

・マナフラッド受け

 ゲーム後半でマナを伸ばすことに恩恵があるデッキは、多くの場合、デッキにもう少し土地を加えても問題ありません。

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 サイクリングランドは、土地をこれ以上必要としない際に手札の土地を「現金化」できる好例です。他に手札を捨てることをコストに何かを行うカードも有用で、余剰の土地を有効活用することができれば、デッキの土地を増やすことが許容されます。それ以外にも多くの方法があります。

 モダンの4色コントロールは、余剰の土地が《オムナス》の上陸を誘発させ、《死者の原野》でゾンビを生み出し、《レンと六番》の奥義で呪文を再度唱えるために使用できます。こうした理由のため(これだけではありませんが)、4色コントロールが29枚の土地で構成されていることは理にかなっているのです。

MODERN Four-Color Control
5th-8th at MTGO Modern Challenge - 12-27-2020
By katoriarch123
 
Main Deck · 60 cards
 
creature | 6 cards
4《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》
2《創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation》
 
planeswalker | 8 cards
3《レンと六番/Wrenn and Six》
2《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
1《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
2《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》
 
sorcery | 1 card
1《約束の刻/Hour of Promise》
 
instant | 16 cards
4《流刑への道/Path to Exile》
1《稲妻/Lightning Bolt》
3《マナ漏出/Mana Leak》
1《霊気の疾風/Aether Gust》
2《成長のらせん/Growth Spiral》
3《謎めいた命令/Cryptic Command》
2《否定の力/Force of Negation》
 
land | 29 cards
1《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
1《繁殖池/Breeding Pool》
1《蒸気孔/Steam Vents》
1《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
1《寺院の庭/Temple Garden》
1《ケトリアのトライオーム/Ketria Triome》
1《ラウグリンのトライオーム/Raugrin Triome》
2《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》
2《廃墟の地/Field of Ruin》
4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4《霧深い雨林/Misty Rainforest》
3《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
2《死者の原野/Field of the Dead》
1《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》
1《冠雪の島/Snow-Covered Island》
1《冠雪の森/Snow-Covered Forest》
1《島/Island》
1《森/Forest》
 
sideboard · 15 cards
1《糾弾/Condemn》
2《夏の帳/Veil of Summer》
2《天界の粛清/Celestial Purge》
2《霊気の疾風/Aether Gust》
2《浄化の野火/Cleansing Wildfire》
1《ドビンの拒否権/Dovin's Veto》
1《炎渦竜巻/Firespout》
1《機を見た援軍/Timely Reinforcements》
2《夢を引き裂く者、アショク/Ashiok, Dream Render》
1《至高の評決/Supreme Verdict》

・MDFC(呪文//土地の両面カード)

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 MDFCを厳密に土地としてカウントするなら、デッキの土地枚数をもっと増やすことができます。ドローの状況に応じて、土地としても、あるいは呪文としてもカウントできるため、マナスクリューに陥る可能性が低くできます。デッキに入れる土地の枚数を決めるときには、自分の場合、MDFCは「純粋な土地」の3/4枚分としてカウントしています。

・土地を探す能力を持つカード

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 こうした土地を探すカードは、実際にデッキに入れる土地を少なくしたいと思わせてくれます。土地を探すスペル自体を唱えるために、2~3枚の土地を自分で引き込む必要はありますが、このスペルで土地を見つけて、ゲーム後半の展開へ橋渡しを行おう、と狙うことができるのです。

 自分の場合、《メレティス誕生》や《耕作》をデッキに入れた場合、2枚につきデッキの土地を1枚カットする、という方針を好んでいます。しかし、上記のカードを唱えられなくては本末転倒です。ランプ系デッキでも22枚を下回ることはありませんし、通常の60枚デッキの場合は概ね23~25枚の範囲に収めています。

・フェッチランド

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 個人的にはあまり重視していないのですが、フェッチランドを増やせば増やすほど、デッキ圧縮効果が高まります。ゲーム後半で土地を引くのを防ぐための一つの優れた方法と言えるでしょう。

■色ごとのバランスを整えよう

 「あぁ、全部の色が同じコストと割合で入っているから、土地も均等に入れればいい、なんてことがあればなぁ」なんていつも思います(笑)。残念ながら、そんなことはめったにありません。多くの場合で、特定色のマナを多く使うことになり、別の色は少なくする、という調整が必要になります。

 これには2つの重要な要素が関係してきます。

・各色が必要となるターン

 パイオニアでは、1ターン目に《エルフの神秘家》か《ラノワールのエルフ》を唱えたい、というデッキがよくあります。即ち、1ターン目にアンタップ状態でプレイできる土地が重要なのです。

PIONEER Mono-Green Devotion
3rd-4th at MTGO Pioneer Challenge - 12-12-2020
By eltranco
 
Main Deck · 60 cards
 
creature | 20 cards
4《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》

4《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
2《ラノワールの幻想家/Llanowar Visionary》
2《長老ガーガロス/Elder Gargaroth》
4《大食のハイドラ/Voracious Hydra》
 
planeswalker | 11 cards
4《アーク弓のレインジャー、ビビアン/Vivien, Arkbow Ranger》
4《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》
3《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》
 
enchantment | 8 cards
4《ニッサの誓い/Oath of Nissa》
4《狼柳の安息所/Wolfwillow Haven》
 
land | 21 cards
15《森/Forest》
2《ハシェプのオアシス/Hashep Oasis》

4《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》
 
sideboard · 15 cards
1《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent》
1《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk》
1《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》
2《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
1《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》
1《真髄の針/Pithing Needle》
1《キランの真意号/Heart of Kiran》
1《減衰球/Damping Sphere》
1《護法の宝珠/Orbs of Warding》
1《連結面晶体構造/Aligned Hedron Network》
1《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship》
1《王神の立像/God-Pharaoh's Statue》
1《グレートヘンジ/The Great Henge》
1《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》

 この目的達成のため、その土地が生成し得るマナというだけでなく、もっと選択肢を狭めて考えなければなりません。マナクリーチャーを1ターン目に出すためには、最低15枚のアンタップイン土地が必要ですが、可能なら18枚の緑マナを用意すべきなのです。

 最後のターン付近までその色が必要でなければ、それほど多くの生成源は必要ありません。加えて、デッキに選別効果のあるカードが入っていれば、さらに少なくて大丈夫です。よい例として、青系コントロールに《血染めの月》をタッチする場合の《選択》は良い働きをします。

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 《選択》はデッキを深く掘り下げることができます。《選択》を唱えられるように青に比重を置いたデッキを組む、というのは当然の前提ですが、青マナ発生源のほうが赤マナ発生源より相当多い場合でも、《血染めの月》の設置が間に合うように赤マナを生み出せる土地を1枚探しだすことができるでしょう。

・マナ・コストの色マナ要求度合い

 単色ダブルシンボルのスペルは、その該当する色の土地を非常に多くプレイする必要があります。早期にプレイすべきカードがダブルシンボルの場合は、特に気を配るべきでしょう。

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 例えば《神々の憤怒》をスイーパーとして使用する場合には、できるだけ早くキャストする必要があります。通常は3ターン目に打てるべきでしょう。つまり、最初の3ターンで置く土地のうち2枚は赤マナが出なければなりません。ダブルシンボルをゲーム序盤に必要とする場合、自分の場合、18枚以上の色マナ発生源を確保するようにしています。


PIONEER Temur Reclamation
5th-8th at MTGO Pioneer Challenge - 01-02-2021
By Nammersquats
 
Main Deck · 60 cards
 
creature | 3 cards
3《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》
 
sorcery | 3 cards
3《神々の憤怒/Anger of the Gods》
 
instant | 18 cards
4《検閲/Censor》
1《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
1《否認/Negate》
4《発展/Expansion》 // 《発破/Explosion》
4《成長のらせん/Growth Spiral》
4《神秘の論争/Mystical Dispute》
 
enchantment | 8 cards
4《荒野の再生/Wilderness Reclamation》
4《サメ台風/Shark Typhoon》
 
land | 28 cards
4《繁殖池/Breeding Pool》
4《蒸気孔/Steam Vents》
1《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
1《内陸の湾港/Hinterland Harbor》
1《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
1《硫黄の滝/Sulfur Falls》
4《ケトリアのトライオーム/Ketria Triome》
3《ヴァントレス城/Castle Vantress》
2《爆発域/Blast Zone》
3《寓話の小道/Fabled Passage》
2《島/Island》
1《山/Mountain》
1《森/Forest》
 
sideboard · 15 cards
1《長老ガーガロス/Elder Gargaroth》
1《パルン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Parun》
1《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
4《霊気の疾風/Aether Gust》
2《否認/Negate》
3《焦熱の竜火/Scorching Dragonfire》
1《丸焼き/Fry》
2《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》


 ただし、色マナ発生源は明確に必要な枚数を断言しづらい部分があります。特にモダンのようなフォーマットでは、デッキ内のフェッチランドの数が重要になります。
 例えば、赤がメインカラーのデッキ内に1枚の《聖なる鋳造所》が入っているなら、赤マナとして使いつつも、山絡みのフェッチランド8枚と組み合わせると、9枚の白マナ源としてもカウントできます。また、《極楽鳥》のようなカードもあります。《極楽鳥》がデッキに入っていれば、緑以外の呪文を唱えるためのマナ生成源として、それぞれ土地の約半分としてカウントできるのです。

■終わりに

 マナベースについては日々勉強していかなければなりませんが、この記事を通じて皆さん自身がデッキのマナベースを評価し調整を開始する、そのフレームワークを提供できたのではないかと思います。ご武運を!

Seth Manfield

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