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カラデシュリマスター カードリスト置場&未収録カード追悼会場

■はじめに

 11/12(金)(※日本時間の11/13(土)午前1時過ぎになると思います)、いよいよ「カラデシュリマスター(Kaladesh Remastered)」がMTG Arenaに実装となります!

 リミテッドでどんなカードが使えるのか気になったので、思い切ってカードリストを作ってみました。

 本記事は全文無料です。リストは記事中にありますので、無断転載・商用利用を除きご自由にお使いください。当然ですが無料でご利用いただけます。
 とはいえ手間も結構かかっており、心優しいあなたからのサポートをいただけると泣いて喜びます。モチベーション維持につなげるとともに、奥さんと娘のデザート代に順次充当させていただきます。最近の娘はよく食べます。

■余談:「カラデシュ」「霊気紛争」ってどんなセットだった?

(当時のプレイヤーの回顧録です。興味の無い方はスキップ推奨。)

 「カラデシュ」は2016年9月にリリースされたセットで、ローテーション時期に発売されました(この時は変則的なローテーションで「タルキール龍紀伝」「マジック・オリジン」の2セットと入れ替わりになりました)。続編として「霊気紛争」が2017年1月にリリースされています。

 舞台はチャンドラ・ナラーの出身次元である「カラデシュ」。いわゆるスチームパンクの世界観をモチーフに、「発明家」によってアーティファクトが生み出されている、という設定で、自動人形(オートマトン)や飛行機械が人々の行動をサポートする、文明レベルが高い次元です。
 技術の粋を競う「発明博覧会」に出展されるアーティファクトは機能だけでなく美しさも競われ、万博と展覧会のいいとこどりのようなイベントになっています。
 一方で、自然界には「霊気」というエネルギーが満ち溢れていて、都市外の生物は霊気の影響を受け様々な変容を遂げています。

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 というわけで、上記フレーバーは「大量のアーティファクト」「エネルギー」という形でゲーム化されました。「機体」システムが登場したのは、このセットが初めて。また、ライフやマナ以外のリソースとして「エネルギー・カウンター」を用いる、という、ゲームにおいても「実験的な」セットでした。

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 MaroことMark Rosewater氏がセットをプレビューする動画において、「カラデシュ!すごい!本当にすごいんだ!」と大興奮しながら語ったのは今や語り草に。キャプチャは今でも(ネタ画像として)愛されています。

 その理由は、スタンダードにおいて6年ぶりとなる禁止カードを生みだした元凶がこのセットだからです。

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 2017年1月9日、このセットに含まれる《密輸人の回転翼機》を含む3枚の禁止が発表されました。当時のスタンダードは《密輸人の回転翼機》が入らなければデッキにあらず、といった風潮でした。(なお、パイオニア制定後も速攻で禁止になりました。)

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 さらに、2017年1月発売の「霊気紛争」では、開発での見落としにより《守護フェリダー》と「カラデシュ」の《サヒーリ・ライ》による2枚無限コンボ・コピーキャットが発見され、環境を支配。2017年4月、発売後3カ月で《守護フェリダー》が禁止されてしまいました。
 なおこの禁止は、4月24日の定期告知において「スタンダードは変更なし」と発表されたにも関わらず、わずかその2日後に「やっぱり禁止」と発表したために、プレイヤーの不評を買ったことでも有名です。

 その2ヶ月後、2017年6月には、4ターン目に《絶え間なき飢餓、ウラモグ》が1割の確率で飛び出す魔境の原因となった「カラデシュ」の《霊気池の驚異》が禁止されました。当局も「4ターン目に出てきたらゲームがつまらん」(意訳)という認識でした。

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 それだけに留まらず、禁止後のスタンダードはエネルギー・システムが支配し続け、ついに2018年1月に、エネルギーデッキの中核を成していた《霊気との調和》《ならず者の精製屋》が禁止される羽目になりました。
 当時《霊気との調和》は「歴代最弱の禁止カード」と揶揄されるほどのカードパワーの低さと言われ、「おまけつきの《地勢》でさえ禁止されるのか……」と当時のスタンダードプレイヤーを戦慄させました。

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 この禁止によって、エネルギーデッキは鳴りを潜めたものの、もう一方のメカニズム「機体」は引退まで環境を支配。「ラヴニカのギルド」リリースまで《キランの真意号》は猛威をふるい続けました。

 都合、スタンダードで禁止されたカラデシュ・ブロックのカードは「カラデシュ」で4枚、「霊気紛争」で1枚の計5枚。これは2005年、あの悪名高い《ミラディン》に次ぐ枚数――でした。つい最近までは。

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 余談ですが、「霊気紛争」で登場したスーパー汎用除去《致命的な一押し》はレガシー(他エターナル環境全般)の構図を塗り替えた1枚として名高く、《剣を鋤に》《稲妻》と並び、レガシー屈指の1マナ除去として現在においても活躍し続けています。

■カラデシュリマスター カードリスト

 カラデシュリマスターは15枚の基本地形を含む、303枚のカードで構成されているようです(上記リンク参照)。ということは2セットを合わせた際に、145枚がリストラされている計算になります。

 Excelデータとしてまとめました。

■カードリストの使い方

 普通のExcelシートです。カラデシュ・霊気紛争の2セットのデータを基に「収録・未収録」「色」「マナ・コスト」「点数で見たマナコスト」「主カードタイプ」「カード名(日本語、英語)」を一覧にしています。

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 「カラデシュリマスター」収録カードだけを見たい場合はB列のところの「Exist」をフィルタ選択してください。「Not Exist」は未収録カードです。「Not Exist」選択で未収録カードが一覧として見られます。(需要があるのかどうかは謎)

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 当然ながら色やレアリティでも絞り込みができます。GathererやScryfallにリンクしようと思いましたが途中で力尽きて断念しました。

 機能改善要望や修正希望があれば、お手数ですが当記事へのコメントやTwitter(https://twitter.com/tokeimawari)までご連絡ください。

 上記リンクと比べると、コモンが2枚、神話が1枚足りません(なぜ?)。おそらくプレインズウォーカー専用デッキ関連だと思います。あらかじめご了承ください。(あと、どのカードか分かったら教えてください!

 早速リミテッドが実装されるようなので、ぜひ戦略を練る際などにご活用ください!

■あのカードが、ない……

(以下、当時のプレイヤーの回顧録です。興味の無い方はスキップ推奨)

 カードリストを作っていて「お前、消えたんか……」と切なくなったカードがたくさんありました。なんせ削られた枚数は145枚ですからね。2割以上が吹っ飛んでいる計算です。せっかくなので本記事で追悼したいと思います。

 なお、削除されたカードの傾向は概ね下記の通りです。

1.スタンダードやパイオニア、ヒストリックで一時停止or禁止された実績のあるカードの一部、またはそれに類似したカード

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 《密輸人の回転翼機》《守護フェリダー》が該当します。《霊気池の驚異》はお咎めなしですが、いくつかの《組細工》が意図的に収録されていません。《歩行バリスタ》はパイオニアでの禁止が影響しているようです。他、《隠れた薬草医》は《炎樹族の使者》が一時停止されたことを受けて再録されなかったとみられます。

2.なんだか悪用されそうな気配のあるカード

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 《ゴンティの霊気心臓》《ギラプールの宇宙儀》《向こう見ずな実験》《劇的な逆転》《鼓舞する彫像》など。禁止は出したくない、という姿勢が垣間見れます。でも《パラドックス装置》はお咎めなし……パラ装は開発のお気に入り!!!!

3.バニラやフレンチバニラ

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 《プラカタクラブの用心棒》《拳闘構築物》《博覧会場の恐怖》など。枠の無駄といえば無駄なので……。活躍したカードもありますがそれはそれ。

4.他のエキスパンションで収録済、同系再版、あるいはヒストリック範囲で似た効果を持つカードがあるカード

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 《ショック》《否認》《風のドレイク》《圧点》など。その他、《気宇壮大》《自然廃退》あたりは類似カードがいくらでもあるので収録されなかったようです。《ショック》なんかはこの時のイラストがM20でもつかわれたんですが(フレーバーテキストは変わった)。

5.ニッチすぎるカード

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 《怪しげな挑戦》《機械化製法》とかね……。当時は使い方を考えてフライデーに持ち込んで諦めて、というプレイヤーが後を絶ちませんでしたが。いろいろと派手なカードも貴重なレア枠・神話レア枠の節約の犠牲になりました。RIP。

■追悼博覧会

 というわけで追悼を開始します。意味もなくトップテン形式です。

第10位:《亢進する》シリーズの大半

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 EtBでエネルギーを得て、攻撃の度にそれを消費して大きくなるクリーチャー群です。特に赤の《亢進する地虫》、黒の《亢進するネズミ》はリミテッドでの定番カードだっただけに驚きの落選。合掌。(なぜかサイと亀は生き残りました)

第9位:《ヒレナガ空鯨》

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 確かに、こいつが止まらなくて死んだ覚えが……。4マナ・飛行・パワー4と暴力的なスペックながらデメリットはわずか。こいつでブロックするシーンは確かに思い浮かばない気が。合掌。

第8位:《ドゥーンドの調査員》

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 個人的な話で恐縮ですが、こいつ入れた赤黒機体で大会出たんですよ!!!(シングルエリミまでは行った) 2マナで《キランの真意号》に乗れる数少ない選択肢だったので……。ちょっと悲しい。合掌。


第7位:《真鍮の災い魔》《ラスヌーのヘリオン》

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 あの、こいつらに結構殴られましたよ? 普通に2ターン目《地虫》から3ターン目にどちらか出てくるとそれだけでぬるハンドキープはお咎め喰らいましたよ? 機体より暴力的でしたよ? 合掌。

第6位:《アラダラ急行》

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 カラデシュのリミテッドは車と列車に最大速度で轢き殺されるゲームでした。多分キルマークNo.1はこいつが持っています。コモンだし。機体はこれに限らずかなり絞られてますね。ありがとう。

第5位:《領事府の弩級艦》《エンジン始動》

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 別名セブンイレブン。これで4キルされたことがあります(実話)。友達が「これドレッドノートやん!!!!」と喜んでいたのを覚えています。残念だったねKさん(私信)。

第4位:《解析調査》《橋上の戦い》

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 即席も容赦なく収録見送りの憂き目に。消耗戦から突如飛んでくる意味不明なテンポロス3ドローでアド差が覆せず負けたり、謎のドレイン付マイナス除去で負けたり色々しました。ヒストリックへの影響を見ているのかもしれません。合掌。

第3位:《グレムリン解放》

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 機体ミラーで「打った方が勝ち」と言わしめた伝説のスペル。後に《削剥》《力ずく》が登場するまではサイドボード必携の1枚だったような。これで勝たせてもらった覚えがたくさんあります。フレーバー的にも、グレムリンが発明品を食らい尽くす様が現れていて最高の1枚でした。合掌。

第2位:《器具》シリーズ、《自動機械》シリーズの大半

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 カラデシュ庶民の生活が垣間見えるシリーズ。特に《器具》シリーズは紛争のお伴で大活躍しただけに、半減するのは寂しい。《自動機械》シリーズは、まぁカードパワー低いし……。庶民の手助けをする自動機械がカードパワー高かったらそれはそれで変な気もするけど。

第1位:《造命物の目覚め》

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 相手のエンドに突然飛んでくる永続X点火力。ブロッカーを粉砕されて相手は死ぬ。急に機体が永続パンプ、特に《アラダラ急行》が殺人級の無限列車と化すパターンもあり敗北必死。

殿堂入り:《たかり猫猿》

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 かわいい! かわいいやつだったのに!!!!! その上カウンターシナジーと劇的に噛み合う1枚で、初期型《巻きつき蛇》デッキには必携の1枚だったような(後で抜けましたすみません)。おまけに「猫猿って何だよ!」という突込みどころも兼ねた最高の1枚(クリーチャータイプも「猫・猿」)。僕はとても悲しい。

■終わりに

 カラデシュリマスターのリミテッドが今から楽しみです。機体がどの程度の勢力を誇るのか、受けデッキは成立するのか、トップコモンはどれになるのか、《反逆の先導者、チャンドラ》1枚で負けることは何回あるのか……。今から妄想が膨らみます。

 それでも、旧カラデシュを愛した人々からは「あのカードがない!」という声も聞かれそうです。皆さんもお気に入りのカードが入っているかどうか、一度確認しておくといいかもしれません。

 繰り返しになりますがカラデシュリマスター実装は現地時間11/12(金)から。みんなでリミテッド&ヒストリックを楽しみましょう!

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