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今日は目ぼしいポケモンはとれなかった。
夕暮れ時に犬の散歩と銘打ったポケ活で、近くのローソンまで行くと、ちょうど少し離れたジムの卵からカプ・コケコが出てきたところで、それを狙っていたかのように、一気にレイドメンバーが14人集まった。
きっと、掲示板等で募ったポケGOチームがリモートレイドパスを使って集まっているのだろう。
カプ・コケコは昨日、町田駅周辺で捕ったけど、あいにく星は2だったし、是非とも高個体のカプコケコが欲しいところだ。
チャンスだ。
オレは愛犬を乗せたベビーカーを走らせ、急いでレイド場所へ向かう。
カプコケコはどんな猛者でも1人、もしくは2~3人でも中々倒せる相手ではない。
猛者たちが集ったレイド戦に便乗参加して、いわゆるごっつあんゴールを決めなくては、オレのようなまだまだ駆け出しのトレーナーには、伝説レベルのポケモンをゲットするチャンスは訪れない。
でもリモートレイドパスの購入はさすがに気が引ける。それにレイドの醍醐味はやはり現地で参加してこそだ。
だが、レイド開始までの残り時間は30秒あるかないか。
間に合うか?
いや、間に合う。
間に合わせる。
仕事帰りの車が飛び交う道路を、愛犬とベビーカーとアイフォンと一緒に駆け抜ける。
中々バトル参加のアイコンが緑色に変わらない。
バトル参加までの時間を示すメーターが刻一刻と減っていく。
心拍数が上がる。
諦めたらそこで試合終了だよと、誰に言われるでもなく、最後まであきらめずにレイド場所へと足を走らせるオレ(と犬)を差し置いて、無常にも14人のメガレイドは始まってしまった。
間に合わなかった。
でも、また人が集まるかもと、期待を捨てれず、オレはそのまま、そのカプコケコのレイド場所に10分ほど居続けた。
だけど、そのカプ・コケコ戦にオレ以外の人が集まることは、その日はもうなかった。
クシュン、クシュン。
ベビーカーに乗ったままの愛犬が咳をする。
愛犬はもう15歳だ。腰を痛めて、もうほとんど歩くことも出来ない。
暖冬とはいえ、いつまでもオレの我が儘に付き合わせて、夜空にさらし続けるワケにもいかず、オレは帰路につく。
まぁいいや。カプ・コケコのゲットチャンスはまだある。
今日は目ぼしいポケモンはとれなかった。
でも、不思議と悔しさはそれほど無かった。
カプ・コケコ
初登場は『ポケモンサン・ムーン』(第7世代)。
アローラ地方における土地神の一柱たる伝説のポケモン。
鳥?なのかな。
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