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大劇場に現れた本物の「ギャツビー」…押し寄せるファンのすすり泣き

急いでパソコンに向かっています。

 昨日、月組大劇場公演が再び中止となりました。私はその前日偶然にも月組大劇場公演「グレートギャツビー」を観劇をする事が出来ました。終わった後、沢山の月組生に連絡を取り、公演の感動を伝えていた矢先の中止発表。彼女たち、そんな素振りは一つも見せていなかったから、生徒の皆にとっても突然の出来事であったのだろうと思います。

 発表されたのは朝の9時半で、宝塚ホテルにご宿泊で、もう既に新幹線に乗り大劇場に向かっていたお客様もいらっしゃり、様子を観に行こうと私が劇場前を通りかかると、入り口でプラカードを持っている劇場係の方々から中止を知らされ、涙しているファンの方がいらっしゃいました。「すーさん、すーさん」とお声がけ下さり、ご自身の観劇に際しての想いや応援している生徒への想いをお話されながら思い出して、また涙が溢れてきた様でした。何度もご覧になる方もいらっしゃれば、その日その時間に取れた1枚のチケットを楽しみにしながらそれまでの日々を過ごす方もいらっしゃっただろうけれど、1回1回違う生の舞台の中で生まれる体験を心待ちにしている気持ちは同じだと、どちらにせよ胸が苦しくなる思いでした。

 私が観劇したのは7月28日15時半の公演で、何も考えず組カラーの黄色のワンピースを選んで、「月組カラーで張り切ってますね」と会う人会う人に突っ込まれました。

「グレートギャツビー」は再演の日生劇場で私も出演していた作品です。小池先生が大変思い入れのある作品で先生の情熱と気合に皆が毎日必死になって役作りを考え、もがき苦しみながら演じた、私にとっても出演した全員にとっても特に忘れられない作品だった様に思います。再再演となり、そして月組が上演出来る事は私にとっても大変嬉しく感慨深いものでした。

お伝えしたいのは、何よりも舞台がとても素晴らしかったという事です。

そこに本物のギャツビーがいました。

そしてあの時代のアメリカがそこにありました。

月組生の気合と想いが溢れていたが故に今、中止となっている事がとても悔しくて悲しいのです。「お手紙を書きます」と仰っていたあのお客様…そんな方は会えなくてもきっと沢山いらっしゃるのでしょう。月組生は痛いほどよく分かっている筈です。

日を追うごとに違う輝きを放つ舞台なのは、月城ギャツビーが日を追うごとに本物に近づいていく様子を月組生が感じ取り、どんどんとその世界が出来ていく…筈だった。

エンタメを愛する者として。このままで良いのか。創る側の想いも観る側の想いもどこにぶつけて良いものか…そろそろ限界を感じずにはいられません。

今日会った人が言っていました。
こんな世の中になってライブ配信で良いやと思われない為にも、出来る限り生の舞台やライブを上演し続ける必要があると。会うからこそ感じる心と心のバイブレーションを忘れさせてはいけないのです。ウィルスの猛威に人間はオロオロするばかりですが、提供する側が諦めずに挑み続けていかなきゃとそう思いました。

そしてこの長い戦いを諦めずに待つ。幕が開いた瞬間に拍手を送る為にも!!

すーさん



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