コロナと裏拳
今日さあ。
エレベーターに乗ろうとしたのね。
ボタン押すときにさあ、いま、コロナじゃん?
テレビで、指先使うより手の甲使った方がいいっていうからさ、なんなら拳がいいっていうからさ。
僕は上るボタンに対して、中パンチフックぎみにパンチを繰り出したわけ。
したら、狙いがボタンから外れてしまったんだ。
だが僕も強いヤツに会いに行ってた格闘家のはしくれだからさ、その、外れた勢いのまま体をくるっと一回転! 裏拳で見事! バシィィィイ! て、ボタンを押した! キマッた!
で、ふと、エレベーターホールを見たら、さっきまで誰もいなかったのに女の人が立ってて僕のことへんな目でみてんのよ! なにそれ!
で、その人と一緒にエレベーター乗ったんだけどさ。「僕の裏拳の凄さなんかぜんぜん知らないくせにどうせ変なやつとか思ってんだろうるせえよ!」て、ちょっと恥ずかしい気持ちになってたんだ。
おしまい。
※一部改編
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