Zoomの機能拡張の速さと、Zoomの成長の秘訣

(2021年に自身のサイトに掲載した記事を移管)
Zoom、また機能拡張されましたね。 利用者視点で、「わかってるな~」って感じの機能ばかりで、この実装スピード、ほんとすごいと思います。 「どれだけPDCA回しているんだ?」と思いませんか。 今回は、Zoomアップデートで追加された機能と、高速な機能追加を可能にしている秘訣に迫ります。  

Zoom5.0へのアップデート
Zoom5.0へのアップデート

今回追加された主な機能は以下です。
1.ビデオ機能の強化 外見補正をスライダー調整可能。 カメラの明るさをスライダー調整可能。
2.バーチャル背景 パワーポイントのスライドを背景表示可能。 設定手順へのリンク ※ニュース番組のように背景に会議資料を投影しながら、自身のビデオを重ねて表示できる。 3.会議進行 反応アイコンの追加。 特に、2.バーチャル背景 パワーポイントのスライドを背景表示可能。がしびれます。

Evernote社のフィル・リービン氏が、Zoomでできない機能を実現する「mmhmm」を開発しニュースになっていましたが、(そのニュースを見てすごいと思っていましたが、)その機能に近いものも2.において実装されてますね。 Zoomとmmhmmの今後の動向も興味深いです。

「mmhmm」について詳しくはこちらの記事をご覧ください。   恐るべし。Zoomのカスタマーインサイトを捉える力と、実装スピード。 なぜ、Zoomはここまでの成長と機能拡張を実現できているのか。 そのヒントは、2019年の、Zoom CEOのエリック・S・ユアン氏と、 Amplitude CEOのスペンサー・スケイツ氏の対談動画にあります。 IPOを達成したZoom CEOと、時価総額 10億ドルを超え「ユニコーン」企業の仲間入りを果たしたAmplitude CEOの対談は、金言が続出。 主に、「カスタマーハピネスの大切さと、フィードバックを受けプロダクトを改善することの大切さ」について語っています。 サマリを以下に記載します。 ちなみに、以下画像の左がAmplitude CEOのスペンサー・スケイツ氏、右がZoom CEOのエリック・S・ユアン氏です。

「Zoom使ったことあるけど、CEOが誰なのか知らない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、この動画を見るときっとZoomがもっと好きになります。 動画再生は以下より。

CEOのエリック・S・ユアン氏と、 Amplitude CEOのスペンサー・スケイツ氏対談サマリ Zoomは遠距離恋愛をしていた時に着想した。 当時、年に二回、彼女に会うために10時間電車に乗った。 「1クリックで彼女と会えるデバイスがあったらいいのに」という思い。 これがZoomのプロトタイプとなる。 Zoomにとって第一優先項目は「顧客の幸せ」だ。 利益を最優先して、「顧客の幸せ」を二の次にした場合、今期の利益目標は達成できても次期は未達になる。 特にソフトウェア業にとって、長期的に使い続けてもらうことはとても重要だ。 そのためには、まず顧客の不満点を見つける必要がある。 つまり、フィードバックを受けることが何よりも重要だ。
Q.チームの構成員それぞれが、各担当する役割によって別々の方向性を向いてしまうことを防ぐには?
A.企業文化が大切だ。 「人々が愛用してくれるベストな製品を作る」という文化の浸透。 それから、チームの中での信頼感を育てることももちろん。
Q.チームが、ゴールからずれそうなときはどうするか?
A.顧客の声を聴くこと、と想像でプロダクトを修正すること、どちらが重要かは明らかだ。
Q.組織を分断させず、同じ方向を向くには?
A.「顧客の幸せ」を実現するため、製品をよくするための指標を定義し、日々、その指標の改善について対話すること。
Q.今後のビジョンは?
A.we feel like it not only do we build a better service ,we feel like we truly make the world a much better place . 良いサービスを提供したいだけではなく、世の中をよりよい場所にしたい 飛行機で出張するだけでどれだけの石油が消費されているか、Zoomはそれを解決できる。

以上がサマリです。
顧客の声に耳を傾け、顧客のジャーニーをとらえ、不満点を見出し改善していく。 それを高速で繰り返しているから、今のZoomがあるんですね。 個人的には、ビジョンのスケールの大きさ、「 make the world a much better place 」にしびれました。 「日本企業はイノベーションを生みづらい」なんて言葉が聞かれる昨今ですが、この動画の中に打開のためのヒントがあるように思います。   かのジェフベソスも、事業成長のために必要なこととして近しいことを語っています。

Our success at Amazon is a function of how many experiments we do per year, per month, per week, per day. アマゾンの成功は、どれだけたくさんの学習を繰り返せるか、その仕組みによるものだ   そして、Zoomのユアン氏と対談していたスペンサー・スケイツ氏のAmplitude社。 ここも素晴らしい企業です。 その素晴らしさ、魅力はまた別のポストで書きたいと思います。

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