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大学生×伝統野菜 飛騨美濃伝統野菜『守口だいこん』を学ぶ

 東海学院大学管理栄養学科の伝統野菜プロジェクトチームの学生です。  今日は岐阜県笠松町の12月~翌年1月に収穫期を迎える『守口だいこん』生産者の方のところに来ています。
 大学から車で15分くらいの木曽川の河川敷。こんな身近に飛騨美濃伝統野菜が栽培されていることを知りました。

岐阜県と愛知県にまたがる『守口だいこん』の生産地

 『守口だいこん』の起源は、美濃国の長良川沿いで古くから栽培されていた細根大根が起源であるとの説があるそうです。現在の生産地は、木曽川の北側(岐阜県側)と南側(愛知県側)にまたがっていますが、戦前までは岐阜県のみで栽培されていたとか・・・。木曽川の河川敷の砂質土壌でないと長い『守口だいこん』が生産できないのだそうです。

木曽川の河川敷にある『守口だいこん』の畑

根長1m以上!本当に長細い『守口だいこん』

 『守口だいこん』の特徴は、やはり長い根!根長は1m以上で、大根の中でも特に長い部類に入るそうです。品種選抜と畑の深耕に努めた結果、現在の1m以上の長い根長をもつようになったといわれています。
 19世紀後半から長良川流域の砂質土壌が栽培に適していたことから、岐阜市(則武、鷺山、島地区)で栽培が始まったそうです。

『守口だいこん』の長い根にびっくり!

生産者が4人 高齢化と後継者の課題が・・・

 現在では木曽川の河川敷でわずか4人の生産者の方が『守口だいこん』の生産を行っています。すべて受注生産のため、市場に出回ることはなく、漬物として、主にお土産やご贈答用に加工されるそうです。年間65トンの『守口だいこん』が生産されているそうです。
 生産者の方の年齢は60~80歳代。『守口だいこん』は、河川敷の砂質土壌で栽培しなければならないため、自宅から車で30分以上かけて、河川敷の畑に通って、栽培しなければならないそうで、負担も大きいそうです。また、長い大根なので、真夏の暑い時期に畑を1mも掘ってから播種しなければならず、暑い中での作業はとても重労働なのだとか・・・大変な作業であることや、畑の場所が限られていることもあり、後継者不足の課題も大きいそうです。

長いけど、砂質土壌のため、収穫はしやすい!

守口だいこん

 とても長い『守口だいこん』は、普通の大根に比べて固いため、漬物用として利用されています。粕漬けが一般的で、漬けてから2年も食べられるまで時間を要するそうです。お土産売り場に販売されることが多いそうですので、是非みなさんも召し上がってみてください。


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