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大学生×考える 動物検疫所について学ぶ

東海学院大学管理栄養学科の1年生です。今日は農林水産省動物検疫所中部空港支所 支所長 米川和宏先生から「動物検疫所について~動物検疫業務の概要~」についてお話をお伺いしました。

みんな真剣に聞いています。教えていただきありがとうございます。

重要伝染性疾病が侵入したときの国内の経済的被害について知る

 はじめに重要伝染性疾病侵入時の国内の経済的被害について2010年に宮崎県で発生した口蹄疫や2018年に岐阜県で26年ぶりに発生した豚熱を例に教えていただきました。2010年に宮崎県で10年ぶりに発生した口蹄疫は292農場11自治体で発生し、牛69,454頭、豚227,949頭、その他(羊、イノシシ、山羊、水牛等)405頭が処分されたそうです。
 2018年に岐阜県で発生した豚熱では35.7万頭の豚が処分され、岐阜県から広がった豚熱は、北海道と九州以外で発生が確認されているそうです。一度こういった伝染性疾患が発生すると、その感染を止めることが容易ではなく、またそれに伴う経済的損失も大きいということを知りました。

海外の重要伝染病の発生状況と日本の家畜防疫体制について学ぶ

 口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザ、CSF、アフリカ豚熱の海外における発生状況について教えていただきました。世界中でこれだけ伝染病が広がっていることを知り驚きました。アフリカ豚熱については、日本と台湾以外の国で発生が認められているとか・・・日本にこういった伝染病を広げないためにも、日本から海外に輸出する際に伝染病を広げないためにも、水際防疫と国内防疫など家畜防疫体制の重要性を学びました。

携帯品として持ち込まれる畜産物からウイルスが分離

 お話を伺って一番驚いたのは、海外から携帯品として持ち込まれたソーセージなどの畜産物からアフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ、ニューカッスル病等のウイルスが分離されているということです。海外から自分が食べるためやお土産として畜産物を隠して持ち込むことが、これだけ危険な伝染病を発生させてしまう可能性があることを知り、怖くなりました。おそらく持ち込んだ方もそこまでの危険性があるとは考えずに携帯しているのだろうと思います。動植物検疫探知犬も空港で頑張っていることを知り、私達一人ひとりが意識することや、危険性を知ることが大切だと思いました。

お話を伺った私達学生からの感想です

みんなたくさん質問しています

「食料自給率が38%の日本では、海外からの輸入に頼る部分も大きいと思います。海外からの生体動物や畜産物の安全な輸入のために様々な水際防疫が行われていることを知り驚きました。また、検査の信頼性確保のためISO/ IEC17025の認定を取得されるなど多様な対策が取られていることを学びました。海外からの輸入畜産物をスーパーで見るたびに、こういった対策をしていただいていることに感謝したいと思いました。ありがとうございます。」「日本は世界でも数少ない狂犬病の清浄国であるということをウクライナからの避難民の方のニュースで見ました。狂犬病から日本を守ってくださっている動物検疫所の皆様ありがとうございます。」
「北海道・東北支所の分室が北海道の胆振にあるのはなぜなのか、歴史的な経緯があるのか知りたいと思いました。」
「農林水産省・輸出拡大実行戦略では、2025年までに2兆円、2030年までに5兆円の輸出を目指しているというお話を以前お伺いしたことがあります。岐阜県でも飛騨牛がすでに20ヶ国にも輸出されているそうですが、輸出をするためにこれだけたくさんの検査や輸出検疫証明などが必要であることを知り驚きました。」
「新興人獣共通感染症である二パウイルスのお話をお伺いし、気候変動や環境の変化によって、これからも新たなウイルス発生の可能性があることを知りました。水際防疫の大切さ、一人ひとりが感染を広げないために意識して行動しなければならないと思いました。」



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