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大学生×伝統野菜 飛騨美濃伝統野菜『春日はるな』

 東海学院大学管理栄養学科の飛騨美濃伝統野菜プロジェクトチームの学生です。今日は雨の中、岐阜県揖斐川町で伝統野菜『春日はるな』の生産者さんを訪問しました。

 霧の中、細い道路をのぼっていくと『春日はるな』の畑

 雨も降っていたので、揖斐川町の山間部は深い霧に覆われています。道もどんどん細くなり、川沿いの細い道を車で通るのがやっと・・・すごい深い山の中に、柵に覆われた『春日はるな』の畑が現れました。

『春日はるな』の生産者の方にお話をお伺いしています
雨の中、ありがとうございます。

古くから栽培されている『春日はるな』

 『春日はるな』は、アブラナ科の葉菜で旧春日村、旧徳山村で古くから栽培されていたそうです。『春日はるな』の花は菜の花そっくりです。自家採取された種が代々受け継がれ、現在では春日地域と小津地域で栽培されているそうです。
 『春日はるな』は、クセがなくいろいろな料理に利用できるそうで、塩漬けにして食べたり、塩漬けをご飯に混ぜたり、みそ汁に入れたりして食べられているそうです。

『春日はるな』の花

鳥獣被害と気候変動の課題を知る

 最近ではウサギやシカなどの鳥獣被害が多く、畑の柵を高くしても飛び越えてウサギが入って食べてしまうこともあるそうです。
 『春日はるな』は9月頃に種を蒔き、雪が降る前に、なんと!一度全部刈り取ってしまうのだそうです。そしてもう一度成長した葉が、雪の下で、甘く、美味しくなるのだとか・・・。雪の多い揖斐の山間地が雪解けのころに、春の食卓に欠かせない食材として収穫されるそうです。
 しかし、近年の気候変動によって雪が降る時期も変化してきているそうで、雪の下でも枯れることがなく、雪の多い揖斐に古くから伝えられている『春日はるな』の生産も難しくなってきているそうです。

春日はるな

『春日はるな』を出荷している生産者はわずか3名

 『春日はるな』は自家用に生産されている方は70名程いらっしゃるそうですが70歳以上の方が大半だそうです。出荷されている生産者の方はわずか3名で、揖斐川町にある「かすがモリモリ村リフレッシュ館」でのみ3月~4月のわずかな期間にだけ購入することができるそうです。

販売されていた『春日はるな』

飛騨美濃伝統野菜を知ってもらいたい

 岐阜県で古くから栽培され、岐阜県の気候風土により特性がみられる野菜・果物等が飛騨美濃伝統野菜として登録されています。伝統野菜の種の保存の課題や生産者の高齢化、担い手不足の課題も大きいのだということを知りました。
 私たちも管理栄養士・栄養士を目指す学生として、地域の伝統野菜について学び、多くの方に伝統野菜とその課題についても知ってもらいたいと考え、今後も活動を継続していきたいと思います。

雨の中、教えていただきありがとうございました。

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