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浅はか

だいぶ前の話だけど、気持ちを整理するための記録。

下の子のクラスに転校生がきた。
転校してきてすぐに遠足があり、うちの子と同じ班になった。遠足の写真、転校したてなのに笑顔ピースで写っていて快活でとてもよさそうな子だなと思った。

同時期に上の子の友達が学区内で引越しをし、新築マンションに転居した。大手ディベロッパーの立派なマンションで、最近マンションは高騰しているのにこんなところを買うなんてすごいな~と思った。
そして、下の子の話から、転校生のその子も学校からの帰りの方向がそのマンションのほうだと聞き、転校してきた時期的から考えてそのマンションに越してきたんだろうなと思っていた。

その後、参観に行ったらその子が我が子の隣の席で、我が子よりも先にわたしに気付いて「○○くん、おかあさん来てるよ」と耳打ちして教えてくれたことがあった。まわりをよく見ていてしっかりした子だな、と思った。いつも印象の良い子だった。

だいぶ経って、参観と保護者会があった。
保護者会で一人ずつ自己紹介をして家庭での様子などを話すことになった。
その子の保護者として参加していた方は、開口一番「○○さんが暮らしている施設の職員の○○と申します」と自己紹介をした。
ビックリした。ビックリしすぎてその後の話はあまり覚えていない。
唯一覚えているのは、その方が机の上に「1/2成人式」と書かれた案内用紙を置いていたことだ。今日の参観で4年生がした発表のものだ。うちの下の子は4年生ではないので、この方は4年生の参観にも参加してきたのだろう・・・同じ施設に4年生の子も暮らしているのだろう・・・と思った。

なんとも言えない気持ちのまま家に帰って、調べてみた。
上の子の友達が住んでいる大手ディベロッパーの新築マンションの目と鼻の先に児童養護施設があることがわかった。
その施設のホームページをじっくり読み込んだ。かなり長い歴史のある施設らしい。街に溶け込んだごく普通の建物で、同じ学区内にあって前を通ったことも何度かあるのに全く気付かなかった。
勝手にあのマンションの子だと思っていた自分のことが恥ずかしくてたまらなかった。うまく言葉にできないけど、すごく苦しい。
ホームページからはとても温かい雰囲気が伝わってきて、浅はかな思い込みをしていた自分が恥ずかしくて、苦しかった。

施設のホームページにAmazon欲しいものリストへのリンクが貼ってあったのでギフトを送ることにした。懺悔というか、言葉にできないモヤモヤした気持ちを少しでも解消したかった。
これからも定期的に欲しいものリストを見てギフトを送ろうと思った。寄付もできるらしい。

偏見や思い込みは捨てていきたいし、地域のこと、視野を広げて関心を持っていきたい。