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この夏、20万を払ってマシュステ2.5という最高の体験を手に入れた話

知ってるか?舞台をたくさん観るとお金がかかる(チケ代+遠征費+グッズ)

めちゃくちゃ面白かった〜!東京で6回神戸で3回の合計9回観ました。
こういう演劇の力を感じさせてくれる素晴らしい舞台に出会うと舞台が好きで良かったな〜…と思います。

こちらは初回の感想

好きな演出・シーン🔍

神覚者の尋問シーン

ここ!舞台ならではの演出や工夫が見えて特に好きなシーン!!
マッシュが魔法を使えないことがバレて魔法局で裁判にかけられるシーンでは、神覚者たちは高い足場の上にいて「排除すべきだ」「生かすべきだ」と歌いながら議論を交わします。
一方、当事者のマッシュはその外側で立ちすくんでいるのが、本人に命の決定権がなく蚊帳の外であることを視覚的に表現していて演出の妙を感じました。

そこで「生かすべきだ」と言い切ったのが、マッシュと同じ高さにいる副局長だったのも印象的で、魔法界への影響や規則ではなく、自分を助けたマッシュ本人の人となりを見て判断しているのかな〜と。

神覚者の中でも、オーターとカルドが処刑を推奨して「暗闇が世界を覆うかもしれない」と安全側に倒そうとする保守派なのに対し、ライオとレインはマッシュを生かすことを勧め「世界を変えるかもしれない」と攻めの姿勢の改革派というバランスの良さも良かった。
魔法第一主義のように見える世界でも、実は多様な考えを持つ人がいることが分かりますね。

照明・映像

本当に魔法みたいに美しくて…。オープニング最後の揺らぐ水面のような照明が、魔法界に投じられ波紋を起こすマッシュという存在を表現しているようで好きでした。これ、2階か3階から観ないと絶対分からないのにこだわりすごいな〜。

プロジェクターを複数台使用して、ポセイドンや巨人のような巨大な映像を作り出していたのも印象的。マッシュが水面に腕の重りを落とし飛沫が発生するシーンでは、映像に加えて人間が青い布を上下に振ることでボチャン!という水しぶきを表現していてオ〜となった。平面的になりがちな映像演出に重みを感じるような工夫していて好き。

校長vsイノゼロ戦で足場の台がくるくる動いている中、ランスがグラビオルしたとき、足場に重力魔法の映像を映していたのはタイミングのプロで感動しました。

あと神覚者尋問シーンでキャラの歌いだしと一緒に「魔法魔力管理局長/砂の神覚者オーターマドル」ってキャラ紹介がシャキーンって映されるのもアニメみたいで好き〜!2.5次元観に来たなー!って思う。

テニミュシーンでは、一箇所で手塚ゾーンのようなくるくる回る照明があり(伝われ)実家を思い出しました🎾(テニミュのことを実家と呼んでいます)

物理とフィジカルによる演劇的表現

マシュステといえば物理で表現される魔法でしょ!と言わんばかりに出でてくる巨大なパペットや人間よりも大きい鎖、ダンベル、そして筋肉など、圧倒的な存在感!
終盤の巨人が襲いかかってくるシーンを2列目で観たとき、巨人の腕が本当に頭の上まで迫ってきてびっくりしました。
物理的な道具があることで、演出に説得力が増してとても好き。チケ代が高くなっても、絶対この方針で続けてほしいと思います。

客席を巻き込んだ演出

他の舞台に比べて、客席側や天井に照明を当てる演出や、キャストが客席通路に降りてくる演出が多いのが印象的でした。演出家の今人さんが「観客を巻き込んで物語に入り込めるようにしたかった」と仰っていて納得しました。

神覚者客降りダッシュみんな100m8秒くらいで走るので、跳んだ!と思った瞬間にはすでにいなくて幻か…?ってなる。その中でレインだけ走る距離が長いせいで遅れていて、オタクはたまらない気持ちになります。

巨人襲来シーンでキャラクターたちが「逃げろ!!!」と叫びながら客席に降りてくるのも、とても好きなシーン。
舞台上の出来事を眺めていた観客が、急にマッシュルの世界の登場人物になる瞬間。その後、巨人に立ち向かうマッシュが客席後方から現れ、「頑張れマッシュ!頑張れマッシュ・バーンデッド!」と会場全体で手拍子と声援で応援するところでは、毎回泣いてました。
今後の人生で自分がマイノリティ側であったり立ち向かわなきゃいけないことがあったとき絶対このシーン思い出すと思う。
『誰にも認められなかった、マッシュ君が』
『魔法がすべてのこの世界で、常識を覆している…』
『頑張れ!マッシュ君!』

歌が上手い

シュールなギャグが多い今作ですが、実は劇団四季で活躍していたキャストや、歌唱力で有名な俳優が出演しており、歌のレベルがかなり高いのが特徴です。洗練された歌やダンスがあってこそ、メリハリが効いてギャグシーンが一層面白くなるのだと感じました。

キャストについて💃

全員良かった。とくに気になった5人に絞って書きます

セル・ウォー(YUKIさん)

マシュステのセルの良さはこれを観れば分かります。

@mashle_stage

「マッシュル-MASHLE-」THE STAGE 第2弾👊#セル・ウォー#YUKI さんコメント #マシュステ #mashle

♬ Bling-Bang-Bang-Born - Creepy Nuts

舞台からカーテンコール、アフタートーク、お見送りまで、ずーーーっとセルでしたね…。おそらく一番真剣にマッシュルの世界を演じていたのではないでしょうか。

私は、キャラクターの格好をして舞台に立っている間はずっとキャラクターでいてほしいと思っています。舞台上で役者の自我が出てくると、急に冷めてしまうのですが、YUKIさんはずっとマッシュルの世界の人だった。

セルは死体にラスボスの血を注いで作られたクローンという設定ですが、蛇のようなクネクネとした仕草と、ときおり急に無表情で微動だにせずジッ…と前を見つめる様子が、本当にこの人は元死体なのだと感じました。コミカルな場面とのギャップがすごい。

ある日の公演で、魔返しの鏡が割れるシーンで手から滑ったのか、割れた鏡が客席に落ちてしまうアクシデントがありました。客席も舞台上も「アッ…」となる中、セルが客席降りの階段を這いずりながら取りに行く姿を見て「マジでこの人すごいな」と思いました。よく、とっさにあんな機転が……。

今回特に好きだった振付は、セルの「はじめましてボクはセル•ウォー」で顔に手を当てるシーンと、「いいザマだなどうしたドミナ散々馬鹿にしてきた僕に〜」で腕をくるくる回すシーンです。流れるようにキャラっぽいポーズさせるのが上手すぎる。

また、セルの登場シーンで「馬鹿だな教えるわけないだろ友達でもないのに」というセリフが、一作目でランスに化けているときの「馬鹿だな内緒だよ」と同じトーンだったのが嬉しかったです。前作には出演していないのに、芸が細かい。

お見送りではぺろっと舌見せてくれて嬉しかった。舌見せてくれてありがとう〜。

オーター・マドル(北園涼さん)

北園さんがオーター役で本当に良かったと思います。原作のオーター・マドルが好きで、自分の中で理想のイメージがあった分、開幕まで不安と期待が入り混じっていましたが、意志の強さを感じさせる力強い歌や、杖を振る際のすっと伸びた腕など、人間として存在するオーター・マドルを感じることができました。

しゅきめろ〜…

オーターは、そのまま演じると陰険で嫌な印象だけの人物になりかねませんが、舞台では「この世の秩序!守るために!厳しい規則!厳格な規律!秩序を乱すゴミ共!情けは無用!徹底的に排除!!」と、全ての歌詞にスタッカートを付けて歌うので並々ならぬ強い信念を感じましたね。めっちゃ腹から声出すじゃん。

神覚者の裁判シーンで「マッシュに猶予を与えようか…」という雰囲気になったとき、すかさず「認められない💢!!!」ってデッカイ声で歌い出すので、こっからひっくり返すつもりなん?!って慄いた。

たむしょドミナを見ていると、人生でこれほど表情筋を動かして叫ぶことはそうそうないだろうと思う一方で、北園オーターを見ていると、人生でこれほど表情筋を動かさずに話すこともないだろうなと感じますね。

マシュステは全体的に毎公演セリフの言い方や歌い方が少しずつ変化してライブ感があったのですが、オーターはわりと一定していた印象です。それが北園さん演じるオーターの「列からはみ出ず規則に厳格」という信条を表現する演技プランだったのかな〜…。そもそもこの時点では遊びが少ないキャラだしね。

オーターマドルが出てると、定点してメインで何が起こってるか見逃すので、オーターマドル側に首が固定された瞬間に電流流す装置付けてほしい

公演中の感想メモ読み返したら困ってた

お見送りでは一番熱量をかけて挑んで最後まで塩で嬉しかったです!虚無の目で見てくれてありがと〜!

突然のギャルピにずっと情緒が狂ってる、たすけて

ライオ・グランツ(小波津亜廉さん)

「ナンバーワンでオンリーワン活かすだろう?魔法界1の男前だろう?人類最高傑作ってコト!オレ様がライオ・グランツだぜ」←この歌詞ほま好き

会場に巨人が現れたとき、神覚者3人のなかでライオさんが無言でいち早くダッシュして捌けるシーンが好きでした。助けを求められれば必ずどうして間に合ってしまう男の正体は、誰よりも早く駆け出す男なんですよ。

あと杖を手首でさりげなく振る仕草が強キャラ感あってよかったです。ライオが登場するたび会場中の安心感が伝わってきた。

フィン・エイムズ(広井雄士さん)

演出の今人さんも仰っていましたが、この人なしではマシュステが成立しないほど、ストーリーテラーとしての役割を見事に果たしていました。フィン君が勇気を振り絞るシーンで見せる歌声が本当に良くて、巨人との綱引きシーンでは、彼の歌から会場中の空気が変わるのを毎回感じました…。

てかレグロの家でさ〜、尊敬する先輩を聞かれたフィン君が「にいさまです!」って答えたとき、会場中のオタクがメロメロになる音が聞こえましたね。まあもちろん、一番メロメロになってるのは、裏で聞いてるレイン・エイムズなんですが。

アンサンブルの皆さん

梅津大輝さん一生マシュステに出てぇ……マザコンvsシスコンのシーンは毎回笑ってしまった。ロイド・キャベルくんが異様に似合いますねブルベなんかな。

あとはよく下手通路付近に入っていたので、巨人襲来シーンでKenさんを近くで拝見する機会がありました。怯える演技から、マッシュが来て瞳に希望が灯る表情の変化が上手でいいな〜って思いました。

気になったところ🗣

完全に個人的な好みですが、曲は一作目のほうが好きかもしれません。魔法世界を感じさせる荘厳なオープニング曲から、フィン君のTHEミュージカルナンバーへの繋ぎが好きだったので、今作はややJ-POPよりかな?と思いました。
愚かな群衆の歌が好きだから「魔法の使えぬ者は世界の秩序乱す者だ♫汚れた血は消えろ♫」はカラオケに入れてほしい。愚衆体験。

ランスのキャス変も寂しかったな…新キャストの中山清太郎さんは…エピデム戦では勝てないかもな……(ただ中山清太郎さんのことは好き…ブロマイドもアクスタも手に入れた…)
中山清太郎さん(19)のことをせたろって呼んでるのが何らかの法に引っかからないか心配してます。

再現V

アフターイベント🤞

お見送り(終演後キャラに扮したキャストの前をオタクがぞろぞろ歩くこと)は本当に楽しくて、会場を出たオタクが全員笑顔で感想を言い合ってたのが印象的でした。

普段は舞台の上にいるキャラクターが目の前にいて、自分に対してアクションを返してくれる体験って本当にすごい。2.5次元ここに極まれり。みんなが完全にキャラクターとして存在しているので、ニコニコ声をかけてくれる人もいれば、ずっと不機嫌そうだったり、静かに微笑むだけだったりと、キャラ設定をちゃんとしっかり把握していて偉いよ〜!

公式グッズであれば持ち込みOKだったので、オタクが思い思いに公式グッズをアレンジして作った応援グッズを見るのも楽しかったです。
痛バやジャンプ公式の好きなページをTシャツにできるやつを着たり、オタクってすぐ、脱法酒を作ろうとする…!

グルーガンで5回くらい火傷した

準備から旅行ならぬ、応援グッズ作りも含めた体験だな

ラメで魔法を表現したりモチーフを想像したり楽しかった

トークイベント「レグロの家」は絶対絶対絶対円盤化してください。
全カットされたレインのテニミュシーンもパワーボイスでピー入れてもいいので入れてください。

気になった人はこちら🤜

なんと!いまなら4000円で見逃し配信公開中!!
https://www.dmm.com/digital/stage/-/theater/=/name=mashle/

楽しくて素敵な舞台をありがとうございました!
次回作もグーパンで待ってます✊

怪奇!新幹線で写真立てを飾る女!

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