#246超予測力

「平均的な専門家の予測の正確さは、チンパンジーが投げるダーツと大体同じくらいである」、という論文で有名になった著者による予測力に関する本。
超予測者と呼ばれる人々は何が違うのか、どのように予測への道筋をたて正しい方向へと向かうことができるのか、考えるための道筋を示してくれる本書は不確実な状況に立ち向かい意思決定をしていかなければならないリーダーにもおすすめな一冊になっています。

・一年先といった短い時間軸においては、専門家の予測が当てずっぽうよりも良い成果を出すことができるが3~5年先だとかなり難しくなる。

・予測可能性に限界があることを認めることと、あらゆる予測を無益な営みとして切り捨てることとは本質的に異なる。

・未来は予測可能か不可能かという二項対立は本質的に誤った問いの立て方である。

・マグナスカールセンは、自分が打とうとしている手が直観的に正しいことはすぐにわかるが、それを判断するために持ち時間を使っている。システムIとシステムIIがうまく機能するような作りになっている。

・複雑な問題をお気に入りの因果関係の雛形に押し込もうとし、分析結果に合わないものを毛嫌いするか。直面した問題に応じて様々な分析ツールを駆使して意思決定をする。

・どんな集団においても判断の正確さにおいて全体を上回る個人が存在する可能性が高いことが集団の予想が正しくなりうる理由。(彼らはより真実に近い情報を持っている可能性がある)

・群衆の英知として、そのほかの質問で点数の高かったメンバーに重みづけをした上で、全体の予測を傾いている方向にスキューさせる。

・問題の解き方として、意見、反対意見、他者の意見、反対意見、それらを可能な限り取得する。また問題を分割し自分たちが分かる範囲に限定することにより正解を導けるように調整する。

・非決定論的であり、積極的柔軟性(意見とは死守すべきたからでなく、検証されるべき仮説)、思慮深い(内省的で自己を批判的に見ることができる)、能力は伸ばせると信じること、やり抜く力があること、が予測者として優れた結果を出すためには必要なことである。

・リーダーシップの屋台骨は、新たな決定が必要な状況とタイミングを的確に見極めることだ。

・我々は社員に何を成し遂げて欲しいかは伝えるが、どうやってその目標を達成すべきかは言わない。

・リーダーには確信と粘り強さが必要だ。周囲との一体感を得るために妥協してはならない。

・自分の正しさが証明されることを望んでいたが、それ以上に真実を求めていた。予測の評価に対してもそのような客観性が求められるのではないだろうか。

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