#151 売る力

セブンイレブンを今のセブンイレブンたらしめた鈴木さんの仕事を通して培ってきた芯に触れることができる本書。ぶれない視点の上にプラスで旬のものをのせていくことで新鮮さを常に顧客に届ける。また、これを実践するために常に受け取り側の期待を超えた努力をする。過去の成功体験に囚われずに変わらないために変わり続ける姿勢、そして真剣勝負で本気の人には必ずチャンスが回ってくるという言葉は胸に刺さる。

・今話題になっていることを「ネタ」にして、それを自分の「視点」を通して語っていく。秋元さんが作詞プロデュースした、川の流れのようにも、人生を川の流れに例える日本的な感性に、美空ひばりさんの激動の人生を取り組んだ歌。

・戦後経済が右肩上がりであった時には、売る力は必要ではなかったかもしれない。(砂糖を買えない原体験があったため、砂糖を買い込む方がいた)ものあまりの時代に、どのように売っていくかを考える必要が出てきた。

・二匹目のドジョウは追わない。プラス思考全盛期の時に、マイナス思考の屈原の一生に関して書いた本を出した時にバカうれしたのもその発想。

・AとA'は購入者側からすると同じものであることが多い。

・国内市場は飽和しているから、海外展開ではなくって、市場が変化している限り新たなニーズがあり、市場飽和はありえない。変化にいち早く対応していく枠組み、過去の成功を踏襲するのではなく、予定調和を崩していくことが大切。

・上質さと手軽さの間の空白地帯を見つけ、新しい価値を提供する。NBよりも安いPB商品ではなくて、より価格のするPB商品を作り、新しい価値を提供することを目指した。赤飯の蒸し器もゼロから導入して、コンビニでここまでやるのかという視点を提供してきた。他業界でこれを行っているのがユニクロ。

・儲かるいいことだとすぐにわかることだったら、とっくに別の誰かが思いついているはずです。あるいは、まだ誰も思いついていなかったとしても、すぐに「いい」とわかることだったら、みんながその事業に参入してきて。追いつかれてしまう。本当に新しい産業を生み出すイノベーターが出てきた場合、その人が始めようとしていることは、多くの人からすぐには「儲かるいいこと」だとまだ気づかれていないこと。

・目指すのもの実現する方法がなければ、自分たちで方法を考えて道を切り開いていく。必要な条件が揃っていなければ、その条件そのものを変えていく。反対された分、なんとしても実現しようとする当事者意識と信念が高まり、実現できた時には他にない新しい価値を生み出すことができるため、逆に成功も大きくなるのではないか。

・お客様のためには売り手の立場で考えた上でのこと、お客様の立場で考える時には、売り手としての立場を否定することも時には必要。旭山動物園の例においては、お客様が動物の普段の姿を見るためにはどのようにしたら良いかという点で発想をした。

・真の競争相手は変化する顧客ニーズである。潜在的なニーズに気づかせて行動を変えていくことも必要になってくる。

・何らかの働きかけが一定段階まで積み上がると突然ブレークする爆発点があります。セブン銀行のATMも、幻冬舎の試みの成功も、爆発てんはリスクの向こう側に向こう側にしかないという事を忘れてはいけない。

・ビジョンや進みたい方向がはっきりしていること。会社の芯や、進みたい方向がはっきりしていること。

・当たり前を続けて非凡化する。地道な努力を、ただし人並み以上に行うこと。幻冬舎の見城さんは、独立する前に、その出版社では書かないという作家にあえてお願いをしに行っていた。その人の作品を全て読んで。

・当たり前のことができるのはすごくレベルの高いこと。

・毎日が瀬戸際だと思い、目の前にある一段一段を、一歩踏み込みながら上がり続ける。それが人生だと思います。

・幸運は挑戦して努力するもののみに訪れる。

・ビジネスは、能力や努力だけでなく、運にも左右されます。その運は偶然の部分がかなりあります。しかし、過去の経験や既存の常識を超えた挑戦や努力をすることで、普通に行動していたら巡り会えないような幸運も引き寄せることができるのです。

・真剣勝負で本気の人には必ず、チャンスが巡ってきます。


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