#129 相場秘伝秘録を読む
酒田五法で知られる本間宗久翁の著した原文から現代に生きる投資哲学を読み取ろうとする一冊。酒田五法はそのままでは応用が利かないものが多いが、考え方やその哲学を知ることで応用されるパターンが非常に多く、シグナルとしても大変参考になる。ローソク足を作り上げたと言われる江戸が生んだ大天才、本間宗久翁の相場哲学から抜粋。わが身を顧みて、トレードに生かし、自分も相場に真剣に向き合い続け研究を積み重ねたい。
・徳川八代将軍の享保の改革で享保の大不況に陥った。上米の制、倹約令の撤廃などが代表的な政策。だが、その中でも動かせなかったのが米相場。
・米切手の転売、大阪堂島米会所の設立などを行ったために、米市場での商いが進んでいったのである。
・相場取引の成否は一つに相場を仕掛ける際の行動いかんによる。相場動向、利食いライン、損切りラインを事前に決めた上で売買に入る。
・いかなる相場局面になっても冷静に対処することを忘れない。
・相場の成功は、相場の天井、底値を見極めることにある。
・機を待つに、すなわち仁。相場の第一の秘訣はチャンス、商機の到来を待つこと。
・機に乗ずるに、すなわち勇。好機と判断した時には、猛々しく行動することが求められる。
・気を転ずるに、すなわち智。相場が天井圏に達したら早めに利確、逆も然り。
・いかなる相場局面でも決して買い急いだり、売り急いだりしないこと。
・方針を決めたら、それ通りに動くこと。ただし、独りよがりな方針を決めることがあってはならない。
・心に叶わざる相場の時は休むべし。
・天井を買わず、底を売らず。相場は陰陽の原理によって動いているということを忘れない。
・我強気の節は、人も強気と思ふべし。自分の心理状態に関しても相場の中でどのような位置付けにあるかを考えながら行動する。
・まふはまだなり、まだはまふなり、という事あり。
・ナンピン買いはしない。
・欲張らないで当初決めた利確ライン、損切りラインを守ること。
・相場は予測の限界という壁を超えて、自分のよみと判断に全てをかける行為。対処する際には常により大きな目、目先的な動きに惑わされないことが肝心。冷静になるためにも相場から一旦離れることが必要となることもある。
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