見出し画像

全10回の感想【サウンドハウス】依知川伸一さんの基礎から学ぶベースレッスン

プロベーシスト集団「地下室の会」副会長、依知川伸一さんのレッスン企画がサウンドハウスのYouTubeチャンネルで始まりました。
そのレッスン動画がアップされる度に、感想を書いていこうと思います。
※ヘッド画像はサウンドハウス公式サイトの企画ページから

第1回:どんなベースを選んだらいい?

いやぁ、ものすごーーーーーーく敷居が低くて驚きました~。
こんなにホッとするベース系動画ってあんまり無いんじゃないかなぁというぐらい。

これは「依知川さんが話したいこと」じゃなく「初心者が聞けること」を基準にしているからだと思います。
…って、いつものように勝手な感想ですよ~。

ベースって「奥が深い」とか「通っぽい」とか「変態」とか言われがちじゃないですか。
それはそれで、そういう愛され方というか、そういう視点で楽しめるから良いんですよ。

でも本当の初心者にとっては、ちょっと怖い()んですよね。
こんなにベースが大好きな私でも10年以上「ベースが好き」って公言できなかった理由もそこです。
ベーシストの皆さんの話って、めちゃめちゃ濃くて面白いんですけど、大好きなんですけど、やっぱり難しいんですよね。

「ジャズベって何ですか?」とか絶対訊けないというか。
いや、ベーシストの皆さんは親切だし丁寧に説明してくれる優しい人が多いのは分かってるんですよ。
でも「きっと説明してもらっても私には分からないから申し訳ないなぁ」って尻込みしちゃう。

だから依知川さんのレッスン動画の敷居の低さに驚いたんです。
逆に経験者の皆さんにとっては基礎すぎてつまらないかもしれないんですが、講師側としてすごく勉強になる気がします。
小さい子にしゃがんで目線を合わせて話を聞く…みたいな。
プレベとジャズベを弾いて「差が分かりましたでしょうか?」からの「分かんないよねぇ!」とか最高です。
そこから「中音域が」とか言い出さないところが素晴らしい。
これぐらいの方が、未経験者の人は怖くない(笑)んです。

ベース好き目線としては、プレベとジャズベの音色がほとんど変わらないところに食いつきました。
2:43~のプレベと4:00~のジャズベを交互に10回は聴きました(照れ)
もちろん音は違うんですけど、どっちもすごくラウンド弦の風味が強いというか(弦の種類には言及してないので私が勝手に言ってるだけですよ~)。
だからか、どっちもジャズベっぽいんです。
ブラインドで「プレベとジャズベを聴き比べましょう」ってクイズを出されたら「…実は引っかけ問題でどっちもジャズベ!」って答えそうなぐらい。
これは依知川さんの右手の指の形状とか肉質なのかなぁ…
それとも弾きながら無意識のうちにタッチで音色を揃えてるのかなぁ…

と、ニッチな目線でもとても楽しめました。
まだ見てない人がいたら「基礎はいらなーい」と思わず、ぜひ色んな視点で見てほしいです。

第2回:地球のかたちでベースを弾く!

前回の感想でも書いた通り、今回も敷居が低かったですね~。
どんな初心者でも安心して聴ける。
これは話の内容だけでなく、依知川さんの雰囲気もあると思います。
ファッション用語でいうところの「カジュアルダウン」みたいな。
かしこまってないというか。

またいつもように勝手に言いますけど、ざっくりした進行表だけあって台本がない感じ。
ユーチューバーの皆さんは「見ている人を離さないように飽きさせないように」ってガッツリ編集して間を埋めるんですが、そのあたりもユルくて。
それも安心材料になっている気がします。

で、前回の感想に「未経験者の人にはちょうど良いけど、経験者にとっては基礎すぎてつまらないかも」って書いたんですね。
前言撤回します。
いや~、めちゃめちゃ面白いんですけど(と経験者でもないのに言う)。

ちゃんと褒め言葉として伝わるかどうかアレなんですが、依知川さんが「何も知らない子をベース沼にハメるために、笑顔で手招きしてる感」みたいな。
こんな書き方しちゃうと、ブラック企業の入社説明担当者みたいに聞こえちゃいますけど…褒めてます。
その感じが、沼にどっぷりハマってる側から見るとすごく面白くて~!

例えば、アンプの設定。
意外と簡単な説明って少ない気がします。
初心者がスタジオへ行って「どこに挿すのか分からなかった」とか「それどころかどれがベースのアンプか分からなかった」とか、まぁまぁ聞く話ですよね。
なのにアンプのサイトや動画だと、急に利き酒ならぬ利きアンプみたいなハイレベルな内容になったりして。
だから依知川さんの「ぜんぶ12時の方向で良い音が鳴るようになってる」という説明はすごく親切だと思いました。

そしてそこから「僕は40歳近くでやっと自分の音が見つかった」「ベースの音はアンサンブルの中でこそ評価される」と、沼の深さをチラ見せする面白さ

その後も「手の形は地球」っていう小学校1年生が鉛筆を持つ時みたいな説明かーらーの、「鳴らしていない弦をミュート」「休符を弾く」っていう奥深いテーマへの緩急。

そこにあるベース沼の深さをサラッと語りつつ、初心者にも分かりやすく優しく具体的な説明をするという。
いやぁ~、ものすごく面白かったです。
ずっとニヤニヤしてました。

ベース始めるという人は、このシリーズを見てほしいなぁ。
動画はずっと残るので、末永く役に立つと思いました。

第3回:チューニングについて

動画を観る前に、今回のテーマが「チューニング」だと聞いてちょっとビックリしました。
いや、だってそんなの「チューニングメーターに合わせましょう」で済む話なんじゃないの?と思いまして。
(ちなみに私はボーカルで楽器は何ひとつ弾けません)

で、動画を見ました。
しかも面白くて2回も見ました。

ごめんなさい!
私が浅はかでした!
チューニングという「チューニングメーターに合わせましょう」で済むと思われがちなテーマに1話分を使う意味、ありました。
「ゲイリーウィリス ベースを愛する101の方法」の2個目が「アイコンタクト」というテーマだったことを思い出しました(余談すぎる…)

これはチューニングの方法を説明する動画じゃないです。
いや、それもちゃんと説明されてるんですけど。
この動画の本当のテーマ、それは依知川さんのFacebook投稿のコメント欄の返信に書かれてありました。

全員が“自分以外の人”に合わせる、というのが理想のように思います」

…そうなんですよね。
チューニングメーターが正解か、楽譜に書かれてある構成が正解か、リハでやったことが正解か。
じゃなくて、全員が自分以外の人に合わせるという「優しい音楽愛」みたいなものがボンヤリと正解なんじゃないかなぁと。

私がステージで構成をトチった時、メンバーがそれを察してサッと合わせてくれたり。
私が歌詞を間違った時、コーラスがそれを察してフワッとさせてくれたり。
まぁ私が間違えるなって話なんですけども(はい)

でもなんか「全員が決められた通りにやらないと斬る」みたいな殺伐とした感じより「もちろん責任感は持ってでも補い合おう」みたいな方が長くやれそうじゃないですか。
まぁ私が間違えるなって話なんですけども(はい)

日常生活でもそうですよね。
「これが正しい」という持論をバーンともって断罪するより、この人にも何か事情があったのかもなーって許す余白がある方が長生きできそうみたいな。

話をチューニングに戻して。
厳密に言えば、何でしたっけアレ…指板のR?に合わせて?フレットもグニャッってなってる、超厳密にチューニングできるベース(伝われ)
それみたいに、正解を突き詰めていけばキリがないと思うんです。
弾いてる最中にもチューニングは狂ってくるらしいし。

今回の動画は、チューニングの方法や歴史を知りたい人のためだけでなく、長く音楽を続けていくための入り口としてとても大切なお話だなぁと思いました。

最後にアレですけど、依知川さんの左手小指の強さがカッコいいなぁと惚れ惚れしました(照れ)

第4回:指板の上の宇宙

今回もめちゃめちゃ面白かったです~!
そして、今までの中で第4回が一番勉強になりました。

27歳からベースラインを追い続けて18年、やっと「どの弦のどのフレットが何の音階」みたいなのが分かりました。
あの「ドットが二つあるところは開放弦のオクターブ上」っていうのも。
他にも、E弦開放のオクターブ上のEと同じ音程は3個あるとか。
タブ譜ってそういう意味なんだーとか。

こんなにベース好きな私がそんなことも知らないのかと意外に思われるかもしれませんが、私は一貫して「聴くのが好き」なだけなんですね。
弾くことには全く興味がなくて。
でも、そんな私でも依知川さんの説明はすご~く分かりやすかったです。

「指板のどこを押さえたらどの音階」というのはググればすぐ出てくるじゃないですか。
動画より図解の方が分かりやすいし、見ながら弾きやすいし。
でも、依知川さんの説明のおかげで、覚え方というか考え方が学べる
ロー側とハイ側に分けて「まず大きな枠で調べるとその間の音が分かりやすい」とか。
丸暗記じゃなく考え方を教えてくれるのが、この講座の良さだなぁと感じました。

そして、何といっても「黄金の時間」ですよね。

私は以前からずーっと「悩める&迷えるベーシストが好き」と書き続けているんですが、その趣向を肯定してもらったような気分になりました(違う)。
あまりにもリンクしているので「濃厚版・こんなベーシストが好きだ 」の記事から引用。

こんな感じで、ベーシストの両手が見たいという気持ちは私にとって当然で自然なんです。
だから、ベーシストの回顧録とかにある「昔はYouTubeもなかったからどうやって弾いてるのか知りたくて、やっと友達からビデオテープを借りて手元が観られた時は感動したよ」みたいなエピソードが大好きなんです。
そうであってほしい…というと何様って感じですけど🙈

ベーシストがベースへの探求心を持ってる姿が嬉しいんでしょうね。
キャリアを重ねる中で「オレはこう。」とか「難しく考えなくても楽しければ良くない?笑」みたいな余裕が出てくるのもきっとカッコいいと思うんですけど。
私の好みとしては、いつまでも悩んだり迷ったりしていてほしいなぁという…文字にするとどうしても変態みが出てしまんですけどね(照れ)

第5回:リズムは体の中にある!

今回のレッスンもすごかったですねぇ。
基礎を学ぶ感じでサラッと聞くこともできるし、奥深いベース談義だと思って聴くこともできる。
こっち側が試されてる感あります。

私はもちろん(?)後者なので、ものすごく楽しかったです。
そして、依知川さんのようなリズムの考え方をするベーシストが好みなんですよ~。

もう10年ぐらい前だと思うんですけど。
とある有名ベーシストの演奏をそんなに好きになれないのはなぜろう?と思って、その人の音源を巡ったことがあったんですね。
で、フワッとしたイメージですけど「ポジティブだなぁ」と感じたんです。
曲調じゃなくて、ベースラインに「俺はこう☆」っていう明るい芯があるというか。

もちろんそれはそれで良いし、だからこそ人気があるんだと思うんですよ。
けして前に出るわけじゃないけど、こう…バンドを背中でまとめるっていうか。
父性?っていうのかなぁ。
ボーカルをリスペクトしつつ、バンドの中では一番前というか。

で、数年前にその人の奏法解説動画を見たら「相手に合わせない。自分のリズムを貫く」みたいなことを仰っていて、おぉ~やっぱりそうなのか…と。
もっちろん、それはそれで素敵なんですよ~。

でも私は「周りの音を聴いてどこに音を置くか迷いつつも止まれない」みたいなベースの重責感が好きなので、今回の依知川さんのお話はとても嬉しかったです。
「クリック練習して自分の拍を作ろう!」みたいなスパッとした教え方の方がスタンダードな気もするんですけどね。
そこを、あえて歩調とか鼓動とからめて話す依知川さんの教え方がイイなぁと思いました。

第6回:100点の世界

まずは前半。

いやぁ…嬉しい。
だってベーシスト自らこんなことを言ってくださったんですよ?

・ベースは聴こえづらい
・単体だともちろん聴こえますがみんなで音を出すと『何弾いてんの?』となる…けどそれは当然
・最初からベースの音が聴こえる人は特別
・スマホのスピーカーではどうしても聴こえません
・ヘッドホンやイヤホンをして聴いてほしいんですね

えっ普通では?と思うかもしれないんですけどね、違うんですよ…。
ミュージシャンや音楽好きって「ベースは聴こえて当然」みたいな前提で話す人も多いんです。
なんていうんでしょう…特に一般の人に多い印象(私の偏見)なんですが「ギターとベースの音の違いが分からない?うそでしょ?ベースなんて普通に聴こえるじゃんwww」とか「いやいやいやスマホでも聴こえるってwww」みたいな…マウンティングをされちゃったりするんです。
私も言われたことがありますし、私のお友達でも言われて凹んでいた人もいます。

だからベーシストが、しかもプロのベーシストが「最初はベースが聴こえづらくて当然」「スマホでは聴こえない」と言ってくださることが尊いんです~!
依知川さんありがとうございます!

耳コピのやりかた(バスドラの左右を探す・ベースラインを歌う)もプレイヤーに向けた方法で的確だなぁと思いました。

そして後半。

完コピするのが100点っていうわけじゃないという説明が良かったですね~!
まずは原曲(とする)ちょっと細かいフレーズ、それから8分音符のルート、4分、2分、みたいな(みたいな!)
どれでも「カッコよければ100点」っていう、この「カッコよければ」というところが最高でした。

そうなんですよね~。
本当にそうなんですよね。
実際、依知川さんが弾き比べた中なら私は最後の2分音符のが一番好みでしたもん。

その少し前ですが「このフレーズのために曲があるわけじゃない」というのもグッときました。
私はボーカルですけど根っこは同じで、曲の良さを伝えたいと思って歌っているんですよね。
言うのも恥ずかしいんですけど、けして声量や技術で自分が褒められたいという理由じゃなくて。
もちろん完コピする面白さや、完コピだからこそ分かる人同士でニヤッとできる瞬間とかもあるので否定するわけじゃなくて。
そうじゃなくて「カッコ良ければ100点」というのが素敵だなぁと思いました。

第7回:弦を交換してみよう!

今回は「依知川さんが弦を交換する手順」が全て見られるという神回でしたね。
ここ数年、動画&配信時代になったおかげでプロベーシストの弦交換が見られる機会も増えましたけど、それまでは無かったんじゃないかなぁ?…と。
良い時代になりましたね(ほくほく)

まず、あのマッチングヘッドのジャズベースが初登場!
途中で依知川さんが「弦交換はベースの定期健診」と仰っていましたが、ちゃんと愛機で弦交換を見せてくれるということがまず嬉しかったです。

そして今回のメインテーマは弦交換の手順と注意点を学ぶこと…なんですが、その後まで言及される依知川さん…流石!
動画&配信時代になって弦交換を見られる機会は増えても「使い終わった弦をどうするか」こんなにちゃんと説明してくれる人はいないんじゃないでしょうか。
私は依知川さんのエッセイを読んでいたので知っていましたが、これからベーシストを目指す人にとって大切な話だなぁと思いました。

このエッセイを読んだ時にも感じたことですけど、使い終わった弦をどうするかという方法だけじゃなくて「備える」とか「助ける」という考え方そのものが良いなぁと。
偉そうな書き方に思えちゃうかもしれないんですが、なんかこの部分だけで「いいベース弾きそう感」があるというか。
備えて助ける…というアンサンブルとしての立ち位置まで感じられるお話で、とても素敵でした。

要望としては、弦を変える前と変えた後の比較動画があったら「ブライトになった」が分かりやすかったかなぁと。
でも実際に交換すればすぐ感じることなので、これは私の個人的なアレなんですけどね。

第8回:ピッキングのベクトル

いやぁ~、今回も面白かったです!
まず「基礎から学ぶベースレッスン」なのに、縦振動とか指の接地面積の話が聞けるとは…!

いや…どうなんだろう…普通のベースレッスンでも初っ端からこのレベルのことを伝えたりするんでしょうか。
ベーシストじゃないから本当に分からないんですけど、依知川さんのこの「初心者でも基礎でもハードルを下げない」感じがすごく好きです!
(依知川さんてきにはハードルを下げているのかもしれませんが…)

しっかり書くと「敷居は下げてハードルは下げない」みたいな。
語り口は優しいのに内容が深くて、依知川さんの表情も柔和だけど目の奥が笑ってなくて、それがすごくイイなぁと思いました。
いつだったかエッセイで「僕はレッスンをしているけど『教える』という言葉に違和感がある(おこがましい)」みたいなことを書かれていたんですね。
それを読んだ時に感じた、なんていうか…こう「本当の意味で音楽に対して謙虚だからこそ、自分にも相手にも厳しくなる」みたいな雰囲気を、この動画シリーズでも感じるというか。
あ、この「厳しい」っていうのは怖いとかじゃなくて「真剣」っていう方向です。

改めてすごく良い企画だなぁと。
まだあと2本残っているのに気が早いんですけど、ぜひまた第二弾もやってほしいなぁと思いました🙏

で、今回の動画で特に特に好きな部分。
それは…
スラップを紹介しつつ「僕はやらないので割愛します」と仰ったところ!

これに関して、これ以上私が言及すると無粋なので置いておきますが、ちょっとぜんぜん別の話を聞いてもらっていいですか?(書きます)
私はダイエット本を出版しているんですね。
「体重はカロリー収支でコントロールできる」という内容なんです。
その中で糖質制限や筋トレにも触れているのですが「それは私の分野じゃないので書きません」としています。
これは「住み分け」というか「違う流派への誠意&敬意」というか。
自分と違うものを否定せず、淡々と自分のスタンスだけを語るのが好きなんです。

話を依知川さんの動画に戻して…。
今回も本当に面白かったです。
残り2本も楽しみです~!

第9回:ベースを弾きながら歌う

今回はベーシストの皆さんに向けた内容でしたね(今までもそやで)
というわけで私の感想はそんなにないんですが、好きなポイントを2つだけ書かせてください。

まず、私は「こんなベーシストが好きだ」というコラムでこんなことを書いているんです。

ベーシストじゃないから分からないんですけど、歌いながらベース弾くのってけっこう無茶じゃないですか?
なんていうかこう…弾かないから想像なんですけど、逆に弾きながら歌いやすそうな例として。
槇原敬之さんの歌みたいなハキハキした譜割り(四分音符と八分音符の分かりやすい感じ)とか。
ハードロックでずっとシャウト(八分音符の連続みたいな)とか。
そういう歌で、ベースラインもルート?で同じリズムとかだったら慣れたらできそうかなぁって思うんです。
想像ですけど。

これって依知川さんの「拍子を取るように」の内容と似てません?
ベーシストじゃない私がちょっと当たってたというか分かってたところが嬉しかったです。

そしてもう一つは5:16の部分!
シンコペーションのあるベースライン説明で、依知川さんが「歌のラインとベースラインを同時に進行させなければならない」と話すシーン。
この「同時に」のところで、依知川さんがご自分の頭を指さしたんですよ。

そして再び私が書いたコラムからの引用を見てやってください。

でも、基本は無茶っていうか、ボーカルも単音でベースも単音だから脳が忙しすぎるんじゃないかなぁと。
これまたギターも鍵盤も弾けないのに書いちゃうんですけど。
ギターでいえばソロ弾きながら歌うとか、鍵盤でいえば左手だけで歌うとか、それはやっぱり難しいと思うんですよね。

依知川さんが頭を指さしたことと、私が「脳が忙しすぎる」という表現を使ったこと。
なんかこれも、ベーシストじゃない私がちょっと当てられたような気がして嬉しかったという…。

私はこんな感想ですけど、ベースを弾きながら歌うための方法が難易度別に説明されていて、ベーシストの皆さんにはとても役立つレッスンだと思います。
まだ見てない人はぜひ。

最終回:基礎とは?

ベースは(オープニング以外)弾いてなくて、技術ではなく姿勢を伝えるという最終回にふさわしい内容でした!

「基礎」とは物事を始めるときだけでなく、ベースを持つとき常に基礎がある
30年、40年、弾いている人でもそう。

アンサンブルとは。
誰を輝かせるのか考えながら弾く
チャックレイニーのプレイを見た時の音量の話。

などなど。
これはあえて不十分な抜粋にしていますので、ぜひ依知川さんの声と表情で聴いてほしいと思います。

そして最後の「良い音=f/1ゆらぎ」のところ…最高でした!
最初はどういうことかピンとこないまま聴いていたんですが「不安定な部分も含む安定感」のところで我が意を得たり…と。

それ!それです!
今まで右手の指と弦の揺れを凝視したり、アタック音と持続音の割合を聴いたりして、ずっと「いい音」の言語化に挑んできました。
この「不安定な部分も含む安定感(f/1ゆらぎ)」というのが、まさにその答えのような気がします。
まだまだ自分でも言葉を探し続けますが、良い表現をありがとうございます!

最後の「それが、ある種のベーシストの理想ではないでしょうか」の「ある種の」も好きです。
みんな違ってみんな良い…という感じで。

サウンドハウスさん、依知川さん、良い企画をありがとうございました。
第二弾も期待しています!
おつかれさまでした!

というわけで、皆さんもぜひチャンネル登録を~!

【自分の宣伝1】流しのベース談義というイベントを月1回やります

【自分の宣伝2】ベースの音が聴こえるようになる方法という動画を作っています

記:2021年5月22日(追記:2022年2月20日)※地下2会からの転載

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?