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【Bass】2020年版・濃厚版・こんなベーシストが好きだ

2018年7月に「こんなベーシストが好きだ」という記事を書きました。
今回はそれを深く深く深海レベルに掘り下げた記事です。
覚悟してご覧ください。

1.ベース一筋

まずは2018年に書いたままの形。

幼少からピアノを習い、中学生で結成したバンドではキーボードとボーカルを担当、高校では独学でエレキギターをマスターし、大学のサークルでベースまで弾けるようになって、あれよあれよでプロベーシストになっちゃた☆
…という器用なタイプではないベーシストが好きです。

そうですね、2年前から好みは変わってないですね。
十数年ずっとベースしか聴かない中で培われた価値観ですから、そうそう変わらないんだなぁと思いました。

掘り下げますと「ベース脳でフレーズを考えるベーシストが好き」みたいな感じです。
ベース脳ってなんだよ()って書きながら私も思うんですが。
なんていうんでしょう…他の楽器とか作曲とかできちゃうとそのスキルが生かされちゃうんじゃないかなぁと。

ほんとイメージなんですけど、和音を多用しそうとか、7弦ベース使いそうとか、オシャレで音数の多いフレーズ好きそう…みたいな。
い…イメージですよ?
「そういうのがキライ」じゃなくて「ベースらしいベースが好き」ってことが伝えたいんですよ?

とか書いてますけど、好きなベーシストの楽器歴をぜんぶ知ってるわけじゃないですし、他の楽器のスキルがあってもベースらしいベースを弾く人はいると思いますし。
私の好みを少ない言葉数で表現したら「ベース一筋」になったという感じで、なにとぞよろしくお願いいたします。

画像1

画像はジミージョンソンのアレンビック。
2019年12月に東京ブルーノートで撮りました。
演奏はもちろん、猫背が定着したフォームが「ベース一筋」感あってカッコ良かったです(楽器歴知らないけど🙈)

2.動かない

まずは2018年に書いたままの形。

ローリングストーンズのベーシストを知ってますか。
そうですか、知ってますか。
私は洋楽オンチがひどくて、彼の名前とか演奏内容については全く覚えていないのです。
ただ、初めて見た時の映像は脳裏に焼き付いています。
周りがどんなに熱気ムンムンで盛り上がっていようが、我関せず黙々とベースを弾き続けている姿。
まぁ、あそこまで変態じゃなくていいんですけど(言い方)あまり動き回ったりせずアンプの近くに留まっていてほしいなと。

これを掘り下げますね。
「動かないベーシストが好き」だと言葉が足りないんです。
「アンプの近くに留まっているベーシストが好き」でもまだ足りない。
なるべく正しく表現すると「アンプの近くに留まっていたいと思ってるベーシストが好き」なんですね~。

やっぱりベーシストにはアンプ背負っていてほしいじゃないですか。
できれば胸ぐらいの高さがある大きめのベースアンプで。
写真にはベーシストとベースとベースアンプの三点セットで写っていてほしいじゃないですか。
(いつものように主観でお送りしていますよー)

ギターやボーカルは飛び出してっていいし、ドラムは飛び出しようがない。
でも飛び出そうと思えば飛び出せるベーシストが自らの好みでベースアンプの傍に留まってるのってイイなぁと思うんです。

まずはケーブル。
ワイヤレス装置もメーカーさんの企業努力で音が劣化しないようになってると思うんですよ。
少なくとも普通の人()が感じる範囲では。
それなのにケーブルを使うことは前提として、モガミは…、ベルゼンが…、ダイヤモンド…と、メーカーにまでこだわるところが好き。
なんなら「5メートルより3メートルの方が音はいいけど3メートルだとさすがに動けない…から動かない」みたいな、どうかしちゃった着地点も好き。

そしてやっぱりベースアンプ。
ベースアンプって特別じゃないですか。
他のスピーカーと違って、ベースの音しか出ていないという…何だろう…誤解を恐れずに例えると空気清浄機みたいな
だからベースアンプの結界?に護られる?辺りに留まっていたいと思ってくれているベーシストが好き…みたいな。

3.笑わない

まずは2018年に書いたままの形。

「あれ?もしかして楽しくないのかな?」と気になるか気にならないかぐらいの無表情で演奏してて、ドラマーとアイコンタクトした時にほほえんでくれたら「良かった~楽しいんだ!」とズキューンです。

これはだいぶ普通の人()に寄せた書き方になってますね…
なんせ私はベーシストの顔を見ない(両手を見るのに必死で顔を見る時間がない)ので。

でも全くのウソというわけじゃないんです。
譜面台や他のメンバー(主にキーボード)で手元が隠れちゃってる時とか、手元がフレームアウトしてる時とか、手元に動きが少ない時(ピックで8分でオルタネイト等)とか、顔を見ることもあるんです。

記憶でも「ジェリージェモットが吹き出すのをこらえながら弾いてたなぁ」とか「トニーレヴィンが照れてたなぁ」とかベーシストの表情が思い出せる動画もありますし。
あっ、ジェリージェモットの動画はドラマーが座布団ぜんぶ持って行くほっこり映像なので、お時間ある人はぜひ。

掘り下げますと。

私はベーシストじゃないから本当に勝手な想像なんですけど、笑ってる時ってベースライン以外に意識がいってそうというか。
書き方がアレかもしれないんですけど、笑っていても弾けるぐらい弾き慣れてるラインだったり?
なんかそういう余裕を感じるんですね。

そういう余裕のカッコ良さもあるんですけど、私の好みてきにはもうちょっと悩んだり迷ったりしてほしいというか。
もうちょっとネガティブであってほしいというか。
バンドの中でのベースの位置を探っていてほしいというか。

で、周りの音を聴きながらどこに音を落とそうか探りながら弾いてる時って笑わないんじゃないかなぁと。
ほんともう勝手なイメージですし表現もアレなんですけど…
その…

奥歯にはさまったほうれん草を舌で探してる時の表情
になるんじゃないかと。

と…というわけで、笑わないベーシストが好きって話でした。

でも、でもね。
笑ったらイヤってことじゃないんですよ?
ニコニコしてなくてもベースラインで楽しませてもらってます」ってことを伝えたいんです…!

10個ぜんぶそうなんですが「こうじゃないからキライ」なんてことはなくって、ベースに音色を与えてくれるベーシストの皆さんは天使ですから。
笑ってる時も無表情の時もステキですから。
温かい目と広い心でどうかひとつ…🙏

4.客席とかカメラを見ない

まずは2018年に書いたままの形。

楽譜、なければ指板、どちらかを見ておいていただけると、シャイな感じがしてとても好きです。
フロントはニコニコしながらお客さんやカメラにアピールしますけど、ベーシストはそういうの苦手であれ!って思ってます。
で、コーラスの時は前を向かざるを得ないので、死んだ魚のような目で「いんさいあうさいゆーえっせー(棒)」みたいに、仕方なくコーラスしてます感を出してもらえると萌え萌えです。

そうですね、これは概ねこのままです。
でも掘り下げようと思えばいくらでも…🙈

まず、表現に難はありますがコーラスの時の「死んだ魚のような目」感はけっこう大事なポイントなんです。
前回の「奥歯にはさまったほうれん草を舌で探す時の表情」と近いニュアンスだと思ってもらえれば。
また9個目の「歌がそんなにうまくない(ヘタでもない)」で語りますが、ベースを弾きながら歌うってだいぶ無茶というか。

だからギタリストは、ボーカルと同じマイクでハモるパフォーマンス(伝わりますよね?)でワイワイしててもいいんです。
でもベーシストは「できればベースに集中したいです感」が出てたら嬉しいなぁ~と。

で、譜面台なんですが。
ベーシストの手元を凝視する私にとって譜面台はジャマな存在ですが「譜面台は無い方が良い」と書いたことは一度もないんですね。
譜面台ありきで「なるべく下げて地面と平行に倒して手元を見せてください」みたいに書いているんですよ。

これはですね…あの…誤解なく伝わるか不安なんですけど…「サポート感」?「お仕事感」?そういうのが出るから譜面台はある方が嬉しいっていう。
たぶん私が十数年間ベースだけを聴く中で、結果的にスタジオミュージシャンやサポートメンバーとして活動するベーシストを好きになることが多かった…という流れからの好みなのではと。

余談なんですけど。
MCで振られないように、とっくに終わったチューニングを続けてたりアンプのつまみを調整したりして、ワサワサしてるのも好きです…

5.ストラップは短め

2018年に書いたままの形から。

腕の限界までベースを下げてビビンバ!ビビンバ!ってスラップしている人がいてもいいんですけど、私の好みは「ちょい高め」です。
これを分析するとですね、見栄えよりも演奏を取るという、なんていうかベースへの忠誠心みたいなものを感じているのではないかと。

これはだいぶ普通の人()への配慮を怠ってますね…。
ストラップが短いことを「ベースへの忠誠心」って、これスッと理解できる人いたら心の友レベルの変態ですよ…。

ちゃんと説明しますと、ベースもギターも低めに持つ方がカッコいいじゃないですか。
調査したわけじゃないですけど、見た目だけの話として考えたらほぼ全員が「低めの方がカッコいい」って答えると思うんですね。
(田端義夫さんをディスってるわけじゃないですよ)

でも、私はベース弾かないから分からないですけど、弾きやすさでいえば「ちょい高め」なんじゃないかなぁって思うんです。
奏法によっても違うかと思うんですが、それでも低くない方が弾きやすいんじゃないかと。

そこで「どんなに弾きにくくても見栄えを優先する!」ってストラップの限界まで下げる美学もカッコいいんです。
あきらかにあきらさんがベースマガジンのインタビューで「右肩ストラップをするためにポジション考えてる(記憶のみの意訳)」みたいに話していて、それはそれですごい美学だなぁと思いましたし。

ただ、私の好みてきには見栄えよりも弾きやすさを優先してほしいというか、何よりもベースがイチバンであってほしいというか。
それを「ベースへの忠誠心」と表現したわけです。

話は変わってそうで変わってないんですが、私はベーシストの衣装を全く見てないんですね。
普通の人()に「〇〇さんが△△に出た時の衣装カッコ良かったね」と言われて「イントロのダブルストップは思い出せるけど衣装は覚えてない」と答えたことがあるぐらいです。
そんな私でもひとつだけベーシストの衣装にこだわりがありまして。
長袖の場合は、右手を腕まくりしてくれると嬉しいんです。
ジャケットでも。
これもストラップと同じで、見栄えより弾きやすさをとるというベースへの忠誠心を感じて嬉しいという。

最後に、私が見た中でいちばんストラップが短いこの人を紹介して終わりにします。

画像2

ここまで短くなくていいんですが、なぜこんなことになってるのか訊いてみたい…!
Sadeというグループの「Smooth Operator」という曲のMV
画像はライブ版からのスクショ。

6.スラップしない

2018年に書いたままの形から。

してもいいんですけど、「我(が)!」って感じがして、私は…あんまり…。
これについては後ほど(8個目で)また。

スラップの印象は、これを書いた2年前と今で大きく変わりました。
ちゃんと色々聴いたうえで苦手だと思ってたつもりだったんですけど、やっぱり食わず嫌いだったんだなぁと。
その…動画を見ていてスラップになったら飛ばしてたんですよね…🙈
いやぁ~もったいないことをしてましたね。

今でも「好き!」ってわけじゃないんですけど(違うんかーい)、苦手意識はなくなりましたし、スラップの違いを聴くのが楽しみになりました。
スラップの何が苦手だったかというと、打楽器(パーカッション)みたいで耳からベースがいなくなるところ。
でもそういうスラップばかりじゃないんだなぁと。
トビウオみたいに軽快なスラップもあれば、クジラみたいに重くて深いスラップもあって、どっちにも活躍の場があるというか。

急に動画を紹介するんですけど、「The Recording」っていう90年代のスタジオライブに密着した番組があったんです。
私はもちろん高水健司さんに注耳&注目してまして。
そしたら、スラップの鳴らし方が曲の序盤と後半で違ったりするんですね。
こう…最初の方は粘り気がある感じで、曲が進むにつれて躍動感が出てくるというか、そういう変化がすごく面白くて見入っちゃいました。

スラップから話はそれますが、高水さんがスタジオで弦を交換してたり。
高水さんがEPOさんに「綺麗だった」って抜け駆けしてポンタさんが「お前サイテーだなwww」って悔しがるところとか(私の勝手な解釈)ずっとニヤニヤできますので超オススメ動画です。

でも、あの…ここまで書いておいてアレなんですけど、それでもやっぱりスラップもいいけどピックもいいけど普通の指弾きが好きだなぁとは思うんです。
そんなに好きな方じゃなかったマーカスミラーが(過去形です)エリッククラプトンとか大御所と共演するライブで指弾きしてるのを聴いて「えっ…めっちゃ好き!」ってなりましたし。

でもでも、スラップの苦手意識がなくなって奏法のひとつとして聴けるようになって良かったなぁと思います。

7.グリスは適材適所に

2018年に書いたままの形から。

グリスってかっこいいじゃないですか。
ちょうど昨日、楽器屋へ行ったんですけど、高校生ぐらいかなぁ…男子が二人ベースを試奏してたんですね。
で、店員さんがいる時は普通に弾いてたんですけど、いなくなるのを待ってからブ~ンってグリスして「かっけーーーwww」とテンションアゲアゲで何回もやってたんですね。
可愛いのなんのって!
というように、グリスって分かりやすくカッコイイと思うんですけど、だからこそインフレ起こしがちっていうか。
適材適所ぐらいにしてもらえると、好きです。

ただ、グリスの多用で感動した曲がありまして。
私が勝手に言ってるだけなので解釈違うかもしれないんですが、山口百恵さんの「プレイバックPart2」ってたぶんすごくグリスが多いんです(主観)。
あれが、車のアクセルとか急ハンドルとかブレーキの荒っぽい運転を表現してるんじゃないかと気づいた(主観)時には「はぁぁぁぁ!」ってなりましたね。

これは完成度が高いというか、きちんと掘り下げてますね。
ベースを聴いてベース以上の何かを勝手に受け取るという、私らしい文章になってると思います。

あ、ベースに詳しくない私がもっと詳しくない人にも分かるようにたどたどしく説明すると、グリスとかスライドというのは左手をすべらせて弾く奏法です。
ブーンとかトゥーンとか鳴るアレ。
グリスは始点と終点が決まってなくて、スライドは決まってる…みたいな。

で、こんな風にベースラインにハッとさせられた時、必ず誰が弾いてるかを調べるわけです。
Wikipediaで分からなかったらDiscogsという流れで。
でも70年代はクレジットが甘くて、ベーシストが誰か分からないことも多いんですね。
この「プレイバックPart2」もそうなんです。
どなただろう…とここに書いておけば何らかの情報が…?(どきどき)

【追記】2021年5月3日
情報提供があり岡沢章さんだと判明しました。
※ベースマガジン2018年9月号「低音名人」より

ついでに、私が1年前から探してるベーシストがいるので聞いてもらえますか…!
「白い巨塔」ってテレビドラマありますよね?
その78年(田宮二郎さんが主役)の劇伴ベーシストを探しているんです。

検索は得意なので全力を尽くしましたが、渡辺岳夫さん作曲という情報ぐらいしかなく。
Facebookのベーシストが集まるコミュニティで質問したりもしましたが、有力情報はなく。
劇伴に出てくるダブルストップが、岩崎宏美さんの「万華鏡」の歌い出し部分に似てるから…とそっちを探すもクレジットなし。
(2020年追記:杉本和弥さんに似ている気もするけど有力情報なし)
もうこうなったら探偵ナイトスクープに依頼するかという段階です。

【追記】2021年5月3日
本当に依頼しちゃいまして、ディレクターから電話もかかってきたんですが実現には至らず~。

…めちゃめちゃ話がそれましたけど、私がベースラインを好きになって、弾いてる人を探して、そのベーシストの他の音源を巡るという経緯が伝わったんじゃないでしょうか。
(白い巨塔のベーシスト情報は本気でお待ちしています🙏なにとぞ)

8.職人感がある

2018年に書いたままの形から。

ここまで書いてきたこと…例えば、スラップとかステージ上の動きを「しない!」というのはこれまた違って、「仕事ならやる」ぐらいが好きなんです。
絶対伝わらないと思うんですけど、クリスマス時期の箱バンってサンタ帽かぶらされるじゃないですか。
あれを拒否するんじゃなくて「仕事だから」って無造作に頭に乗っけてるミュージシャンに萌えるみたいな。(ほら伝わらない)

伝わるほうで書きますね。(最初からそうすれば…)
夫がテレビをザッピングしてて、NHKのど自慢大会になると手を止めることに気づいたんです。
理由を訊いたら、「こういうテレビ局所属のベーシストが一番の憧れ」みたいに言ってまして。
で、演奏を聴いたら…確かに!と。
滅私奉公まで言ったらアレですけど、注文されたら演歌でもハードロックでもスラップでも何でも求められるテイストで弾けるみたいな。

これもなかなか深く書けてるなぁと。
「無造作に乗せられた箱バンのサンタ帽」とかめっちゃ伝わります…まぁ書いた本人ですから当然というか…。

不思議なのは、国や世代やジャンルなどバッラバラに聴いていても「音源のベースラインにハッとさせられて調べたらスタジオ(セッション)ベーシストだった率」の高さ
十数年前から名前を覚えた数少ないベーシスト御三方…ボブバビット、チャックレイニー、リーランドスカラーもそうですし。

ここ1~2年に限定してもそうです。
音源というか映像作品ですけど、エルヴィスオンステージのDVDを聴いてジェリーシェフを好きになったり。

ちなみにエルヴィスは、オールディーズを好きになった二十代前半からよく聴いていたんですね。
ベースが聴こえるようになった27歳以降でも。
だけど、エルヴィスに耳を取られてベース聴けないパターン。
ベースだけに注耳しないとベースラインを追えないという不器用な耳なので、ボーカルが好きすぎるとベース聴けないんですよ。
皆さんはどうなんでしょう…ボーカルとかギターとかと同時にベースライン追えま…すか?(えっ…普通は追える?)

後は、大橋純子さんの「シンプル・ラブ」を練習しようと思って(私はボーカルです)聴いたはずが「ちょ…ベース誰~!?」となってしまったり。
こうなると安定のコースです。
Wikipediaでベーシストが福田郁次郎さんだと知って、福田さん巡りが始まって、本来の目的が後回しになるっていう🙈

9.歌がそんなにうまくない(ヘタでもない)

2018年に書いたままの形。

ベース兼ボーカルをスティングとポールマッカートニーしか知らず、しかもどんな歌か覚えていない私が言うことなんで軽く聞いてもらえれば。
何というか、「俺はベーシストだし歌は専門じゃないから歌わない」と突っぱねるんじゃなく「あぁ仕事なら歌いますよ」感ね。
そしてそんな仕方ない感を出しつつも、たぶん歌うのが嫌いじゃない(むしろちょっと好き)ってのが見え隠れするところに萌え。

これはアレですね、色々と慮ってこういうやんわりした書き方になったと思われます。
確かに「歌わないと突っぱねるでもなく、だからといって積極的に歌うでもなく、仕事だから仕方なく歌う感を出せば歌えるけど本当は歌うのがちょっと好き」は萌えですけど。

でも誤解を恐れずハッキリ書いちゃうと…

ベーシストは歌わないでほしい(ごめんなさい!)
コーラスすらしないでほしい(ごめんなさい!)


…っていうね、本音がね、あるんですね。
正確に書くと「ベーシストは歌わないでほしい」じゃなくて「ベース弾いてる時は歌わないでほしい」なんです。
今年の2月に根岸孝旨さんのライブへ行ったんですけど、根岸さんがボーカルをとる曲の時はアコギに持ち替えてて嬉しかったという。

ベーシストじゃないから分からないんですけど、歌いながらベース弾くのってけっこう無茶じゃないですか?
なんていうかこう…弾かないから想像なんですけど、逆に弾きながら歌いやすそうな例として。
槇原敬之さんの歌みたいなハキハキした譜割り(四分音符と八分音符の分かりやすい感じ)とか。
ハードロックでずっとシャウト(八分音符の連続みたいな)とか。
そういう歌で、ベースラインもルート?で同じリズムとかだったら慣れたらできそうかなぁって思うんです。
想像ですけど。

でも、基本は無茶っていうか、ボーカルも単音でベースも単音だから脳が忙しすぎるんじゃないかなぁと。
これまたギターも鍵盤も弾けないのに書いちゃうんですけど。
ギターでいえばソロ弾きながら歌うとか、鍵盤でいえば左手だけで歌うとか、それはやっぱり難しいと思うんですよね。

で、やっと本題なんですけど(汗)

そういうわけで、歌ってるとベースを純粋に聴けないんです…。
なんていうか「一発録りにしてはすごい」とか「生放送にしてはすごい」とかそういう忖度?付きの感想ってあるじゃないですか。
そんな感じで「歌いながら弾いてるベースライン」として聴いちゃってモヤモヤするというか。
あなたがベースだけ弾いてる時のベースラインが知りたい!」ってなるんですよ。

本当は「歌うようなベースラインより歌心のないベースラインの方が好き」とか「ハッとする休符とか呼吸をつかむようなグリスとかはボーカルとってたら弾けないんじゃないか」とか、それはもう山ほど語りたいことあるんですけど、いつかそういうトークイベントで思う存分…いつか…。

10.ベースについては説明のレベルを下げられない

2018年に書いたままの形。

全部で10個にしたかったんですけど(本当はもっとあるから)、この最後の表現が難しい…。
例えるなら、3才の子に「虹ってどうして7色あるの~?」って訊かれて「色んな人の夢を乗せているからだよ」とかじゃなくて「光にはそれぞれ波長があって…」と正しく説明せずにいられないみたいな。

これはこれで良いんですけど、より伝わるように実例を挙げてみますね。

私がライブレポートを書いてる時、指板について言及したい部分がありまして。
ググれば良かったんですが、夫が隣にいたのでつい軽い気持ちで訊いてしまったんです。
「指板ってローズとメープル以外にある?」って。
本当に軽はずみだったと今になっては思いますけど、ふわっと訊いちゃったんですね。

夫はテレビかスマホをボーっと見てたと思うんですけど、こう…キラッと目の奥が光るというか尖るというかそういう感じになりまして。
で、
「ローズにもインディアン・ブラジリアン・マダガスカルなど種類があってエボニーはフェンダーではなく…」
まぁ私が覚えられるはずもないのでもっと長いんですけど、想定の30倍ぐらい返ってきて遠い目で聞いてました…。
軽い気持ちでベースの話をベーシストに振った私のせいです。

他のパターンとしては、こういうのもあります。
深夜1時、深夜の1時ですよ?
夫が「ちょっと聞いてくれる?」と話しかけてきたので、これまた軽い気持ちで「いいよー」と言っちゃったんですね。
そこから…30分ぐらいかなぁ…
「ピックアップのノイズ対策の歴史」について、S極とN極とかコイルがどうとか図まで書いて丁寧に説明してくれました…(遠い目…別にいいですけど私は5時半起床です)

こんな風にグチっぽく書いていますが、嫌いなところじゃなくて「好きなベーシスト像」なんですよね。
ベースが好きすぎて説明が止まらない感じ、とても好きです。

【追記】2021年5月3日
今朝見かけた数学者のツイートが「まさに10番!」だったので紹介します。

他のベーシストでも、ステージ上のMCでは(ベースのことを)喋らないけど、ベーシストがお客さんで来てたら席でめっちゃ語るという光景はけっこう見ます。
これは、MCという公の場はアウェイというか。
ベースのことなんか喋っても誰も興味ないよなぁ…というナイーブな面。
そして、ベーシスト同士ならベースのことを語っても引かれないっていうホーム感からの饒舌。
それが愛らしいというか。
(…そういえばギタリストはMCでもけっこうギターのこと語るイメージありますね。)

というわけで2018年に書いた「こんなベーシストが好きだ」シリーズは10個で完結…なんですが、2020年の特別編としてあと2個追加させてください🙏

特別編1.音色(アンプ直、パッシブ、指弾き)

2020年版の特別編として好きなところを挙げたいんですが…
その…ものすごく恥ずかしいという…
ほんの数ヵ月前まではスッと言えてたんですが…

いや、普通のことだと思うんです。
普通に書けばいいんですけど、なんだかすごく恥ずかしいことを言ってるような気がしてしまうという…
えーっと、その…

アンプ直、パッシブ、指弾き…が好き。


だ、大丈夫ですよね?
普通のベース談義ですよね?

私が好きなベーシストの要素を語るシリーズの番外編というか、2018年には書けなかったことについて語ってみます。

えー、ベースに詳しくない私がもっと詳しくない人にたどたどしく伝えるコーナーをまず最初に。
「アンプ直」というのはベースをアンプに直接つなぐことで、対義語?はエフェクターを間に通す(介す)ことです。
「パッシブ」というのは昔からあるエレキベースの構造で、対義語?はアクティブ。
アクティブは音色を安定させる機械(プリアンプ)が入ってます。

で、逆の書き方をしてみますと。
アクティブで音色を安定させたり、エフェクターで音色を変えたり、スラップで金属音を響かせたり…がキライなわけじゃないんです。
キライなわけじゃなくて、言葉にすると「もったいない」みたいな感じなんですね。

とてもアレな例えになるんですけど…。
男性(全員じゃないですよ)が女性に対して「スッピンを見たい」感覚に近いんじゃないかと思うんです。
せっかく美人なのにケバケバしいメイクしてたら「もったいないなぁ」って思うじゃないですか(全員じゃないですよ)

そんな感じで「せっかく良さげなベースだから木が鳴ってる感が聴きたいし、右手のニュアンスも聴きたいし、アンプ直パッシブ指弾きがいいなぁ」って思ってしまうわけです。
…例えたことで気持ち悪さが増した気がしますが…大丈夫でしょうか。

でね、「スッピンを見たい」とか「せっかく美人なのにメイクするなんてもったいない」とか、言われた方の気持ちを想像してみました。
たぶん「は?あなたのためにメイクしてるわけじゃないから放っといてください」てきな感じじゃないかと思うんです。
つまり、私がベーシストの皆さんに「アンプ直パッシブ指弾きがいい」って言っちゃダメなんだろうなぁという結論に至ったという。

でもっ…TAK斉藤さんのビンテージはいつか聴きたいと思ってます…!
だって、Facebookの投稿で超かっこいいビンテージの写真を載せて「これはこういう工夫をしてビンテージでもゴキゲンな音がします」みたにドヤァ感あふれる文章までつけて、それでライブでは絶対に弾かないってズルいですよね…!(じたばた)
2019年8月から2020年3月まで月イチで通っているので、これからコツコツ通い続けたら3…20回記念あたりで願いを叶えてくださるんじゃないか…と、遠いところから念を送っておきます🙏✨

特別編2.情熱(悩める&迷えるベーシスト)

私がベーシストの手元を凝視する鑑賞スタイルなのはご存知の通りですが、けっこう驚かれるんですよね。
そして私は驚かれることに驚くという。
だって、普通に両手見たくならないですか?

左手は…
音の高さは同じでも、ポジションによって弦の太さと音色がリンクするのが分かって面白いし。
グリスを見ながら聴けば、ジェットコースターの搭載動画みたいな臨場感があるから迫力が増すし。
右手は…
指かピックかスラップかっていう奏法の違いはもちろん、深さとか角度とかピックアップとの位置とかの違いが聴きながら楽しめるし。
右手の動きによる弦の揺れ方とか、もうワクワク感しかないっていうか。

こんな感じで、ベーシストの両手が見たいという気持ちは私にとって当然で自然なんです。
だから、ベーシストの回顧録とかにある「昔はYouTubeもなかったからどうやって弾いてるのか知りたくて、やっと友達からビデオテープを借りて手元が観られた時は感動したよ」みたいなエピソードが大好きなんです。
そうであってほしい…というと何様って感じですけど🙈

ベーシストがベースへの探求心を持ってる姿が嬉しいんでしょうね。
キャリアを重ねる中で「オレはこう。」とか「難しく考えなくても楽しければ良くない?笑」みたいな余裕が出てくるのもきっとカッコいいと思うんですけど。
私の好みとしては、いつまでも悩んだり迷ったりしていてほしいなぁという…文字にするとどうしても変態みが出てしまんですけどね(照れ)

で、ベースって止まれないじゃないですか。
リズムもコード感も担っていて。
ギターや鍵盤と違って和音でフワッとできず、基本は単音でブンッて弾かなきゃいけなくて。
だから弾いてる時は「ベースって何してるのか分からない」とか言われるのに、間違うとすっごく目立つし。
目立つどころか、ベースが勘違いしてリピート飛ばしてエンディングへ行ったら全員そっちに着いて行かざるを得なくて「ショートバージョンでお送りしました」状態になるぐらいの影響力あるじゃないですか。

音色とか奏法とかアンサンブルのどこに音を落とすかとか、そういうことに悩み迷いつつも止まれないという重責。
書き出すと、ベースって楽しいのかなぁと不思議になるぐらいですけど。
でも私は、ベースの音色やリズムにワクワクして満面の笑みで手元を凝視して楽しませてもらってるんです。

今回の副題を「情熱」としたんですが、他の案として「変態」「深海」「M気質」とかそういうのが候補として挙がるような内容でした。
ちょっとだいぶ深いことを書いた気がしますが。

そして、書き終えてみて「情熱」で良かったなぁと思ってます。
ベースへの悩みも迷いも深すぎるこだわりもネガティブさもベースラインに表れるし、それがイイなぁって思ってるんですが、それは情熱なのねと。
私の聴き方もだいぶ情熱的なので(うん)燃えている炭でキャッチボールしてるみたいな楽しみ方ができるベーシストが好きなんだと思います。

地下2会について

これは地下2会で書いたコラムの転載です。
プロベーシスト集団「地下室の会」を応援する「地下2会」というFacebookページを私が会長として作りました(照れ)
会を立ち上げた2020年4月7日から、毎日21時にベース関連のコラムを書いています。

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地下2会の投稿は連載って感じで、このnoteにまとめるのが単行本って感じですね。
早く読みたいなぁと思ってもらえたら、地下2会のトップページ↑で「いいね!」を押すと、投稿がFacebookのタイムラインに表示されます。
よろしくお願いします。

記:2020年8月14日(2020年5月に書いた地下2会の投稿から転載)

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