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野営とキャンプは何が違う?_ネガ篇【NORAオートバイ7】

私は基本的に野営しかしない人間なのですが、たまには人の気配のするところに泊まってみたいと思ってフリーサイトのキャンプ場に行きました。

空前の?アウトドアブームのせいで、多くのキャンプ場が閉鎖されています。そりゃあ、やるなっていわれているのに焚火して、深夜まで騒いで、挙句ごみをそのまま放置して帰れば閉鎖されますよ。そういえばいま釣りブームでバイクブームでもあるとか。なんでもブームなんです。

河原のキャンプ場へ

東名の新清水ICから出て、国道、県道で目的地へと向かいます。
天気も良く、緩いカーブが続く風光明媚な山里の景色の中を走りました。景色は延々変わらず、時々集落と畑、あとは山、森、林。いい感じの場所です。

13時過ぎに到着した時には、すでに3分の2ほど埋まっていましたが、一応はまだスペースはありました。月曜日でこれということは休日はとんでもないことになっているはずです。数メートルおきに焚火の跡が点々としていることからも、テントが相当密集して並んでいたのを想像できました。
周辺には数カ所のキャンプ場がありましたが、残っているのはここ1カ所だけです。

キャンプ場そばの川では工事が行われており、ユンボが掘り返した土をダンプに詰め込んでいます。作業員の怒鳴り声。怒っているのではなく、大声じゃないと聞こえないのでしょう。

買って初めて使うBUNDOK安テントの設営にかかりました。
サイトは河原の上の砂利まじりの地帯です。テントに付属していたペグを打ち込もうとすると、すぐに曲がって使い物になりませんでした。ので、ダイソーで仕入れたやつを使いました。ダイソーにはいつもいろいろお世話になっています。
もやい結びでロープを張って設営完了。

久しぶりに体を動かしたので、すでにTシャツ一枚で汗だくでした。荷物を押し込んでテントの中に入って寝転がってみると、外の光が入って来るせいか、予想以上に快適でした。

隣のおじさん

固形燃料でコーヒーを沸かして飲んでいると、隣のスペースに軽ワゴンが入ってきて、テントの設営を始めました。
手慣れているようで、テントとタープをさささっと立ててしまい、焚火台やらチェアやらを出して、スピーカーで音楽までかけました。なんか日本語のR&Bっぽい曲です。

設営後、
「あれ、この前もここにいた人?」と声をかけてきました。青白い顔をしたひょろ長い人で、アウトドアというよりは車中泊好きといった感じのおじさんでした。(ちなみに、私もおじさんです)
「いや、はじめてなんです」
「ロープ4カ所も止める必要ないのに」
「そうなんですか」
「俺なんかいつも入口の2カ所だけだよ」
「ああそうなんですね。初心者なので」
「ここいいよね、無料だし、水もトイレもあるし」
「ええ、そうですね」

5時になると工事も終わり、少し静かになりました。日が暮れるのを待ち、私はメスティンに日本酒を入れて熱燗にして、コーヒーカップに入れて飲みました。バイクで来て酒が飲めるのは、キャンプの醍醐味の一つです。

周囲の人たちは一斉に焚火を始め、煙が充満しました。
煙は別にどうってことないのですが、こまったことに、となりのBGMが少しずつ音量を大きくしてきたことでした。CMとかで聞いたことのある歌もありました。ああこれは知ってます。中島みゆき。そのアルバムがずっとリピートでかかっていて、酔ったらしいおじさんが時折口ずさんでいました。自分に酔っているのか。

どうして私はこんな場所まで来て、中島みゆきを聞きながら酒を飲まなければならないのか。別に中島みゆきをけなしているわけではないですが、夜が更けるほどにやるせない気分になってきました。

結局おじさんの音楽は夜11時くらいまで続きました。その後ようやく静寂が訪れたかと思いきや、今度はいびきが響き渡り。
私は、すぐ隣に人がいる中で効率よく自然を満喫して癒されて帰るなんてことはできないことを知りました。

翌朝、起きた時には、隣のテントは撤収された後。
コーヒーを煎れて飲んでいると工事が始まり、ショベルカーのエンジン音が響き始めます。
私はテントを撤収してSR400に詰め込み、その場を後にしました。

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