助詞の入れ替え
👇俳句についての記事をまとめてあります。
随時追記あり。ご参考になれば幸いです。
(´>∀<`)ゝ
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助詞についての記事は、こちらのマガジンにまとめました🙌
さて、今回は助詞を入れ替えるとどうなるか?
色々やってみたいと思います🙌
助詞の入れ替えの例によく使われる句がこちら
👇
〇に入る助詞によって、蛍の様子が変わってきます。
【米洗う前に蛍の二つ三つ】
「に」は存在している場所です。その場所に既にいます。蛍は動いていません。
【米洗う前を蛍の二つ三つ】
「を」は動作の経過する場所や空間。蛍は動いています。
【米洗う前へ蛍の二つ三つ】
「へ」は動作が行われる方向です。その方向へ向かって行きます。蛍が前へ飛んできます。
【米洗う前や蛍の二つ三つ】
「や」は詠嘆。「や」の前の語を強調して、場面が切り替わります。
次の例句です。住吉は地名です。
【住吉に住みなす空の花火かな】
「空の花火」と迷いなく読めます。最も一般的な形です。「の」は限定。前の言葉が後の言葉を限定します。
【住吉に住みなす空に花火かな】
「私は長年住吉に住んでいた」「その空に花火が上がっている」住吉と花火の間に時間の経過が読み取れます。
【住吉に住みなす空は花火かな】
空=花火。作者にとって空とは花火のこと。
こちらが元句です。
【住吉に住みなす空や大花火】
切れが入り俳句らしい形です。
次は問題です。
【魚の目〇泪】
〇には何が入るでしょう?ヒントは「鳥啼き」です。
【行く春や鳥啼き魚の目の泪】
泪は頬を伝っているかもしれないし、顎から垂れていているかもしれない。
【行く春や鳥啼き魚の目に泪】
「に」は場所を表すので、泪は目の中に留まっています。
【行く春や鳥啼き魚の目を泪】
「を」は経過していく時間や場所。じわじわ目に泪が溢れてきます。
【行く春や鳥啼き魚の目は泪】
「は」は、いくつかあるものから限定して強調します。散文的になるおそれがありますが上手く使えば効果的です。
こちらが正解です。
鳥は啼き
魚の目は泪、です。
最後に、超有名な句です。
名詞と助詞のみで完成している句。
こちらの助詞を全て「の」にしてみると・・・
【五月雨や大河の前の家二軒】
うーん。
「の」は上の言葉が下の言葉を条件づける助詞なので、すべてが繋がってしまい、のっぺりした印象に・・・。
【五月雨や大河の前に家二軒】
「大河の前」は家の説明になってます。主役は「家二軒」になりますね。
【五月雨や大河を前に家二軒】
こちらが元句。
「大河」が主役になっています。
「大河を前に」とすることで、「家二軒」の頼りなさを表現しています。
ごうごうと流れる大河。水かさが増し、荒れ狂っている大河が見えてきました。その大河を前に、小さな頼りない家二軒。寄り添うようにブルブル震えているようにも見えてきちゃいます。
助詞だけで、こんなに変わるなんて!∑(๑ºдº๑)!!
助詞の扱い要注意です🖐
「の」は使いやすいのですが、使い過ぎるとしつこく感じられるので、私は「一句に〈の〉は二つまで」と心掛けています。
「の」と「に」は置き換えられますので、試してみて下さい。
スマホの傷・・・傷があるのを前から知っている。
スマホに傷・・・傷があることに今気付いた。
ではでは
読んでいただきありがとうございました。┏○ペコッ
袋小路 綴乃
参考資料:
今回の記事は、夏井いつき先生のYouTubeチャンネルや下記の記事を参考にさせていただきました。
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