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描くしかないんだ

とにかく描くしかないんだ

僕にはいじめられていた過去がある。

そこまで酷いものではないが、
当時は存在を否定され、気持ち悪がられ、物のように扱われ、辛くて、惨めで、心にそれはそれは深い傷ができた。 


そんな僕でも皆から認められ、唯一自信を持てるものが"ひとつ"だけあった。
 
それが" 絵 "だった。

絵がいつも救ってくれた。
絵だけが僕の味方だった。
絵が唯一の心の支えだった。

絵は自分の"すべて"だった。
 

だから今でも自分にとって絵を描くことは承認欲求や自己肯定感、アイデンティティを保つことでもあったりする。

今はどんな自分も受け入れてくれる温かい人たちに囲まれて、ありのままの自分を愛せるようになってきたが、未だに当時の感覚は根深く残っており、完全には拭いきれてない。


でもそんなものいい加減完全に手放したい。

おれは
もっと
もっと 
もーーーーっと純粋に絵が描きたい。

いや描ける筈なんだ。


幼い頃は
もっと自然体で
本当に絵が大好きで
「描きたい」というだけの純粋な心で夢中に絵を描いていた。

あの時の純粋な自分に戻るために何をすべきか考えた。


描くことだ。


とにかく描くことだ。

それしかない。

ゴミみたいな作品でもいい。
心がこもってなくてもいい。
技術がなくてもいい。表現力がなくてもいい。

いいんだ、クオリティなんて。

そんなの気にしてたら絵が描けない。

とにかく出し尽くすことだ。

未熟で恥ずかしい作品でもいいんだ。

怖がるな。

過去の自分を超えられなくてもいい。

それでいちいち落ち込むな。

そんなんで一流の画家になれるもんか。

超えてゆけ。

今を、自分を。

描け、描け、描け。













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