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10月の受賞者一覧と選者の講評

選者:水源 純(@ju_min) 以下、敬称略

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グランプリ受賞者

・そめの(@EvzRoIs0nv3ZZ7U

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選者の評

 知への探求。何かを知ること、知っていくことは苦しみを伴う。その苦しみさえ楽しめてしまう人だけが、その分野で次のステージへ進む。何かを学ぶときだけではない。人と人の関係、恋愛においても言えるだろう。あまり知らないままふわふわしている楽しさとは全く異種の、この楽しみを味わう人生でありたい。

佳作 受賞者

・りる(@riru008723

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選者の評

 絵の見える五行歌。大きな水たまりを鏡にして世界を、君を見る。パーカーのほうが馴染みある語だが、ここはフィーディでなければならない。大きめのダボっとしたフードにくるまれた君の、口元だけがかすかに見えるくらいの翳りは、その心の翳りにも見えて。

・今任貴教(@EWo63LhT9acteNU

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選者の評

 一緒に…と願うだけでもう世界があまやかに輝いてしまう。恋する人はなぜこうもハッピーなのだろう。終行のカタカナ英語がまたいい。朴訥とした男性の、朴訥とした男性にしか出せないふんいき。そしてビートルズが流れてくる。In my life I love you more.

・小澤一人(@ozawahitori

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 愛しい虚ろ。家族(動物含む)や恋人、友人、自分を成す一片であったかのような存在との別離。別離のストーリーよりも、その「虚ろ」こそを表現したい、記しておきたいと願う。いくら尽くしても表現し尽せないものだからかもしれない。そして読み手はきっと、自らの虚ろを重ねてしまう。

いいね賞 受賞者

・やな らいや(@yanaliar

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今月の選者の総評

五行歌という小さな器は、なんて大きいのだろう。多くの秀歌を読んだ後にはいつもそう思います。選外となりましたが、くたべさんのボトルメールをイメージさせる古銭、中澤京華さんの青空、あーやんさんの「それだけのこと、よ」に含む余韻、夜天さんの花火に見る季節の境界、康時さんの左の横顔、ねこたさんの傘、神谷叡子さんの赤褐色、草野理恵子さんの森の木、抹茶金魚さんの鉦叩き、blueblood60さんの赤い月などなど……。ほかにも、言葉から紡がれる豊かな世界をたくさん見せていただきました。

五行歌グランプリの投稿作品は全体に長めの歌が多いように感じています。かといって短いからいいとも一概に言えない。五行歌の自由さの難しいところです。

言葉を削る努力というより、この一行は、この一語はほんとうに必要か、という目で見直すことは必要でしょう。助詞一つとってもこの語はここになくてはならない、というくらいの言葉の緊張感が秀歌にはあるように思います。

五行歌グランプリ、次回がラストとなります。私の選は今回でおしまいです。歌を読むだけでは味わえなかった「選」という仕事のなかで、多く学ぶことがありました。ありがとうございました。
最終回を信頼する歌友、南野薔子氏に託します。

今回受賞された方のお歌は、月刊『五行歌』12月号でも受賞発表されます。
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次回・11月募集について

次回、11月の募集は11月1日の0:00にツイートされます。
募集要項は以下です。


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