世界と視界と創作の話

 創作TALKという企画を見かけて、参加したいと思ったので書きます。素敵な企画をありがとうございます。お邪魔します。


 創作についての話をする機会がこれまであまりなかったので、今とてもワクワクしています。自分の中での考えの整理にもなればいいな。タイトルは「世界と視界と創作の話」ということで。

 私が物語を創作するときに「世界にはいろんな人間がいること」を意識している……っていうのを以前何かのタグでツイートしたんですけど、それをもう少し深掘りしようと思います。

世界の話

 「その人たちそれぞれが自分の中にそれぞれの世界を持っている」って、私は思うんですよね。クオリアって言葉がありますけど、たぶんあれに近い話です。
 例えば、私のイメージする赤色とあなたがイメージする赤色は、同じ色だとは限らなくて。この文章の色でさえ、あなたの目に映る色と私の目に映る色は同じじゃない。
 目に映る世界って人によって違うんだっていうのが、私にとってとても面白くて。
 それって、色とか音、味とかの感覚に限った話じゃないと思うんです。
 あなたにとってのこの地球上の生活と、私にとっての生活は、この文章の文字の色と同じように、似ているけれど違うものだと思う。もしかしたら、似てるとさえいえないかもしれない。
 それが面白くてたまらないから、自分の創作でも、登場人物それぞれの世界を掘り下げるように意識しているんだと思います。

視界の話


 それぞれの世界を描くために気を遣っていることはいくつもありますが、そのうちの一つが「視界」です。
 同じ景色を見ていても見えているものは違うと思うので、その違いを考えながら創作するのが楽しい。でもむずかしい……。創作している人間は全部私なので、何をどう頑張ってもある程度は偏っちゃうんですよね。放っておいたら偏り続けるそれを可能な限り広げるために四苦八苦しています。

世界と視界と創作の話

 最近書いた自作で例を挙げると、『魔法少女デッドエンド』っていうオムニバスの短編集に『あの子の箒に乗れずとも』って話があります。
 そこに出てくる天才のモモちゃんと秀才のツクモちゃんでは、注目する点とか行動原理が大きく違うんですけど、それは二人の「世界」がそれぞれ違うからです。
 モモちゃんは天才で、何か緊急事態が起こったとしても、自分も相方のツクモも、余裕で切り抜けることができるって無意識に認識して生きているから、生け捕りにした敵の要望にも応えます。
 対する秀才のツクモちゃんは、モモちゃんと肩を並べるために裏で努力をしている子で、事前に対策をすることで毎日を切り抜けているので用心深く行動します。そのツクモちゃんの用心深さはそもそもその発想のない無自覚天才モモちゃんには伝わっていない。
 この話では、幼馴染の設定ではあるけれど、全然違う「世界」を内包している二人を描いています。伝わったらいいな!(宣伝)


 それから、ゆるーく書いてる長編の『彼女の旅は終わらない』は、またちょっと違う点で「世界と視界」にこだわっています。
 この話は、世界が終わった後で世界を救うたびに出る二人のなんちゃってSFですが、一つの章につき「表」と「裏」にわけていて。二人の視点を入れ替えながら物語を進めているんです。
 旅に出る二人はそれぞれ知っていることが違うし見えているものも違うから、旅の目的も違います。(一人はそもそも世界が終わったことを知らないので)
 二つの「世界」を同時に眺めながら読み進められる物語になるようにっていう挑戦をしているのが、『彼女の旅は終わらない』です。
 挑戦しようと思ったのは、なんか、面白いかなとかそんな軽い気持ちです。


 ここまでのんびりと創作の話をしていて、まだ自分に足りてないことがたくさん頭に浮かびました。これいいですね。反省できるし改善できそう。お勉強したいのでタグで皆さんのも回りたいです。

 またときどきやりたいな~と思います!今度はもう少し詳細に書けたらいいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?