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【農業簿記】第6章・固定資産

固定資産に関しては、3点お伝えします。①減価償却 ②修繕費と資本的支出 ③売却に関してになります。

①減価償却

土地以外の固定資産は、毎年その価値が減少します。その減少分を費用計上する手続きを減価償却と言い、対象となる資産と減価償却資産と言います。

農業特有の減価償却資産には、生物があります。例えば、成熟した繁殖牛、繁殖豚、成木となった果樹などです。こちらも、収益を生み出す為に使用しているので資産となり、資産の減価償却も同時に実施していきます。

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生物に関しては、育成から成熟し、その後、減価償却が始まります(上の図)。ですので、成熟するまでは、育成仮勘定で計上され、その後は費用計上(減価償却)されていく流れになります。

②修繕費と資本的支出

最近、地元の農家さんに援農をしているのですが、ビニールハウスなど本当によく壊れます。なので農業では頻繁に修繕や改良が発生します。その際は、修繕費として計上します。

また大規模な修繕や改良によって、その資産の価値が増加した場合や、その資産の耐用年数が延長する場合は、その現状に合わせて、固定資産の価値を増加させます。この時は、修繕費ではなく資本的支出といい資産計上し、同時に減価償却の費用計上も行います。

③売却

最後は固定資産の売却に関してです。とりわけ畜産業などの場合、生育していた牛や豚を日常的に売却することがありますので、その際にも計上は必要になっていきます。収益は生物売却収入で計上します。

同時に、資産である生物を資産から抜き、生物売却原価として費用計上していきます。

どういった規模やスタイルで農業をやっていくかにもよりますが、固定資産は経営を長期的に圧迫するものですので慎重にしていきたいですね。

次回は、決算書の作成に関してお伝えしていきます。

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