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【特許法】53条(補正却下)準用のややこし〜い話


 53条(補正却下)は、最後の拒絶理由通知を受けての補正違反により、補正そのものが通らないケースです。

 よって、補正は無かったことになり、補正前の特許請求の範囲に対して拒絶理由が解消されずに拒絶査定となります。

 この補正違反が、登録後に発覚することがあるようです。そのとき、53条が準用されたりされなかったりします。

 拒絶査定不服審判(121条)と同時補正した場合(17条の2第1項4号)、前置審査(162条)に行きます。このときに過去に看過された補正違反が発覚しても、補正却下されずに無視されます。上記、同時補正にかかる補正違反も、特許査定をする場合を除いて却下されないとなっています。※参考1

 拒絶査定不服審判の段階に入ると、審判より過去に起こった補正違反が発覚しても却下しないようです。※参考2

まとめますと、

 補正違反発生時   発覚時   発覚時の扱い
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 拒査審と同時    前置審査  無視※1
 最後の拒・通知以前 前置審査  無視
 拒査審と同時    拒査審審理 補正却下
 最後の拒・通知以前 拒査審審理 無視

 ※1:特許査定時除く

参考1:江口裕之『解説特許法 改訂6版』p552
参考2:同、p545

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