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大好きな「パペット・マスター」と出会った少年時代

東方です。

子供のときに出会ったホラー映画「パペットマスター」について話そうと思います。
ホラーなので苦手な方はすみません、なるべく怖くないように書きます。

「パペット・マスター」は1898年にアメリカで作られたビデオ映画で「エジプトの呪文で意思を持った殺人人形が大暴れする」っていう話です。前の年にチャッキーで有名な「チャイルド・プレイ」が流行ったのでおそらく二匹目のドジョウを狙ったんだと思います。

チャッキーの映画と違って、複数の人形がチームワークを駆使して相手をやっつける(ホラー映画なのでお察しください)のが大きな特徴です。いまでいう「キモ可愛い」見た目をしている個性的な人形がたくさん出てきます。
いま画像検索したらK-PLUSというオンラインレンタルストアに載ってあったのでこちらをチェックしてみてください。

そうそう、この表紙!改めて見ると、なんかいろいろと秀逸なパッケージです。
むかし親によく連れて行ってもらったレンタル屋さんで、このVHSがひときわ異彩を放っていました。子供心にも衝撃的だったのですが、なんとなく空気的に親に「これを借りたい」とも言えず、でも12歳以下は自分の会員証を持てないので少し悶々とした感じで小学校時代を過ごしました。

で、中学生になった僕。親のいない日を狙って会員証と共に初めてレンタルしたのは「ターミネーター2」と勿論「パペット・マスター」。

この頃には「パペット・マスター」を観たい欲がMAX状態に育っていたので、この作品を鑑賞することが人生の通過儀礼のように感じていました。そう、『パペット・マスター鑑賞会』です。
ちょっとだけ高い駄菓子とジュースも買い揃えて、気心知れる友人A,Bを家に招いた僕は何も知らない2人に「今からみんなで映画を観るけど、きっと僕らはすごい体験をするんだ」的なことを熱く語りました。

待ちに待った『パペット・マスター鑑賞会』がはじまりました。ずっと心に詰まっていたものがついに解放される瞬間です。



さて、これが本当に面白くなかったんですね。


大失敗で呆然としていた僕に友人2人は「でも人形がカッコよかった!」とか「ターミネーター2観ようぜ!」とか、とりあえずなフォローをしてたのを覚えてます。


おそらくこれが初めて自分の夢が崩れる体験だったのですが、実はそのレンタル屋さんには「パペット・マスター2」「パペット・マスター3 ナチス大決闘」も陳列されていることが後日判明しました。まだ立ち直れていない気持ちを修復しようと、すがる思いで僕は続編を借りにいきました。



予想はしていたけど、1よりも酷かったんですね。


「そんなはずはない、この映画は本当は面白いはずなんや!」もう限界だった僕は、まだ電話回線時代だったインターネット上でこの作品の感想を片っ端から探しました。数少ないレビューでしたがどれもネガティブなものばかりで、僕はやっとここで長年の夢から覚めたのです。


「パペット・マスター」との出会いの話はこれで終わりですが、それから大学生、海外留学、社会人と人生のステップを踏んでいく際に「いまこの歳になって観てみたら面白いのでは?」「実はさらに続編があるらしい、それはきっと面白いはず!」という謎の好奇心が定期的にやってきます。実は夢から覚めてなかったんですね。

この記事を書くに至ったのも、先週ネットフリックスに2018年の最新作「パペット・マスター the Littlest Reich」があるのを知って鑑賞したら色々気持ちが蘇ってきたからです。現在は14作品ほど(番外編や総集編含む)あるのですが、毎回なんとか探しあてて鑑賞しては落胆する、という行為を繰り返しているうちに三十路を超えてしまいました。

もう気づけばただのファンになってしまったんですね。
最近は新作の出来に対して「いや、パペマス1はもっとテンポがダルくて良かったぞ!」と、ランナーズハイな感想を抱くようになってきたので今やこの映画に愛情を抱いています。


膨大な数の続編や、コミックス化、グッズ販売、来年にはゲーム化もされるということで、実はパペマスファンは世界中に多くいるみたいです。
一方でいまだに内容を素晴らしいとレビューしてる人を見たことがありません。唯一、初めて1作目を一緒に鑑賞した友人Aが後々になって「3は今までの伏線を全部回収してるから作品として深い」とかなんとかギンギンな目で語っていたくらいですが、あれは怖かった。ていうかお前ハマってたのかよ。


ストーリーは作品の魅力を支える大黒柱的なものですが、たとえそこが弱くても他の要素がしっかり立っていたら成り立つことを実感する作品でした、と言えば上手くまとまったのかどうなのか、、。とにかくそういうことを書きたかった記事でした。これって映画に限らず音楽や他の芸術分野にも置き換えることができる話だと思います。

最近は人とエンタメの話になれば「作品は少しつまらないくらいが一番良い!」と、どの立場からなのか知りませんが面倒臭いおっさんみたいなことを言うようになってしまいした。僕もまだまだ拗らせのデスロードを全力疾走しています。


最後に補足で、もはや好きになってしまった「パペット・マスター」の魅力を箇条書きしました。
映画の鑑賞をおすすめするわけではありませんが、レンタル屋さんで見かけた際には思い出してください。

パペマスのここがすごい!

・人形たちのデザインが秀逸だ!
・人形の動き(コマ撮り)のクオリティが高すぎる!
・人形単体はそれぞれ大して強くないのに、各個性や能力を活かしてお互いを補い合ってるバンド感がある!
・設定が毎回むちゃくちゃ!
・途中から子供たちの味方みたいになってくるよ!
・でも悪い大人には容赦がない!
・サウンドトラックが一度聴いたらずっと覚えてるくらい名曲(これはマジ)
・人形たちの7インチフィギュアが去年発売された

・来週33歳の誕生日を迎えるので、素敵なプレゼントを送ってくれる方お待ちしてます。

さて、みなさまどうぞよろしくお願いいたします。


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