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Mars2020について

 こんにちは。最近パソコンの調子が悪いTohoku Space Communityの鴻(びしゃご)です。今回で2回目の投稿です。ほかの皆さんを期待されていた方には申し訳ないですが今日は私が書きます。

今日はMars2020ミッションのPerseveranceローバーの打ち上げ成功ということで、工学的な観点から火星探査の歴史や今回のミッションについて書いていこうと思います。

<火星とは>

 まず火星がどんな星かを理解する必要があります。ここは私が下手な文章を書くよりもJAXAが素晴らしい資料をまとめているのでそのURLを貼り付けます。サボりとか言わないでください。

【JAXA 宇宙情報センター 火星】

http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/mars.html

<火星探査の歴史について>

 次に、なぜ我々が火星を探査するのか、その意義について考えてみましょう。1996年のアメリカの惑星協会会長、カール・セーガン博士の当時の文章によれば、火星は地球に最も近い探査が可能な惑星であり、過去に水が存在し地球に似た気候を持っていたであろう惑星だったと考えられています。しかし何らかの原因でこの地球に似た惑星は氷河期時代に突入しました。地球環境を混乱させている我々人類はこの時代の火星の気候に何が起こったのか理解しなければならないと彼は述べています。そのために大きなオゾンホールや生命の痕跡を調べるのが重要とされています。さらに彼は、火星は宇宙探査の国際協力を実現するのに理想的な場であるとも考えています。アメリカ、ロシア、ヨーロッパ、日本など多くの国・地域が火星に探査機・人工衛星を送り込んでいます。つまり要約すると、火星探査の意義は

・人類の起源、これからの在り方を考察できる!(我々はどこからきてどこに行くのかという古くからある疑問につながりそう)

・国際協力の場になる!

の2点が主ということです。

<火星探査の歴史>

 ここで、人類の火星探査の歴史を超簡単に見てみましょう。1964年に打ち上げられたNASAのマリナー4号が始めて火星近くに到達したのち、1976年のバイキング1号、その後の2号が火星表面に着陸した。さらに1997年にはマーズ・パスファインダー、2004年にはスピリットとオポチュニティ、2008年にはフェニックス、2012年にはキュリオシティ、2018年インサイトと、多くの火星探査機が火星表面に着陸し、様々な調査を行いました。日本も1998年に「のぞみ」を打ち上げましたが度重なるトラブルにより火星周回軌道への投入を断念しました。

<Mars2020について>

 今回打ち上げられたPerseverance(パーサヴィアランス、英語で「忍耐」という意味)ローバーについてみていこうと思います。

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Perseeranceローバー("Mars 2020 Mission Overview", https://mars.nasa.gov/mars2020/mission/overview/) 

今回のミッションの目的について、NASAのホームページ("Mars 2020 Mission Overview", https://mars.nasa.gov/mars2020/mission/overview/  2020年7月30日閲覧)の文章を著者が英訳したものを載せます。翻訳の専門家ではないので文章が拙いのはご容赦ください。

 ”Mars2020Perseveranceローバーは、古代の微生物の痕跡を調査する予定である。この情報は火星の過去の居住適正の探査を大きく前進させるだろう。ローバーには火星の岩や土壌の円筒形標本を採取するためのドリルが備わっており、さらに将来のミッションでの回収のために密閉されたチューブにその標本を回収する。将来のミッションというのは、例の標本を地球に持ち帰り、詳しい分析をするというものである。また、Perseveranceは将来の有人火星探査に向けた道を切り開くための技術も実証する。ローバーの腹部には技術実証のための火星ヘリコプター、Ingenuity(日本語で「創意、器用さ」)が取り付けられている。これは赤い惑星で最初の動力飛行に挑むことにより「ライト兄弟の初飛行の瞬間」を達成するかもしれないものである。”

このようにあります。ここで”将来の有人火星探査に向けた道を切り開くための技術”とは、火星の大気から酸素を作り出す、地表下の水などの資源を探知する、着陸技術を高める、天候・粉塵・その他環境要因を明確化する、このような技術を試すこととあります。なんとも興味深い話ですね。

 さて、そんなPerseveranceローバーですが、ついに日本時間2020年7月30日午後8時50分に打ち上げられました!コロナウイルスの影響で10日ほど遅くなったみたいですね。打ち上げは成功し、2021年2月18日の火星着陸を目指しています。

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打ち上げの様子("Mars 2020 Mission, Perseverance Rover Launch",https://mars.nasa.gov/mars2020/timeline/launch/)

 また、打ち上げの様子はYoutubeにも挙がっているのでそちらも要チェックです。(リンク→https://www.youtube.com/watch?v=VWD-nx9gA0o

 これからもPerseveranceローバーの調査結果に期待したいですね!生命の痕跡を見つける旅、ワクワクします。皆さんは火星の生物と聴いてどんなものを思い浮かべますか?

 ちょっと長くなってしまったので今回はここまでにします。それではまた。


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