若手アンサンブルプロジェクトの仲間

多元物質科学研究所(IMRAM)の安達と申します.苫井高明准教授から引継いで,2020年度からWG委員を担当しております.

来る11月15日から17日の3日間,第8回若手アンサンブルワークショップが開催されます.17日は片平キャンパス内のさくらホールでのオンサイト開催を予定しており,久しぶりのオンサイト開催で大変盛り上がるのではないかと期待しているところです(オンライン聴講も可能です).前々回および前回のワークショップでは,ポスターセッションを含めた全ての講演がオンラインとなりました.オンライン上でのポスターセッションは,場所と時間に拘束されないというオンラインならではのメリットがあり,セッションへの参加のハードルを下げる良い効果がありますが,研究者同士の新たな繋がりの場を提供する,という意味では,やはりオンサイトに軍配が上がるかと思います.若手研究者の皆様,是非ともご参加ください.

さてワークショップの宣伝が終わったところで,私はこのような記事を書いた経験がなく,このnoteに何を書くか迷うところではありますが,これまでの他の委員の記事を見ると,わりと自由に書いてよさそうですので,私個人が若手アンサンブルプロジェクトについて思うことを書いてしまおうかと思います.

若手アンサンブルプロジェクトのホームページには次のような記述があります.
「仲間の輪を拡げれば、もっと研究が楽しくなるかも!?」という動機をエンジンとして、研究所間の連携を深める活動を企画・運営しています。
この記述は,「気軽に議論を楽しもう」というようにも見える一方,その裏で,議論を通じて知的好奇心を高め合い,新たな分野を切り拓こう,というような大きなスケールの話にも見える,そんな記述だと感じたりします.

また,グラントに関しては,
萌芽的な研究を対象とする第1ステージ(新規課題)、および前年度第1ステージを実施し最終的に外部研究費獲得を目指す第2ステージ(継続課題)が設定されています。
という記述があります.プロジェクトとして動いている以上,大型外部資金の獲得につながった,とか,論文公表や受賞につながった,とか,そういった目に見えやすい成果がプロジェクトにとって必要であることも事実と思います.

もちろん,知的好奇心を高めて新たな分野を切り拓くこと,目に見える成果を出すことは,現在および未来の研究活動にとって大変重要であり,またそれらは,これまでの若手アンサンブルプロジェクトの実績として行われてきた事であると思います.しかしながら,若手アンサンブルプロジェクトはそれ以外でも,もっともっとハードルの低い意義があるのではないか,と思ったりもしています.例えば,分野の中で基礎的な(例えば学部生レベルの)知識でも意外とわかっていなかったことを気軽に若手同士で聞いてみたりとか(結構こういうニーズはあるんじゃないかと思います,普段仕事しているライバル研究者や上司には今さら聞きづらいけど,実はよくわからないから利害関係のない人に聞きたい,みたいな),共同研究とは呼べないが,装置を味見程度で使わせてほしいとお願いしてみたりとか,自分の実験結果の考察が自分の分野をちょっと超えた時に,それがその分野の常識と照らし合わせてあまりにブっ飛んでたりしないか,ということを確認して,とこっそりお願いしてみたりとか.

というわけで,まとめますと,内容は最初に戻るのですが,是非とも,肩肘張らず,気楽に来る若手アンサンブルワークショップに参加していただきたいな,ということです.「今後の研究活動に有意義なことが必ずここにある」というような壮大なことばかりではなく,気軽に相談できるとか,ちょっと愚痴を言い合う,とか,そんな仲間を作るだけでもいいんじゃないかと思う次第です.

(多元物質科学研究所(IMRAM)・安達正芳)

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