ふわふわと僕

ふわふわ、な、雲。
ふわふわ、ふわふわ、空を飛ぶ。
今日は僕の家の天井から
あの子の家の天井まで。
例えば手紙でも
雲に乗せれば良かったなぁ。

ふわふわ、な、雲。
ふわふわ、ふわふわ、空を飛ぶ。
今日はうんと背を伸ばして、
空の青の、少し上まで。
例えばロープでも
引っ掛ければすぐ行けるだろうなぁ。

ふわふわ、な、雲。
ふわふわ、ふわふわ、空を飛ぶ。
昨日と違う表情の、
僕の一番好きな雲。
どっちの方が好きかって?
はずかしいから言わないよ。


雲。雲。今日も麗しき雲。
どうか僕の思いをその背に乗せて、
あの子へ届けてくれまいか。
そんな自分に嫌気が差して、
大きなラッパを少し鳴らした。


ふわふわ、な、雲。
ふわふわ、ふわふわ、空を飛ぶ。
綺麗な雲は姿を消した。
代わりに沢山の羊たち。
例えば迷子なら
僕も混ざれば良かったなぁ。

雲。 雲。 雲。
今日もふわふわ、空を飛ぶ。

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