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オレは聞いてない!

私がコーチングを学ぶきっかけを作ってくれたフレーズがあります。

それは「オレは聞いてない!」です。

実はこれは17年ほど前に、当時勤めていた会社で受けた社員研修の時にお会いした、斎藤潔さんという講師の方が書いた本の題名なのです。

斎藤さんはその後、残念なことに不慮の事故でお亡くなりになってしまいましたが、この1冊の本が私の人生を変えたと言っても差し支えないかもしれません。

なぜならこの本の中で初めてコーチングという単語と概念を知り、斎藤さんがたどった道と同じ道をたどってコーチングの勉強を始めたからです。

その当時、私は直属の上司とあまりいい関係を築けてなく、どのようにアプローチしてもうまく行きませんでした。
今考えると彼は多分、ストレングスファインダーⓇの「慎重さ」や「原点思考」などを上位資質に持っていたのではないかと思いますが、「着想」や「活発性」「未来志向」などが上位の私の言うことやることがいちいち気に入らなかったのではないかと思います。
(「 」内の資質名はGallup社の商標です)

で、その上司には私の方から小まめにいろいろな報告を上げていたのですが、あとから常に言われたのがこのフレーズ「オレは聞いてない!」でした。

そんなはずはない、いついつちゃんと報告したはずだ、と明確に記憶しているのですが、何かにつけてこのフレーズが口から出る方でした。

クリフトンストレングスを学んだ今は、「慎重さ」優位の彼には驚かさないように筋道立てて話しながら、考えられるリスクを丁寧にリストアップして話せば、彼の「思考のフィルター」をうまく通り抜けて「聞いた」という感覚になったのだとわかります。

また「原点思考」が優位だったとしたら、過去の経緯から話し始め、そもそも論から外れないように話せば、しっかり聞き入れてくれたのかもしれません。

逆に私は「着想」が優位なので、いろいろなことを思いつき、それらを順序だてて話すことなく思いついたそばから口に出してしまうので、その上司は何を言っているのかわからなかったかもしれないし、また「活発性」の強い私は、考えるよりも先に行動すべきだというスタンスで上司との対話に臨んでいたので、すべてのリスクを洗い出してから出ないと動けない「慎重さ」上位の上司からは嫌われたのかもしれません。

また、その上司は椅子に座っている時には常に背筋をピンと伸ばしていたので、アナライザータイプだったはずで、プロモーターの私のコミュニケーションスタイルがどうしても気に入らなかったのかもしれません。

ふと、あの時すでにクリフトンストレングスを学んでいたら、タイプ分け理論を知っていたら、あの上司ともあそこまで衝突せずに済んだかもしれないと、今になって考えています(反省はしていませんが)(笑)。

人との衝突やコミュニケーション上の齟齬の多くは、自分の思考のパターンを他人にも当てはめることで発生しています。

自分にとっては自然な思考や行動のパターンでも、人はみなそれぞれ違った思考や行動のパターンを持っているので、相手が受け入れられる話し方、接し方で対応しなければ衝突するのは当たりまえですよね。

「普通はそう考えるだろ!」
「誰だってそう聞けばこういう反応するよね」

「普通」はその人独自の「普通」であって、万人に共通の思考パターンではないことを理解していない。

「誰だって」は自分のことであって、すべての人が同じ反応をするなんて言うことはないということを勉強していない。

そんなことも知らずにその時の私は、自分の思考フィルターを通してその上司と接していました。なので、何を報告しても「オレは聞いていない」と言われたのだと、今になって思うところです。

是非、みなさんにもストレングスファインダーⓇで自身の強みの資質を知り、仲間の強みも知ることで余計なコミュニケーションロスを防ぎ、お互いの強みを生かすチームをつくりあげていただきたいと思います。



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