遠野物語65
早池峯(はやちね)は御影石の山である。この山の小国に向いている側に安倍ヶ城(あべがじょう)という岩がある。険しい崖の中ほどにあって、とても人などが行けるところではない。ここには今でも安倍貞任(あべのさだとう)の母が住んでいたと言い伝えられている。雨が降りそうな夕方など、岩屋の扉を閉める音が聞こえるという。小国、附馬牛(つくもうし)の人々は、安倍ヶ城の錠の音がする、明日は雨だろう、などという。
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早池峯(はやちね)は御影石の山である。この山の小国に向いている側に安倍ヶ城(あべがじょう)という岩がある。険しい崖の中ほどにあって、とても人などが行けるところではない。ここには今でも安倍貞任(あべのさだとう)の母が住んでいたと言い伝えられている。雨が降りそうな夕方など、岩屋の扉を閉める音が聞こえるという。小国、附馬牛(つくもうし)の人々は、安倍ヶ城の錠の音がする、明日は雨だろう、などという。
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