遠野物語104

小正月の晩には行事がとても多い。月見というのは六つの胡桃の実を十二に割って一度に炉の火にくべて一度にこれらを引き上げ、一列にして右から正月二月と数えると、満月の夜に晴れる月のはいつまでも赤く、曇る月のものはすぐに黒くなり、風のある月にはフーフーと音をたてて火が震えるという。何度繰り返しても同じようになる。村中どの家でも同じ結果を得るのは妙である。翌日はこの事を語り合い、例えば八月の十五夜が風となれば、その歳としの稲の刈り入れを急ぐのだ。

○五穀の占、月の占多少のバリエーションをもって諸国で行なわれている。陰陽道に出できたものかもしれない。

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