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懐かしさのあまりシグノを手にし、それがためにボールペンに関心を持ったこと

シグノのよい思い出

数年前、シグノを本当によく使っていました。近所のセリアで0.38mmというところに惹かれ、手に取ってから、これはいいと感心しました。公的な書類への記入など、油性ボールペンがより適当かなと思えるときを除いて、長い文章の走り書きにも、メモにも、日々のタスクの記録にも、ペンを使うあらゆる場面で活躍していたことが思い出されます。何というか、とてもフィーリングが合ったのですね。

その後、使わなくなってしまったのにはいくつか理由がありました。一つは、万年筆に興味を持って、使いはじめたこと。ゲルインクボールペンであるシグノが、それほど筆圧をかけずとも書けるといっても、万年筆ほどではありません。また、書く線の濃淡が愉しめるという点でも万年筆は私にとって捨てがたいものとなりました。これは本末転倒でしょうが、使い始めたばかりの万年筆に何とか活躍の場を用意したいという心もありました。そうして、長い文章の走り書きについては、シグノは万年筆にとってかわられました。

日々のタスクの記録に関しては、シグノのインクの減りが早く、すぐ尽きてしまうことが気になってはいました。そもそもゲルインクの減りが早いことに加えて、キャップをポストしたまま長時間放置しがちであったことも一因ではないかと考えました。間欠的な記入なのですが、いちいちキャップをするのは面倒です。そこで、その日々のタスクの記録は、いつからかシャーペンで行うようになりました。

そして、きっかけとしてはこれが一番大きかったかもしれません。当時、近所のセリアからシグノが姿を消してしましました。私は最初、0.38mmのブルーブラックを使い始めたのですが、しばらくしてそれは売り場から消えました。そこで、やはり0.38mmの青に引き継いでいましたが、その青も無くなってしまったのです。もしかすると、黒は残っていたかもしれません。0.5mmならばまだ他の色もあったのかもしれません。ですが、その状況と先述の二つの理由が相俟って、私はシグノを使うのを止してしまいました。

キャップ式とノック式

ユニボールシグノは、私が使っていたキャップ式だけでなく、ノック式のものもあるんですね。先日、セリアでふとペンの棚を覘くと、それが目に留まりました。シグノが懐かしいのと、ノック式のものが私には目新しいのとで、0.38mmの青(UMN-155N-38)を思わずカゴに放り込みました。

Mitsubishi Pencil uni-ball Signo 0.38mm 青 UMN-155N-38

さて、早速筆記してみると、書き味は好もしいのですが、私の思い出のなかにあったシグノのそれとは違うものでした。記憶のなかでは、インクの出がもっと潤沢でした。

そこで、雑多なものを入れたお菓子の空き缶を探ってみると、果たして未開封のままのシグノのキャップ式、0.38mmの青(UM-151)が眠っていました。近所のセリアからブルーブラックが消えた経験もあり、青も無くなってはかなわないと余分に買っておいたものです。

キャップ式のシグノは口金が金属製であるところにノック式との違いが見られます。そうした違いから書き味にも差が出ているのではないかと考えました。が、書いてみると、私の書き方では両者に書き味の違いはないように思われました。

やはりシグノは好もしい

結局、シグノの書き味については、私の記憶が間違っていたことになります。これは推測ですが、近頃は万年筆の中字で書くことが多かったので、シグノのインクフローについてはむしろ、節度があると感じられたのではないでしょうか。一方、数年前にシグノを初めて手に取った際には、油性ボールペンのインクフローが渋く、扱いづらかった経験との対比から、何てインクの出がよいのだと驚いたはずです。そうして、シグノはインクの出が潤沢なペンとして私の記憶に残ったのでしょう。

さて、記憶の補正が済むと、ゲルインクボールペンであるシグノの、さほど力を入れずともスラスラ書けるところと、それでいてインクの出が潤沢過ぎず、節度のある点が、それはそれでやはり好もしく感じられます。同時に、私がシグノ以外のボールペンを使い倒したことがないことに少々飽き足らなさを覚えました。

ゲルインクボールペンはいろいろなものが出ているようですし、私には使いづらかった記憶のほうが多い油性ボールペンにしても、インクの改良が続けられていると想像されます。少しボールペンの世界を覗いてみたいと思うようになりました。

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