泌尿器(腎臓・膀胱)
答えは決まりましたか?
どこが間違いの記述なのか、しっかり把握しておきましょう。
では、解答です。
答え. 1
2×
アルドステロンは副腎皮質から分泌されます。
3×
排尿筋と膀胱括約筋の動きが蓄尿時の動きをしているため、誤りです。
4×
ビタミンDの記述です。
腎臓
腎臓のはたらきは、不要物の排泄と内分泌機能の2つに大別されます。
尿の排泄
●老廃物の排泄
尿素やクレアチニン等、不要物を排泄します。
腎機能が低下すると、本来出てくるはずのないアルブミンなどのタンパク質まで排泄されてしまいます。
健康診断の尿検査の欄に、尿タンパクがありますよね!
あれは尿を使って腎機能に問題がないかを確認しています。
●電解質や浸透圧等の体液バランスの調節
ナトリウムやカリウム、グルコース等の再吸収をします。
ここでグルコースが再吸収しきれないほど過剰にある(つまり血液中でも過剰な状態)と、尿中に出てきます。
この状態が糖尿病です。
●血液のpHを一定に保つ(7.35-7.45)
炭酸脱水素酵素のはたらきから、血液中に重炭酸イオンを放出することにより、血液を弱塩基性に保っています(プロトンは尿中に放出)。
正常なpHよりも低い状態をアシドーシス、高い状態をアルカローシスと言います。
内分泌機能
●エリスロポエチンの産生
エリスロポエチンは赤血球の産生を促進します。
腎機能が低下すると、造血能が低下し、腎性貧血を引き起こします。
●レニンの分泌
レニンは輸入細動脈に存在する傍糸球体細胞から分泌されます。
レニンは腎血流量低下時と、交感神経刺激時に分泌が促進され、昇圧作用を引き起こします。
機序は下記の通りです。
アンギオテンシンⅡにはそれ自体に昇圧作用がありますが、さらにアルドステロンの分泌も促すことで、2wayでの血圧上昇を行います。
●ビタミンDの活性化
腎臓はビタミンDの1α位をヒドロキシ化して活性化します。
そのため、骨にも関与しています。
詳しくは、脂溶性ビタミンの記事(https://note.com/tohan_academy/n/n3bec03d2516b) を参照してください。
腎機能低下時に注意が必要な薬物
腎血流量が低下すると、急性腎障害(AKI)が生じやすくなります。
AKIを引き起こす代表的な薬物3剤を併用することを、トリプルワーミーと言います。
機序は下記のとおりです。
一般用医薬品で該当するのは、NSAIDsです。
実際に店頭で解熱鎮痛剤を求められた際は、必ず腎機能悪化を指摘されたことがあるか確認しましょう。
副腎
副腎は、腎臓の上にちょこんと乗ってる、気をつけないと見落とすくらいの臓器です。
しかし、機能はめちゃくちゃしっかりしています。
主な役割はホルモンの分泌です。
副腎には、副腎皮質と副腎髄質があり、特定の部位から特定のホルモンが分泌されます。
副腎皮質から分泌されるホルモン
●コルチゾール(束状層)
●アルドステロン(球状層)
●アンドロゲン(網状層)
副腎髄質から分泌されるホルモン
●アドレナリン
●ノルアドレナリン
●ドパミン
副腎皮質は分泌される層が違うので、きちんと把握しておきましょう。
副腎髄質は、カテコールアミン類が該当するので、交感神経を刺激するものとひとまとめで覚えておきましょう。
膀胱
尿を蓄えておく臓器です。
排尿に関連する筋肉に、排尿筋と膀胱括約筋の2種類あります。
排尿時・蓄尿時に逆の動きをするので非常に紛らわしい部分ですので、位置と役割を理解しておきましょう。
排尿筋と膀胱括約筋
排尿筋は膀胱を覆う形で配置された筋肉であることに対し、膀胱括約筋は尿路を覆うように配置された筋肉です。
膀胱括約筋がイメージしづらいと思うので、膀胱括約筋=元栓と考えておくと良いでしょう!
泌尿器については以上です!
お疲れ様でした!
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