シリカニバリルナとピエロアクト
限界ボカロオタクなら誰もが知っている、「じょるじん」というボカロの深淵。
彼の曲はしばしば検索してはいけない言葉に分類される。
健康な時に聞くと不健康になり、不健康な時に聞くと健康になる。
最近はこの「完全犯罪伝授します」をよく聞いている。曲が盛り上がるにつれてだんだんBPMが加速していくのが不気味で好き。1回聞いて。
今回は彼の作品のうちの「シリカニバリルナ」と「ピエロアクト」について語っていきたい。
なるべくマイルドに語るつもりだが、警告はしたので読者の体調変化の責任は負わない。
シリカニバリルナ
2022年の曲。
この曲はかつて実在していた人物がモチーフになっている。その人物の名前はアルバート・フィッシュ。アメリカ犯罪史における史上最悪の人物とされている。
この曲を聞くと彼のだいたいの遍歴を確認できる。 Wikipediaによると「たくさんの児童を撲殺し、その肉を食うこともあった」とあるが、この曲の中では「小さな子の肉を食べる人」と、主にカニバリズムに焦点を当てて描かれている。
Wikipediaを見たらもっと詳しいことが分かるが、ちょっと猟奇的すぎるのでやめたほうがいい。
私がこの曲で好きなところが「丁寧なのに何かがおかしい」所だ。かの人間失格の終盤に出てくる、
「いいえ、断じて自分は狂ってなどいなかったのです。一瞬間といえども、狂った事は無いんです。けれども、ああ、狂人は、たいてい自分の事をそう言うものだそうです。」
この言葉を彷彿とさせる。
フィッシュ本人に狂っている自覚は無いかもしれない。それがこの曲をいっそう魅力的にするのだろう。
ここまで聞いて「無理!」って思った人はブラウザバックをすすめる。ここまで大丈夫でも、無理だと思ったその時に閲覧をやめてほしい。
ここから先に倫理はない。体育大会の全校練習ぐらい危ない。
紳士的な狂気
「12歳以下が上質です」
序盤からかなり不穏。吊るされている肉が何の肉なのか考えようとしたら脳内のノブが「やめやめ!」と叫んだのでやめた。
100%マナティであってほしい肉料理たち。
こんな事をしておいてプチトマトやマスタードを肉に添えているのがなんとも憎たらしい。
何も知らない人達にここだけ見せて「おいしそ〜!」と言わせた後に全てを教えたい。
惑星併合おじさんのパロディがあってニッコリするなどした。この曲の癒し要素は残念ながらここだけ。
いたいけな少女と縫い目ジジイ。
何も起きないはずがなく…
すごいタイミングでのスクショに成功。
AメロBメロと静かな雰囲気が続いていたのが、サビになって急にギターが入り凶悪な盛り上がりを見せる。すごく好きだ。オフボーカルで聞くのもまたいい。
サビの頭に曲の題名を入れてくる曲、大好き。
行くなーーーーーーッッッ!!!!!
帰れーーーーーーッッッ!!!!
よく見たら両親も普通に手を振っており、縫い目ジジイへの好感度が高いことが伺える。
この曲のイラストを感動しているのはテナテルさんというイラストレーター。絵の線の歪ませ方がちゃんと基礎が出来てる人の歪みなんだよな…クソ…羨ましい……
ピエロアクト
次に紹介するのは「ピエロアクト」という曲。
2023年6月に出ており、比較的新しいほうだ。
この曲も実在した人物がモデルとなっており、その名はジョン・ウェイン・ゲイシー。
多数の子供たちを犯してから殺した罪で逮捕され、狂人のふりをして減刑してもらおうとするが失敗する。
これも曲を聞けば彼のだいたいの遍歴を掴める。
曲には、減刑してもらおうと奮闘する彼の様子が描かれている。
精神鑑定の中で、ゲイシーは言う。
「罪を犯したのは俺じゃない。俺の中に4羽のピエロがいて、そいつらがやったんだ」
4羽というのは、単にそう呼んだら狂人感を演出できると考えたのだろう。実に安直。好きだ。
4羽のピエロは次の通り。
それぞれに役割が振られている。
みんな髪の色が蛍光色でかわいい。
ちなみに私はピエロアクトIIIがお気に入り。目が好き。変態だけど。
好きなシーン。
ケンタッキー州→チキンという連想ゲームが凡人丸出しで、ぜんぜん狂っていない。ゲイシーはこういうところ詰めが甘い。
精神鑑定をしている青年。かわいい。ふとゲイシーと同じ発想になってしまった。
ここも好きなシーン。謝ってから勃起をするな。
精神鑑定中に勃起できる胆力は褒めてやってもいい。
これのLINEスタンプとか欲しい。
サビの歌詞。一生懸命カタカナを並べて狂人感を演出しようとしているが、よく見たらただ単語を並べただけであり、凡人が透けて見えている。
鑑定士の青年とゲイシーの目の奥に4羽のピエロの色が映っている。
なんか詐病が上手く行きそうな雰囲気がある。
だが結局詐病は上手くいかず、ゲイシーは有罪となった。彼は33人殺害しており、最終的に死刑を言い渡された。
彼の死刑執行は投薬で行われ、普通なら10分以内に死ぬのだが、彼の時はなぜか20分以上生きながらえ、その後死んだという。
総括
今回はじょるじんさんの曲の中でオススメの2曲を紹介してみた。
私の言葉などではこの2曲の良さを伝えきることが出来ない。なのでぜひ原曲を聞いて、そして耐性のある方はそれぞれモデルとなった人物を調べるなどして、2曲への理解を深めてもらいたい。
↓シリカニバリルナが収録されているアルバム
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