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〜坂のリヨン〜 欧州旅行記⑥


今回は欧州旅行記のリヨン編です。
この記事の全ての執筆は全て1ヶ月半の長い旅行中の空いた時間を使って書いているのでどうして記事の更新にラグが生じてしまうことをお許し下さい。ちなみに今この記事を書いている場所はドイツはデッサウのバウハウス校舎内のカフェの中です。このドイツでの思い出も今後更新していく予定ですのでお楽しみにして頂けますと幸いです。


リヨンに着いた。リヨンでの移動では、パリのリヨン駅(大変ややこしい)からリヨン駅に着く電車に乗って来ました。

リヨンの駅に着くといやはやパリとは違う、まず困ったことにバスの乗り方がどうやらパリと違うらしくチケットの買い方などを検索したりバス停を探してみたりとリヨン駅近くをウロウロしていた。今日我々が泊まるところはAIRBnBで探した旧市街のところで、今いるところは新市街であり歩くと大変に遠く、1ヶ月半の旅行のための大きなスーツケースを一人一台持って歩くのはとてもじゃないが厳しい。
そして我々は何より昨日までパリで思う存分遊んでいたので遊び疲れがある。

幸いうちの奥さんがバス停を見つけてくれて決済もカードで支払えた為無事に旧市街へと向かうことができた。無事に旧市街に着きオペラ座のある広場のところでバスから降りた。
予約していた我々の宿はそのバス停から歩いて10分程でありグーグルマップを見る限りだと結構近そうであった。と安心して向かうや否や、その短い道のりは大変に急な坂道だけであった。恐らく神奈川の一番急な坂よりも急だろうと思った。そうだリヨンは丘の街であった。天下のグーグルさんも坂の傾斜度までは教えてはくれないのである。全て平面での直線距離なのだと思った。
ヒーヒー歩いて坂を登り終え右側を見たら、大変に美しいリヨンの街が広がっていたのでこの疲れもチャラになってしまった。こんな坂道を歩いて長いフランスパンを脇に抱えて紙袋にいっぱいに入れたオレンジを転がしてみたいものであると思った。ジャック・タチの映画でありそうだなと僕は思った。
そんなこんなで疲れをチャラにする大変に美しい街であるフランスは。

宿に着いた。我々はとても嬉しかった。何故かといえばその宿はリヨンでも古いトラブールがあり大変にリヨンらしい建物であったからだ。
パリで学んだ鍵の回し方で部屋のドアを開けた。木造とレンガを基調としたセンスの良い空間には高い天井と大きな窓が見え大きく綺麗な部屋であった。水周りやトイレ、シャワーはモダンで非常に清潔感があった。我々はすぐに荷物を下ろしてソファに座り一息ついた。いやー素晴らしい全然ストレスを感じさせない。

しばらく落ち着いてから部屋を出て、僕らは登ってきた方向とは違う道から坂を下る、そう我々の宿のトラブールを抜けていって街に出る、急な階段やスロープを降りていく。降りていき右にそれて歩いていくとお店なども多くなり、僕が好きなレコード店もあったりしてなかなか良い雰囲気であった。坂を下り切って栄えた街並みになりここで少し旧市街のサンジャン教会周辺の観光スポットを少し覗いてみようということでそっちの方に向かって歩いていった。歩いていくと、建物の壁一面に大きく描かれた建物の騙し絵がありとても素敵である、そこのすぐそばの交差点を越えるととても長いリヨンを代表するローヌ川にぶつかった。大きな古い橋がありローヌ川沿いに並ぶ古い建物群がリヨンの丘の傾斜により遠くまで立体的に連なっていてた。しばらく経ってから気づいたのだが、リヨンの並木道の木々達は皆んな同じような形をしていた。道に程よく被さるような形で、木の下の方はさっぱりしていて川の方には枝があまり伸びていないのである。その為道の奥の方まで綺麗に見渡すことができたのである。景観の為に整備しているのかもしれない。本当に絵画のような魔法をフランスの行政はするのかと思うとフランスの美に対する意識の高さが伺えてくるようである。

旧市街のメインスポットのサンジャン通りを歩く。石畳が続く狭く長い道でここらへんは我々のような観光客でいっぱいであった。うちの奥さんが候補の一つにしていたリヨンの古いブションなんかここにはあり美味しそうな郷土料理が出て来そうな良い雰囲気のお店であると外から見て思った。しばらく歩くとサンテグ・ジュペリの「星の王子様」専門店なんかもあったりする。リヨンはサンテグ・ジュペリが生まれた場所としても有名であるのだ。そこからまたしばらく歩いて教会に着いた。パリの教会に引けを取らない大きく端正な教会である。中に入らせてもらい、二人でコインを入れてキャンドルに火を灯した。ステンドグラスの光が差し込む立派な教会であった。

疲れたからなんか軽く食べたい、トイレにも行きたいということで我々はカフェを探しに来た道を戻っていく。だがカフェは閉まっていたりビストロばかりで(ビストロでコーヒーだけと軽いご飯だけを頼みたくなかったということもある)しばらく歩くハメになる、もう限界だーと思いながら歩いていくと、結構モダンなファラフェル屋さんを見つけた。そう、我々がパリでしたかったユダヤ人街でファラフェルを食べるというのができなかったのでちょうど良かった。そして何より僕自身はファラフェルは初めてである。早速お店でファラフェルサンドとカフェアメリカーノかカフェドクレームかは忘れたがいずれかを頼んだ。トイレを無事に済ませすぐにファラフェルサンドがきた。見た目はヘルシーなケバブロールのような感じであるがやはりパリのサンドはどこで頼んでも大きいなと思った。まず一口食べてみた。非常に美味かった。コロッケのようであるがややスパイスの効いたファラフェルの味がこってりし過ぎずだがしっかりいい味を出しており大変気に入ってしまった。本当に一瞬で食べ終えて、満足な表情で定員の方に「Everything Perfect.」と下手くそな英語で(フランス語はもちろん英語も喋れない)感謝の気持ちを伝えた。だがお会計の時と帰り際は一丁前にフランス語を使いたい僕は「ラディシオンスィルビープレ」と伝えて「メルシー、アバ」と言って去るのがお決まりである。この2語だけは慣れたものであると自身の学の無さをここで白状してしまうのである。

今日はパリでの旅で少し疲れているのもあり、日々の食費も抑えていこうということで今日はスーパーで美味しそうな物を買って家でゆっくりしようと二人で決めた。

その帰り道にはレコード専門の高級オーディオが売っているモダンでお洒落なお店があったりスケートブランドのお店があったりまたレコード店があったりとなかなかリヨンには音楽などのカルチャーが根付いているなと感心した。

スーパーに着き(スーパーは海外でも何故か落ち着くし何より安くて品揃えを見るのが楽しいのである)僕らは相当な時間を費やして品々を物色した挙句、白ワインとコールスロー、冷凍のクリームパスタ、サーモンのサラダに、豆のサラダ、フランス産の生ハムなど買った。

家に戻って、まず疲れ果てた僕らはソファに沈みだるそうな目でテレビのリモコンをいじり、NETFLIXでフランスなので「LUPIN」をまた見返したり、ユーチューブでフランスガイド中村さん(旅系ユーチューバーの傑作です)の話に感心しながらして過ごした。フランスのスーパーで買ったワインや食べ物達は全て美味しかった。特にサーモンのサラダはベタではあるが大変美味しい。まず日本のレタスと違って水っぽくなく葉の味がしっかりしていてとても好きな味である。そんなこんなで料理を長いこと楽しんだ挙句、ワインをダイニングテーブルからソファのサイドテーブルまで持ってきたら最後、テレビを見ながら二人で美味しいワインを飲みながら相変わらず夜遅くまで二人で喋り続けていた。
そして気づいたら我々はソファで寝てしまっており、慌てて起きた僕は奥さんをそっと起こして、眠い目のまま二人でだるそうにベッドへと行くのであった。


〜坂のリヨン〜 欧州旅行記⑦へと続く







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