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牛歩施策

「~か?」から始まり、「~の方向で」と続き、「認識」やら「案」やら「要請」やらと続き、ようやく「協議」。そしてようやく「決定」とくる。その間、ちがう言い回しも入る。「延長論」だとか、「延長を視野に」だとか。
 
 いったい緊急事態宣言延長の正式な決定まで、どれくらいの言葉で段階を踏んでいくのか。あの無能トップ氏と、狛犬のように前に侍るひょろいのとぼってりしたの。彼らはよく「迅速な」という言葉を使うが、意味を知らないで使っているのだろう。彼らの使うべき言葉、正しくは「鈍重な」だ。
 
 彼らのことを批判している人で、よく、「民間では」という言い方が見られる。「民間では通用しないやり方だ」などと。でもその置き換えは、少々無理がある。私企業なら、あのような無能がトップにまで上りつめるまでに、つぶれてしまっているだろうから。通用どころか、存在できない。あのような無能は、政治家になるくらいしか途がないのだ。
 
 彼らがなぜあんな鈍重でも通用するのかというと、(株)国家だからだ。この会社は独占企業なので、ライバル社に負けないようにする必要がない。
 販売している売れ筋商品の「住民票」なり「登記簿謄本」なりは、他社で買うわけにはいかない。新聞であれば、朝日の社説が気に食わないから読売を取るとか、巨人が嫌いだから日刊スポーツを取るとかできる。でも住民票は管轄の役所でしか、効力あるものが買えない。選択権なしだ。
 ぼくは以前豊洲移転問題で騒いでいたときに仲間内の宴会で、解決法として、「両方残して競わせたらいい。もっと言うと警察も役所も、公的機関はすべて2団体作った方がいい」と言って総スカン食ったことがある。そんな予算がかかることをできるか! と、反対された。
 
 しかし、まぁぼくも極端すぎたと思うが、奢って胡坐をかかせないためにはライバル社が必要だという意見に変わりはない。安定し、安心した人間はほぼ例外なく堕落する。それが人の迷惑にならないところでだらけてくれればいいが、今のトップのように、人からの畏怖を保ったままにしたいと思っている人間だとたいへんだ。
 
 仕組みとしては、野党がライバル企業のポジションとなる。でも現在、とてもライバルなんて言える状態ではない。
 
 おそらく緊急事態宣言延長は来週金曜決定だろう。そしてまた、電波泥棒とでも呼ぶべき、腑抜けた記者会見を開くのだろう。それまで1週間、どれほどの言い回しで事態が牛歩していくのだろう。日本語は多様な類義語があるので、いろんな言葉が並ぶのだろうと思う。

駄文ですが、奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。